Knowledge

45Degree > Knowledge > 93年〜04年 FLH/FLT オイル交換

【93年〜04年 FLH/FLT オイル交換講座】

 

【作業に取り掛かる前に】

軽く20〜30km走行してきましょう。4速までしかシフトアップせず、2,000回転以上をキープするのがミソです。タコメーターが付いていないFLHRなどの場合は、おおよそ「60キロ4速ギア」が2,000回転です。音を耳に刻んでください。しっかりオイルを回すことにより、抜きやすくなります。

走行から帰ってきてからすぐに作業に取り掛かっていただいて結構です。しかし、ヤケドには十分ご注意ください。

 

 

【作業開始】

< 93年〜98年 エボリューション & 99年〜04年ツインカム >


画像はツインカムです。プライマリー側の下から覗いた画像です。エボもボルトの形だけ違いますが位置はほぼ同じです。
Bが エンジンオイルのドレンボルト。 C がトランスミッションのドレンボルト。

 
先ずは、手の届きにくいエンジンのドレンボルトから取り外し、オイルを抜きます。
ドレンボルトが外れたら、エンジンオイルディップスティックをスポ〜ンと取り外してください。

重要: エンジン内のオイルを出そうと、オイルを抜いた状態でのエンジンの始動は絶対に行わないで下さい。

次にプライマリです。


パッセンジャーのボードが装着されている場合は取り外します。


出てきたオイルはギラギラでした。こまめに交換していても、こんなになってしまいます。

次にトランスミッションです。


エンジンとミッションに使用されているドレンボルトに入っているOリングです。取り外す度に交換してください。


プライマリのドレンボルト。先端はマグネットになっていますので、鉄粉等が付着します。毎回綺麗にし、油分を取り除いてからスレッドシーラントを散布してください。


プライマリのオイルが出てこなくなりましたら、ドレンボルトを締めてください。
しかし、ここのボルトは普通のボルトとは違い、テーパー状のボルトになっている為締めこもうと思えば、限りなく中に入って行きます。
サービスマニュアルによると、「ドレンボルトをプライマリーカバーに取り付ける。ダイアルノギスを使って、ボルトをキャスティング面の上4.06mm〜4.57mmの位置まで締めつける」とありますが、大抵の場合、その位置では緩々のはずですので、必ずしも何mmまで。とは断言できません。よって、どんなに締めこんでも、プライマリーカバーと面になる位置以上は中に締めこまないで下さい。と、ここでは基準を設けます。最も多いのは、実際に締めてみて「キャスティング面から2mm〜3mm」というのが多いです。

 

次にエンジン・トランスミッションのドレンボルトを締め付けます。

<93年〜98年 エボリューション>
エンジン・トランスミッション ドレンプラグ トルク値 19Nm〜41Nm(14FT〜30FT(FT=フィートポンド)

<99年〜04年 ツインカム>
エンジン・トランスミッション ドレンプラグ トルク値 19Nm〜28Nm(14FT〜21FT(FT=フィートポンド)

時々、漏れてしまうから・・・といって力の限り思いっきり締める人がいますが、それは間違いです。
締め付けるのであって、締め上げてはネジがナメます。

慣れない方ほど、きちんとトルク管理を行い、ネジの感触を覚えてください。
要するに、ボルトがナメない・オイルが漏れない程度に、 締めておけばよいということなのです。

【オイルフィルターの交換】

<93年〜98年 エボリューション>


そのままフィルターを取り外してください。

もし、純正のオイルフィルターの場合、かなり大きいソケットの形状になっています。きちんと、正規の方法で締めこまれている場合は男性の本力でググッと緩みます。もし、緩まない場合はそのフィルターに合った工具が必要です。K&Nのオイルフィルターに交換されている場合は、17mmのソケットなどで緩めてください。(普通の正回転のネジなので、左に回してください。)

<99年〜04年 ツインカム>

純正オイルフィルターを取り外すのに、純正指定のオイルフィルターレンチ(HD-42311)2つ爪形状の工具をお持ちでなく、大きいソケット形状の工具、もしくは3つ爪のフィルターを潰して回す方法での取り外しの場合は、クランクシャフトポジションセンサーを取り外す必要があります。センサーを止めているボルトは3/16インチのHEXレンチを使用し、取り外します。ボルトはかなり硬く締まっています。

ボルトを完全に取り外しましたら、センサーを引っ張って抜き取ってください。これも、中のOリングが邪魔して抜き取るのには一工夫必要です。少し、上・下と、揺らしながら引っ張ると抜き取りやすくなりますが、無理に引っ張ったりしているとセンサー破損・配線がポキッと折れたりするかもしれないので細心の注意を払い取り扱ってください。また、ゴミなどが、抜き取ったセンサー部の穴から進入しないよう注意。なかには、すぐフライホイールがあります。

取り外しを促している様にも見えるかもしれませんが、ここのクランクシャフトポジションセンサーは、本来取り外しするべき部分ではございません。一般的にすぐに手に入る17mmの工具で、簡単に取り外しが行えるK&N製のオイルフィルターに交換して頂くとクランクシャフトポジションセンサーの取り外しは不要になります。性能的にも純正を上回っている為、K&Nオイルフィルターはお勧めです。


K&Nのオイルフィルターに交換されている場合は、画像の様に17mmのソケットで緩めてください。(普通の正回転のネジなので、左に回してください。


緩みましたら、エンジン側のシール面をティッシュ等でふき取り、新しいフィルターに新しいエンジンオイルを予め入れておきます。入れる量は、約100ccほど。あまり多くオイルを入れると、取り付ける際にオイルをこぼしてしまう恐れがございます。オイルを入れた後に、フィルター側のシール面にエンジンオイルを薄く塗ります。こうすることにより、シールの破損を防ぐと共に正規の方法で取り付けることができます。

フィルターの締め加減は、フィルターのシールがエンジン側の台座に当たってから、約3/4回転締めこんでください。もしくは、トルクレンチで2.0〜2.4kg・mのトルクで締めてください。締めるのは、割とススッと入りますが、シール面のオイルが飛んでしまえば、ガスケットの張りで緩まなくなりますのでご安心下さい。間違っても、取り外しに使用した工具で締め付けたり、ましてやエアーツールでガガガッ(!)と締めこまないで下さい。(実例として聞いたことがある為一応)

 

【プライマリーにオイルを入れる】

< 93年〜98年 エボリューション & 99年〜04年 ツインカム 

バイクをジャッキなどで水平にします。


上の画像では、オイルを注入しやすい入れ物に入れ替えています。

ここでは、何リッター入れる。というのが基準ではなく、水平な場所で真っ直ぐバイクを立てて、プライマリーの中のある部分でレベルを判断します。それはダイアフラムスプリングの淵で、このダイアフラムスプリングの下縁にオイルがチョコっと当たるくらいまでオイルを注入します。

お解かりいただけますか?上の画像はエボリューション、97年までのクラッチの為、写真にも撮影できる位スカスカですが、98年以降のクラッチは新式に変更されており、懐中電気等で中を照らしながらオイルのレベルを確認する必要があります。このレベルの確認は、98年以降のクラッチが新式に変更されたものでも同じ事です。

<93年〜98年 エボリューション>
・ ダービーカバー 締め付けトルク 6〜8Nm (50〜70in-lbs)

<99年〜04年 ツインカム>
・ ダービーカバー 締め付けトルク 10〜12Nm (84〜108in-lbs)
ツインカムの場合、ダービーカバーボルトは対向順に締め付けます。

ダービーカバーを付け終えましたら、パッセンジャーボードを取り付けます。

【トランスミッションオイルを入れる】

バイクをジャッキなどで水平にします。


↑トランスミッションオイルを入れています。


ミッションオイルもレベルで確認します。フィラーキャップを、ねじ込まずに、画像の様に斜めの角度に対して平らに置いてください。


Fレベル以上は入れない事。

 

【エンジンオイルを入れる】


まずは、先ほどまでジャッキ等で真っ直ぐにしていた車体を、ジャッキを外し、サイドスタンドをかけます。ここでも、平らな地面で行ってください。

そしてエンジンオイルを注入します。楽に3リッターは入ります。オイルディップスティックで量の確認を行います。確認方法は、先ほどのミッションとは異なり、完全に差込み、そのときのオイル跡で判断します。その都度、ティッシュなどでディップスティックはきれいにして、オイル跡を確認します。

<93年〜98年 エボリューション>


エボのオイルディップスティック。「ADD」と書いてある部分は、「まだあと1クォート入りますよ」という意味です。よって、この部分にまだオイル跡が付着している場合は1クォート(946cc)は入れても大丈夫です。FULL HOTとFULL COLDとレベルが全く異なりますが、この場合はFULL COLDで判断します。

 

<99年〜04年 ツインカム>


ツインカムのオイルディップスティック。「ADD QUART」と書いてある部分は、「まだあと1クォート入りますよ」という意味です。よって、この部分にまだオイル跡が付着している場合は1クォート(946cc)は入れても大丈夫です。エボの頃とは違い、レベルを測る部分の丁度中間がFULL COLD。最も上がFULL HOTとなります。FULL HOTとFULL COLDとレベルが全く異なりますが、この場合はFULL COLDで判断します。

では、エボもツインカムも含め、FULL HOTでの計測方法は?といいますと・・・。

エンジンが通常の作動温度(最低でも20km)になるまで走行し、走行後サイドスタンドをかけエンジンを1〜2分程アイドリングさせます。そしてエンジンオイルディップスティックを抜き、拭き、ディップスティックをもう一度オイルパンに差し込みます。ディップスティックを抜き、オイル跡でオイルレベルを確認します。オイルを入れすぎないように注意してください。

【オイルフィルターを交換している場合】

エンジンを始動し、1200回転で約3分程アイドリングさせオイルを回します。エンジン停止後、オイルディップスティックを抜いて拭き、オイル跡でレベルを確認します。ほとんどの場合は交換したオイルフィルター分の量だけ減っている為、エンジンオイルを足します。

足すのですが、入れすぎは厳禁です。使用したオイルが「少し余った!」からといっても、絶対に入れてはいけません。オイルレベルを最優先してください。

【オイルフィルターを交換してない場合】

バイクを水平にして規定のレベルまでオイルを注入してください。この場合はエンジンの始動等は必要ございません。

しつこいですが、入れすぎは絶対にお止めください

交換したオイルフィルター・ドレンボルト、ドレンプラグに付着した油分をふき取り、オイルが漏れていないか確認してください。

FLH版のオイル交換講座は終了です。ここまでの作業目安時間は1時間ほどです。

【FLHに使用可能なオイル一覧】

【戻る】