45Degree > Knowledge > スポーツスターで実際にあったトラブル3 【 スポーツスターで実際にあったトラブル3 】 これまでに実際にあったトラブルを載せていきます。実際にあると困ってしまうものばかりですけど・・・。参考にして頂ければ、トラブルの回避もできると思います。 : スイングアームが ガタガタ 89年XLH1200で起こったトラブルです。 チェーンと前後スプロケット交換の為に手術台へ上がりました。スプロケット交換だから当然リアホイールは外し、リアサスペンションは邪魔なので取り外します。 そのリアサスペンションを外したとき。スイングアームを持つと妙な感触が手に伝わってきた。 ゴリゴリッ・・・ 「??????」 一瞬息を飲んだ。 スイングアームを上下する。そして横に動かしてみる。 ガコッ ガコッ 「え?」 スイングアームが左右に5mm近く動いているのだ。スイングアーム根元のピボットシャフトに対して向かい合う形で2個のテーパーベアリングが入り組み立てられているものだから、普通は上下に動いても左右には動かない。 オーナーさんに状況を説明。承諾を得て、即座スイングアーム根元のピボットシャフトをバラしてみる。シャフトを抜くと真っ赤なベアリングが出てきた。「これだー!」と確信。
ベアリングもレースも完全にサビきっています。化学合成のグリース以外、大抵のグリースは石鹸がベースだから長い事ベアリングに新しいグリースを再充填しなければグリースが乾燥して粉になるが、粉を通り越してグリースがなくなっている。 もっとひどいのはその向かい側のベアリング。
分かります? 外してみるとベアリングが原型を留めていなかった。
そりゃ〜スイングアームもガタつくわ!と納得。 この原因は雨ざらしと長期間スイングアームベアリング内へグリースが充填されていなかった事による2つの要因で発生したトラブルです。ここのベアリングに関してはシール(ガスケット)らしいものもなく、雨が降れば水は入りたい放題。しばらくはグリースの潤滑で免れてもグリースが粉になり、グリースではなくなったとき。サビが発生し、ベアリングはどんどん削られてゆく。 |
こうなってしまっては、ベアリングも、そのベアリングに対するレースも交換しなければいけません。
ちなみに新品はこんな感じです。 こんなにベアリングが痛んでしまってはどんなに良いサスペンションを入れても動きは渋いし、ベルトドライブの場合、下手をするとベルトまで切れてしまうかもしれない。ベルトは横に力がかかると極端に弱く、ベアリングが痛み、ガタガタになると、加速するたびにスイングアームごと横に動く。横に動くとベルトにも横方向に力が加わり、いつか「プチン」と切れてしまう。つまり、定期的にスイングアームベアリングにも給油が必要なのです。 では給油方法は?と言われると、一度完全にスイングアームベアリングを取り外し、そのベアリングが再使用できるかどうか判断したあと、再使用できるのであればベアリング内部にまでグリースが行渡る様に給油する必要があります。
専用のTOOLで行うと簡単ですが、一般の方がされる場合は、手間ではありますがベアリングの隙間から手でグリースを押し込んでも同じ要領で内部までグリースが行渡ります。間違っても、スプレーのグリースやチェーングリースなどで給油しないように。
点検方法 リアサスペンションは取り外す必要があります。サスがついていると横方向に動かし難い為です。ホイールも取り外し、できれば二人で、一人はバイクが動かないようにし、一人はスイングアームを上下左右に動かしてみます。妙にゴリゴリや抵抗が感じられれば一度点検してみたほうが良いです。ましてや横に動けばベアリング交換は覚悟してください。 ベアリング自体はそこまで高くはないですが、レースを抜くため・入れるために専用工具が必要なので修理工場へスイングアームを持っていかなければなりません。
厄介な事になる前に、一度グリースアップをしてみてはいかがでしょうか。また、グリースアップする際は石鹸基ではない、化学合成のグリースがお勧め。化学合成ならまず乾燥はしません。 ちなみに、04年以降のスポーツスターではスイングアームベアリングがシールドタイプへ変更された為、上の点検方法で異常があった場合は即座交換となります。
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