カムシャフト


 どんなエンジンでも、エンジンのチューニングの第一歩はカムから入るのがごく一般的です。そして、『カム交換=ハイカム』このような想像を促し、ハイカムと聞くと「山の高いカムでしょ?(つまりリフト量)」と連想されるのも一般的です。

 カムシャフトは主にリフト量・作用角(デュレーション)・オーバーラップからなり、これらの設定次第では良く回るエンジンにも、トルク重視のエンジンにもなり、とても大きな鍵を握る存在です。

 アメリカ市場でも様子が変わり、一昔前の様な「上でよく回る」パワー重視(最高馬力・最高トルク)なカムシャフトは無くなりつつ、それに代わり、より乗り易さを優先し、高回転より、低・中回転でのレスポンスやトルクを重視させる傾向にあります。

 パワー重視のカムは、シャシダイナモで計測すると高い馬力を発揮するが、その回転域は普段滅多に使う事も無く、殆ど自慢に近い数値になってしまう。下でのトルクの薄さによる低回転域での乗りにくさ、不安定なアイドリング、異常に回りたがるエンジンに急かされ、本人も気が付かないうちに高回転まできっちり回して走ってしまい、高燃費にエンジンの痛み方の激しさといい、ストリート向けのチューニングとはとても言い難いものです。

実際には乗り易さ優先のカムを選択した方が良い事も多く、低回転寄りで素早くトルクを立ち上がらせることで、とても乗り易く、アイドリングも安定し、エンジンに急かされることもありません。乗り易さ優先としながらも、パワー重視のカムと比較しても劣らない走りを見せ、実際に2台で走行してみるとエンジンを回さなければ走らないパワー重視より、下の押し出しが強い乗り易さ優先カムの方が「速い」一面も持っています。

 しかし、なんでもかんでも同じカムを勧める気もありませんし、エンジンの仕様または他のセットアップ状況を考慮し最適なカムシャフトを選択しなければなりません。

 ツインカムエンジンの出来は優秀・完成度も高く、求められるものは、必要最小限にして、最大の効果を出す。そしてロングライフなチューニングです。弊社としては、そういった内容をご提案していくスタンスです。

 先ほどからカムだけを交換する前提での話で進めてきましたが、”ライディングスタイル”・”エンジンの仕様”に対して、最適なパーツを選択することが大切だということがひとつ。

 やはり純正に比べてパワーがあってこその「面白い」や「楽しさ」・「乗り易い」であり、多くのユーザーが望むべきチューニングは“ストリート向け”のチューニングであり、ハーレーらしさを消さないよう、むしろそれをより強調させるものとし、絶対的なパワーよりも気持ちの良い軽快感なのだということを、様々な経験を通じて強く思うようになった次第であります。

ENJOY ツインカムエンジン!

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