「103ん??」事件  / 2011y FLHTCU 103

まずはじめにお礼。

インジェクションチューニングの実績台数が、2015年9月だけで14台!先月のインジェクションチューニング実績は合計14台と、45での過去最高でした。皆様の間にチューニングってした方がいいんだという事が浸透してきたお陰であります。
 
シャーシダイナモを用いた本格的なチューニングを始め、一台一台、計測・ロギング・手打での打ち込みを行い、検証、試乗、変わらず行っておりますが、その方法を忠実に保ったままで、手抜きなしで一ヶ月に14台。これまでで、最高値となりました。ブログやFaceBookには載せてないだけで、他の業務も合わせて同時進行させながらの、14台には、ほんと、驚きました。
 
そして、10月。10月は、も・もしかすると・・・・今月は15台・・・いっちゃうカモ?!!! な勢いで、ほとんど毎日チューニング行っております。45ではチューニング熱、まだまだ右肩上がりに上昇中でございます。(インジェクションチューニング、気になるお客様は、一度お問い合わせ下さいネ。お電話でもOKですよ)
 
そんな事で、毎日引っ切り無しに回し続けてはいますが、その一方で、今月はじめにお見積もりの依頼を頂いてるお客様、もうチョットお待ち下さい。指で数えるほどの数日内には、随時お返事できます。
 
 


 

 
さて
「103ん??」事件。排気量の事です。

もしかして、排気量小さい?!!
96キュービックインチ??の疑い。
 
結論から言うと、間違いなく「103」だったのですが。
 


 
2011年のウルトラ、103ci。チューニングなどでご入庫頂き、チューニング。
 
ここまではいつも通り変わらない流れで、純正のECMへ、103キュービックインチ用のチューニングキャリブレーションを流し込みエンジン始動させる。
 
・・・・どっどっどっ・・・暖気が進むにつれ、いつもと違う淀んだ排気音、異様に目に沁みる排気ガス。 
 
「まあ、各個体で違うからな。」 だから一台一台、1%単位の数値をシビアにチューニングしているわけだが。
 
シャーシダイナモに載せてチューニングに関係する測定器など全て接続して診てみると・・・おいおい、ちょっと待て待て。こんりゃオカシイぞ、と。

103_STAGE1
そしてロールオンテストで、だいたいのところを合わせて最高出力を測るも、このとおり。
 
 
「えーっ、全然出力出てないし。」
 
 
103_normal
これは、あまり見せてはイケないものだが、特別公開(?)
こういうところの作り込みが、走りの「基本的なところ」に影響してくるのです。走り味は別ですけどね。
 
 
サンプリングしたデータを元に、値を合わせていくも、103キュービックインチの標準エンジンには有り得ない数字を入力しないと計算が合わない。そして、実測では、それで正しいと出る。

103キュービックインチの標準エンジンには有り得ない数字を入力しないと計算が合わないが実測では、それで正しいと出る。
 
103キュービックインチの標準エンジンには有り得ない数字を入力しないと計算が合わないが実測では、それで正しいと出る。
 
103キュービックインチの標準エンジンには有り得ない数字を入力しないと計算が合わないが実測では、それで正しいと出る。

・・・・頭の中でこの文字がずーっと回り続ける。
 
 
むむむ・・・
 
 
チューニングって、そのチューニングの手法や方法を学んだだけでは、まだ全然足りない。入り口に立った程度だろう。熟練者になっても、何が正しく、何が間違っているかの見極めは常に付きまとう。それを数字の羅列を見て判断する。感じた些細な違和感の見極めは心眼も大切なとても神経質なお仕事である。だから、調子の悪いときや、疲れているとき、チューニングは絶対にしない。失敗するからだ。
 
その上で、心に決めていることがある。チューニングで「失敗作」を世に出すことだけは絶対にしてはならないと、一台一台に特別な「緊張感」をもって、チューニングのお仕事をさせて頂いています。
 
その緊張感が、今回だけは、どうしても合点がいかないパラメーターを元に、このまま続行させてはならないとストップをかける。不適切な状態に対して、チューニングすると、何かのとき、適正に戻った際、誤った状態でチューニングした事が原因で、調子が悪くなるからだ。調子の悪いハーレーに乗って楽しめるはずがない。それをよく解っている。だからストップをかけた。原因がはっきりするまでは。
 
 
IMG_9170
いろいろな「まさか」の可能性を探り。
 
IMG_9140
カムシャフトが交換されてはいないか・・組み付け間違いではないか・・? 
 
BK560215

BK560216

「まさか排気量が103ではない・・??」
ピストン上面に1690の数字があるので排気量は103で間違いない。
 
 
ここまでしたほどだから、余程、おかしかったのだろうと思って頂いて結構。
 
 
いろいろ、確認すると、不具合をみつけ。違和感の根源を断つ事に成功。
 
 
IMG_7072
おおっ!
調子が悪い時に作ったデータ入れると、明らかに調子悪くなった。やったー!
 
IMG_7416
そうそう、これこれ。これよ。
 
 
103_STAGE2
そして、不具合のままの状態と、不具合取り除いた状態でのロールオンテスト、比較。不具合から解放された途端、80馬力オーバーをマーク。他の103キュービックよりも、よっぽど出力高くなりましたね。排気音も元気になったし、調子もよくなった。
 
 
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完成デス(^^)
 
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実はハンドルも変えまして。
 
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サイドスタンド・エクステンションも取り付けました。
 
 

これでゴキゲンに走っちゃって下さい(^_-)