こんな状態で、持ち込まれました。 1996年式の、FLSTCです。
エンジン始動すると、
トンカンコン・・・ゴロゴロ・・・
明らか、普通じゃないメカノイズ。
嫌な、打音が聞こえる。。。
これだけ見ると、ピストンに問題あり、の様に見えますが、違いました。
フロントコンロッドをTDCに持って行くと上下方向にガタが。つまり、写真の様な状態になっていた。そして、エンジンの心臓部の、硬い金属部品が摩耗、削れ、それがエンジンのあちこちに回り。
同じクランクケース内にいたピストンと、シリンダーは、もう使い物に成らなくなっていました。
これと、全く同じ壊れ方をしたエンジンのリビルド経験ありますが、結構な部品の交換、または修繕をしましたね。
この時、弊社には、2機のS&Sの新品エンジンが在庫にありました。S&SのV111 / トリプルワンです。
細かく「修理」し、現状復帰することが当たり前ですが。
….こうなると、前よりも、いい具合にしたいなぁ、なんて、僕はこっち側に思いがある方ですが….
その究極のチョイス「エンジン載せ替え」することで、安心してパワフルなエボハーレーに、なります。
オリジナルのエボに拘って、”排気量アップ”…などの、エンジンカスタムを行うと 軸受けベアリングの容量不足なども重なりその寿命を大幅に削ってしまう傾向にある。(オーバーホールプラスαのカム交換くらいに留めておけば全く問題なしです)
今回は、新たなエンジンを載せる事になりました!
新たな気持ちで走り出そうと。そういう狙いもあるんじゃないでしょうか。
むむむむ????
フレームを、綺麗にしたら、見えてきた細い線。
なんと、まさかの、フレーム亀裂を見つけてしまった。(これで2回目)
ちなみに、
滅多にあることではありませんが、エボ・ソフテイルは、ローダウンのし過ぎ・底付きには、特にご注意を。
フレームの亀裂、エンジンが降りている時に見つかって良かった。
エンジンも、ミッションも、下ろさなきゃ、出来ないのだから。
じゃあ、ミッションも下ろした事だし。ミッション周りのガスケットも、変えとこうかの!
ミッションのガスケットまで、変えておけば、この度のエンジンスワップで、全てガスケットを交換した事になるのだから。バシーっとやっておきたいじゃ、ないの。
とか言いながら、薄々、嫌な予感がしていた。
結果的にはね、当たっていた。
開けてみる!
抜いてみた!!
これで、一番厄介なメインシャフトシールが安全に交換できる。
そこまでは良かったのだ。
やや大きな、金属片が….
ポロっ。
嫌な予感は、的中するもので…
シフターシャフトスプリングが破断…
スパーギアのピッチング….
メインドライブギアが…..大変な事に….
ぐはー😩うわ〜💦💦
….となりましたが、なんかなるもんです!
ラチェットシフトポールも対策品へ👌🏻👌🏻
よーくご覧下さい。スプリングが角断面になっているでしょ。平たくいうと、現行車両と同じスタイルです。
ミッション抜かないと交換出来ないラチェットシフトポール。開けたら変えておきたいですね。
(過去記事 https://www.45degree.net/blog/?p=6713)
フロントタイヤ、フロントブレーキ周りも修理を行い。
エンジンできたら、まずは慣らし運転。
ヒートサイクルの慣らしを、進めます。
車検証の記載事項も書き換わり、エンジンには職権打刻され完了です。
「乗り換え….」の4文字を検討しそうなトラブルが続き。
こうやって、再び走り出した一台のエボ ハーレー・ストーリー。
新車を買っても手に入らない満足度の高い車両になったかと思います!
生まれ変わった、湧き上がる「エボ・ハーレー」を、お楽しみください。
Posted by M.Yasuura