DynoJet パワービジョンでトライクのチューニング / 2008y FXSTC

ゴールデンウイークが、1ヶ月前だった事に驚くばかり。
 
さて、トライクにカスタムされた車両の、チューニングを承りました。
 

デバイスはパワーヴィジョンを用い、8つ備わったデーター保管のスロットを生かせる点が良いね!という事で、パワービジョンを選んで頂きました。
 
 
 
これに、パターンの違うデーターを作り、
一つは走り心地重視の「強め」
一つは燃費重視の「エコ」
最後に、バランス型の「標準」
この3つを作リマス。
 
 
 
 

 
 
 

 
 
 
そして、パワーヴィジョン最大の利点ともいう手法の、純正データを引っ張り出して、書き換え、再び入れ戻す。
 
この方法は、純正ECM書き換えの手法で、最も手堅い方法。
 
もちろん、普段からオススメしているUSBタイプのディレクトリンク・フラッシュチューナーがどうこう…じゃないですよ^^。 
 
 
  

チューニングが完了し、走りも良い具合に変化し、「よしっ、これなら….」とご納車致しました。
 
 
 
が….なんということか、トラブル発生。
 
チューニングして、当初良かったものの、徐々にエンジンがポンコラと アイドリングストップ(ストール)していくトラブルが発生。
 
もちろん通常のプロセスなら、起こりえないし、当然確認をしている内容。
 
チューニングの内容が影響している箇所では、とても起こりにくいトラブル。
 
 
  
IAC / アイドルエアコントローラーのポジションがこの度の曲者。
 
ダイノ上でグッと睨んでいると、吹かしたり、パーシャルで走行したり、、、そこからのエンジンブレーキで、良かったり、悪かったり
 
条件が不規則で、かつ、あらあらあら….と数値が下がってしまい。
 
結果として、そもそも設定すらしていない、とても低いアイドリング状態となり、そこでアクセルを捻った時に間が悪いと、バスん!と死んでしまったり。 
 
 
 
妙な現象……..これは冷静な判断で、経験上。
 
 
 
パワーヴィジョンの調整項目、テーブルで触って、どうこうなるものじゃないのは察していた。
 
僕が触れない領域に、致命的なバグが存在するとしか思えない。
 
そのベースデータに問題があるということ。
 
だが、この度は純正データを吸い出しているのだから、それも考えにくい…..
 
うーん。だが、しかし。調整できない領域にトラブルがあると判断し、ベースデータを丸っと、やり替える作戦でいた。
 
 
 
….じっくり見直すとベースデータを丸ごと遣り替えの作戦で正解。
 
 
 

パワーヴィジョンが有する最大の特徴を使う事での安心感が、初歩的であり、重要な箇所を見落とす理由となってしまった….
 
Software Levelが….171が入っとるじゃんか、という。ここに気付くのが遅れた。
 
 
 
てっきり、176が入ってると思い込んでいたのが、この度の失敗。
 
2008年FXSTCのECMにあった、純正データのソフトウェアレベルが、171だったという….。OH….。。
 
もう、当たり前に、2007年〜2010年までのソフテイルは176だと思い込んでいたが、この車両には、171が入っていた。
 
 
 
恐らくだが、ディーラーさんで行うアップデートを受けて来なかった車両の可能性も。…可能性として、否めないね。
 
ちなみに、ディーラーさんで、171だ、176だと言っても通用しないんですよ。

アップデート作業を行うデジテクではソフトウェアレベルという概念は存在しません。
 
全てハーレーの品番”12345-67D”のような、品番です。
 
32852-08までが171で、32852-08Aというのが176に変わったタイミングのようですね。
 
 
 
それからの、対策ですが。
これまた、パワーヴィジョンの特徴を活かし、改善策を施しました。

ソフトウェアレベル176の、他の車両から吸い出した純正データをベースに、アップデートし、再度書き換えた。
 
これで、トラブル解消です。もう、あの妙なエンジンストールの兆候すらない。
 
 
チューニング….慣れた仕事だけれども、決して気を抜けないのがチューニング。
 
トラブルと隣り合わせという事は、重々承知の中、相当慎重に行うも、起こってしまったこのトラブル。
 
….よりによって、五本指に入る、上位3位中の、トップクラスに トラブっちゃいけない人の車両で起こるのだから… 恐縮もいいところ。 すいませんでした。
 
 
Posted by M.Yasuura