事故にて損傷したロードホッパーType5の修理案件です。
当社が2017年12月より「リグニス広島」としての看板を掲げているから….ではなく、それになる以前からご来店頂いていたお客様。
事故の数日後にはカスタムにてご入庫予定だったのですが、不幸にも対向車線の車両と接触。
(当記事は、お客様からご了承頂いている記事であり、進捗報告を兼ねた内容になっています)
ロードホッパーの象徴とも言える「スプリンガーフォーク」が、大きく歪み、
そして、大きく曲がってしまい….
アクスルシャフトは曲がりが大きすぎ、サンダーでカットして取り外したほど。
ブレーキキャリパーステーのトルクロッドも歪む。事故の衝撃を物語る。
フロントホイールのリムも大きく歪んでいる。タイヤから空気が抜けてないのは、チューブ仕様だから。チューブレス仕様なら抜けているのが当然。
右サイドには様々な部品があったが、それらは対向車線の車が持ち去ってしまい…..。
それは、エンジン内部部品までも、持ち去ってしまった。
私も、様々な事故車両を診てきたがエンジンまで損傷したのは初めてと記憶する…。
カム・カムカバー・点火装置、マフラーなど….. ロードサービスの担当者さんから、ビニール袋で受け取った。
対向車のドアミラーも何故か含まれていたが….。
ピニオンシャフトのRun Out値は目測で20ミリは楽にあると見受ける。クランクケースにも損傷を受けていた。
アイアンマンハンドルは、左側が折れる寸前。
最も重要な骨格の「フレーム」は測定した結果、「事故による曲がりがある」と判定。
フレーム修正も思案したが、新品のフレームが手に入るなら新品を…。
オーナーさんのご要望で、なんとしても直したい、と。ロードホッパーに対する愛が半端じゃない。
そういう事で修理する流れとなりますが、当時のフレームは既に廃盤。最も新しいロードホッパーType5フレームを見繕って頂いた。
綺麗にパウダーコートされたフレーム。ハンドルロック機構をフレーム内部に収める構造となっていた。
スプリンガーフォークも新調。見比べると随所、改良が施されていると見受ける。
大きく損傷していたエンジンは、当時搭載されていたS&S 80キュービックインチエンジンが既に廃盤との事。 当社ストックしていたS&S SH93エンジンを搭載することで思案。
この度は、フレーム申請と、原動機交換の申請を同時で走らせます。これは当社では前例のない事。
まずはフレーム申請を先行。 その後、新しい車体番号を取得後、原動機の改造申請を進める流れとなる。
その手続きは割愛するも、ちょっと面倒なもので….。
第二次審査後、旧フレームから傷んだ原動機を引っこ抜き。
新フレームへ、旧エンジンを搭載。
作業を進める….。 新エンジンは奥にある。
新品のスプリンガーフォークと、ホイールを組み立て。 ブレーキディスクボルトなど、そこで取り外し作業に少々難航。せめてトルクスのボルトを…..。
ここのボルトは予定外の新調部品となってしまった。
新フレームに旧エンジンを乗せた状態で着陸。
旧フレームはまだ取り外し部品多数につき、の状態だ。
前後タイアはダンロップのD402に交換。
ルックス重視から、コーナーリング配慮故。もちろん前後Wheel共にダイナミックバランスを取り直した。
前後ホイールを組み付け。新フレームに旧エンジンを搭載した状態で、検車台に載せ….改めてフレームをしげしげと観察。
綺麗なフレームだなぁ….と。
Zeroエンジニアリングが一斉を風靡。グースネックにリジッドフレームと言えば、イコール、ゼロエンジニアリング…..木村さんが創った車両が、雑誌の表紙を次々と飾っていたのを記憶する。
その血統を受け継ぐロードホッパー。
改めて、このロードホッパーの骨格を見返し、とても綺麗だな…と。
筆者、およそ20余年ほど前、まだエボハーレーが新車で購入出来た頃、日本でのショベルブーム全盛期を目撃していた。
そのころチョッパーブームとショベルブームがオーバーラップ。そこには、ショベル・チョッパーが一つの宗教として存在していた。
ショベルに、チョッパーに、特別なオーラを感じ多感期を過ごした少年も、その影響は受けたもので….。ロードホッパー をみていて、そんな事を思い出していたり。
さ、早い事フレーム申請を済ませよう。
エンジンの改造申請はフレーム申請後となります。これを、やっつけたつもりだが、書類作って再度確認せねば….。
続く。
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Posted by M.Yasuura