エボのクランク 修理案件2 / 1999Y FLSTC

外は春の陽気になってきました…。
 
暖かさが増すにつれ、現場はアツくなってきています。めちゃ、忙しいっす・・・。
 
 

効率アップアイテム。 スクレーパーを新調。 やっぱKTCのスクレーパーが一番しっくりくる。超硬・セラミック・ステンレスで、ショートタイプの2本が主力になるかなと思いきや、長いのも要るかな。
 
 

検査のハンドブックを新調。 これはバイク専門のハンドブックですが、そろそろアップデートしようかと重い腰を上げました。紫から黄色に。
 
 
 
 
 

一般的に楽しい本ではないですが、2輪に集約した読みやすい本。結構面白い。
 

イラスト付きだと、より判りやすい。右下のミラーの件、なかなかユーザーさんに伝わらないだよなあ。2年前は車検通ったから今回も大丈夫だ、と言い切られてしまう。
 
私も調べもせず伝えてはないのですが、支局での通過という過去は、支局でしか覆せないんでしょうね。 検査官に2年前の件は伝えても無意味で、基準に満たないとサクッと落とされてしまいますヨ。
 
  
当ハンドブック、つい先日の事ですが、かなり見直す出来事がありました。
 
「ピンクにも書いてない….白い補足資料じゃ分かりにくい….ウェブにはあるけど….おっ、黄色には一番新しいことが分かり易く書いてある」というような出来事。買って良かった。
 
このハンドブックをもっても、審査事務規定はあっちこっち繋がってないリンクを考慮しながら確認しなきゃいかんので。まだまだ勉強あるのみ。ふぅー。
 
 

さて、本題。クランクをアッセンブリー。
 
前記事で、96年か、97年以降のエボで…と明記しましたが、明らかに多くなるのは97年以降と記憶。
 
ここで、変な方に気持ちをスイッチして欲しくないのは、高年式のエボは買わないほうがいい、と伝えてるのではないという事です。
 
多くのユーザーは宝物を買う気持ちでハーレーを選ぶだろうと思われる次のアクションは、絶対に失敗したくないと、新しいものに、最終型に、向かってしまうのは、これ乗り物が異なっても働く仕方がない心理。
 
どちらにせよ、1999年式が最終エボで、もう20年も経ってしまった車両である点を考慮すると、綺麗げに見えても、ガスケットはヨボヨボ・バキバキ・カッチカチ。(弾力をなくし、劣化、割れなどがある、という意味)
 
そういう状況ゆえに、オイル漏れ防止または修理の意味で最小限に留めても「エンジン腰上」くらいは開けるようになる。
 
それが1999年式であろうと、1986年式であろうと、避けては通れない経年劣化。
 
そこで、単なるガスケット交換だけ…..に終始せず、思い切ってエンジンのフルオーバーホールを行い、オーバーホールだけでは手をつけない可能性もあるクランクも、壊れる前に対策打ってしまうとかも出来てしまう訳で。
 
対策するとエンジンが滑らかに動くようになりますので。
 
で、気持ちよくハーレーに乗っちゃう方が、新しくても古くても、数倍、美味しく味わえますよ。
 
 

クランクのRunout値はほとんど針が振れない位に追い込めました。これならギア鳴りほとんど無しですね。
 
 

カムシャフトも傷んでいたので交換。Nカム。ブリーザーギアも新調。
 
この度の修理、仕方がないものは「新品」ですが、そうでもない、または差し支えないと判断したものは、「中古品」を用いて、費用をなるべく抑えるよう配慮しています。
 
 

エボ専用・オーバーサイズ マーレピストンを組み立て。
 

シリンダーに深く刻まれた傷は完全に消え、新たなクロスハッチがエンジンオイルを保持する。
 
 

マーレピストンを組まれ、機会がありましたら、この状態でクランクの軸を持って、手回ししてみてください。
 

こんな感じで回るはずなので。
(動画はショベルですが、手回しの感触は同一です)
 
 

ロッカーカバーは、エンジン下ろしてると、直上からアクセスするもんだから、すこぶる作業性イイですね。
 
シリンダーヘッド内部のカーボン除去・バルブステムシールもViton仕様(抜け止め有り)にしておきました。
 
 

エンジン組み立て完了で、ポンとフレームに載せ。
 
  

場所はダイノルームへ移動させたのは、エンジンのオーバーホール後につき、ここで初期ナラシと、チューニングを同時に行う為。

このダイノルームはそれらを総合的に行えるようになっている専用の部屋。
 
 
 

動画をご覧頂くと、クランク修理を済ませ、新品ピストンで生き返ったヘリテイジのエンジンがルンルン🎵回ってます。
 
初期慣らしと、S&S Eキャブをサクッとチューニングして納車です。あと少しですよ。
 
走行距離7万キロほどで、クランクが壊れてしまいましたが、再びスタートがきれるよう、進めてまいります。
 
 
Posted by M.Yasuura

「エボのクランク 修理案件2 / 1999Y FLSTC」への2件のフィードバック

  1. いえいえ、こちらこそ。ありがとうございます。マフラー変える際は一度、ご相談ください!

  2. この度はありがとーございます。排気の焼けのいい香りがします、このままマフラーを変えず走ります。またよろしくお願いいたします。

コメントは停止中です。