気が付いたら腰上OH….. / 1984y FXSB


当初は…
 
オイルクーラーの取り付けと
 
 

オイルクーラー取り付けに伴い、ETC本体の移設と
 
 

通常のウインカーリレーから、有能なリレーへの交換で
 
それをヘッドライト内部へ収め、Finish、の案件でした…..
 
 
 
 
 
試運転を終えて、ふと振り返り見つけた違和感。
 
 
 
 
マフラーからやたら吐き出される白煙。
 
 
あまり良く無い予感がしまして。
 
 
ダイノで擬似走行状況を生じさせ、実走行と同様の状況で確認をする。
 
 
エンジンを冷やし、それからエンジンを始動させ観察。
 
冷間時から、温感時まで変わらず出続ける。
 
加速時、減速時、それぞれ出続ける。
 
加速時に出る場合は、オイル上がり。
 
減速時に出る場合は、オイル下がり。
 
スパークプラグには、キラリと光る液体物が付着。
 
 
エンジンクリーニング時に活用する、内視鏡をプラグホールから入れ、内部を確認し、確信。
 
お客様へ電話することに。
 
 
 
 
事情をお伝えし、了承頂いた上で、エンジンを開けてみることに。
 
当該車両は、他店様にてご成約されそこでエンジン腰上を分解されピストンはその時に交換。そこからの走行距離は約1000kmとのこと。1,000キロなら、まだ組んで間もない状況です。
 
 

ピストン上部。シリンダー壁へ、くっきり残る白い筋。
 
 

赤く囲った箇所は、指で触ると明らかな凹がわかる箇所。
 
キャストのピストンですが。考えられるとしたら、ピストンリングか….リングの当たりに、随分と偏りが見受けられました。
 
 
 

ピストン交換となりますが、こちら。マーレピストンで。
 

オーバーサイズピストンが既に組み込まれているためサイズを測る。
 
ストックの88.8mmからは上がってますが、このサイズなら89.5mmのマーレピストンでいける。
 

当事もののピストンと…
 

こちらのマーレピストンは、ピストン背面からも作りの違いが見て取れます。ピストンリングも同じくマーレ製の「ウルトラ フラット リング」。
 
ピストンと、ピストンリングが同じメーカーから供給されるのも、事、ショベル用のピストンキットでは珍しい。
 
ピストンリングだけ既に販売されている、代表的なものではヘイスティングス(Hastiongs)などのピストンリングを用いる理由の一つに、売価を低く抑える目的がある。
 
当社販売のマーレピストンでも、一応は検討もしたが、やめました….。
 
 
ピストンリングとはシリンダー壁と直接接触している部品。
 
ピストンとシリンダーを繋ぐ重要なパーツ
 
ピストンに溜まる熱を伝達させシリンダーに伝える。
 
オイルも掻き落とす性能も大切だが、
 
過度にするとシリンダー壁にダメージを及ぼす。
 
だが、圧縮爆発工程で確実なシール性能も求められる。
 
 
売価に跳ね返って高価なピストンキットになってしまっても、マーレ製のウルトラフラットリングを選んだ経緯。
 
こうしてピストンをデザインしたメーカーにピストンリングも含めて設計がなされた製品となっている。
 
 
ウルトラ フラット リングには「m」のマークが入っているので一目で判る。
 
手慣れた人ほど、マーレのウルトラフラットリングを触っただけで、その違いがサッと感じ取れるかと。
 
リングの断面なども、合わせて見ていただくと面白いですよ。それは写真では無く、現物でご覧ください。
 
 

 
 

 
 

マーレのピストンに付属のウルトラ フラット リングなら….これには、なりません。
 
 

このほか、カムシャフトにも違和感。一部は既に剥離。
 

カムシャフトと、ギアのバックラッシを確認した上で必要と判断、ピニオンギアを交換。
 
カムシャフトはHカムと普通のもので。あくまで現状復帰であり、ハイパフォーマンス化は目的としていない。
 
 

ロッカーアームも接触部の磨耗が認められ、交換。


オイル下がりの主犯はこれ。
 

シリンダーヘッドも分解し確認。ガイドなど交換さず再使用可能と判断。
 
 

組み立て。
 
その後。 ダイノで回し、初期慣らしとキャブチューニングを済ませる。一年ほど前、Twintec インターナルIG 1005組み込み済みですが、その時に入れたマップのまま。
 
 
キャブレター / Jetsize Note
S&S Super-E
IMJ > 310
MJ > 64
ABJ > 44
加速ポンプ / 適量
 

 
  

以前より快活に走り、ショベルらしさはそのままで、アクセルを開ける事に力が湧き上がってくる感触。絶好調なエボの様な走りに。
 
走りが普通すぎて物足りない….は無いとは思いますが、コイツに乗ってどこ行こう♪
 
そんな感じに仕上がりました。
 
 
冷間時から、温感時まで変わらず出続けていた白煙。
 
加速時、減速時、それぞれ出続けず
 
加速時に出る場合は、オイル上がりも無く。
 
減速時に出る場合は、オイル下がりも無く。
 
スパークプラグには、キラリと光る液体物が付着も無し。
 
 
もう少し乗り込んで、様子を見て納車、となります。
 
 
Posted by M.Yasuura