S&Sのキャブチューニング / 1997y リジッドフレームスポーツ


次は沖縄ナンバーのこちらです。
S&Sキャブにサンダージェット加工を。
 
 
という事でしたが…よーくお話伺ってみると、調子が悪いからサンダージェット加工をご検討頂いているとの事のようで。
 
修理なのか、チューニングなのか……内容次第ではサンダージェット加工は辞退する処です。
 
 
 
 
 

その一つがこちら。ご覧の通り、ファンネルですが。
(キャブのステー付いてない汗、の気付きもあり)
 
 

内部を覗いてみるとこの通り。ファンネル仕様で「内部細工」を施してしまうと、ファンネルから生み出されるはレーシーな雰囲気とは真逆です。
 
 
横向きファンネルは細工をしないと調子が悪いにせよ、これでは強烈に空気が吸えない状況が作り出されてます。高回転&高負荷専用のジェットを装備しようにも、フレッシュエアが積極的に吸えない環境下ではサンダージェットを装着する意味はありません。
 
後、このようなファンネル仕様、総括して「エアクリーナーが取り外されているもの」は審査事務規定8-9-1、性能要件にも明記されている通り、運行に十分耐えうる構造及び性能を有していないという事となり車検不適合となります。
 
 

従来レーシングカーなど、ファンネル仕様では “ファンネルの外部” に、大きく金属製のネットで囲われる、またはスポンジのフィルターをファンネル外部から覆う、「ファンネルソックス」を用いるなどの処置が施されています。
 
 
本来ファンネルのもつ意味を最大限に発揮することと、バックファイアーが起こった際に火炎がそこで消されてしまうことへの対処も含めれる。いわゆる直キャブ仕様は、バックファイアーが起こった際、ガソリンに引火して炎上する事がある…..。車検的にNGな理由はここにあると思われます。そこまで出力差は生じないのでファンネルソックスを浅く被せエンジン内部を護る様に配慮するのが吉です。
 
 

そんな事でエアクリーナーの装着をお願いし、了承を頂き。費用的に標準のS&Sエアクリーナーに変更となり。
 
 

キャブを取り外して加工。
 
 

消耗品の類も合わせ交換。
 
 

サンダージェット装着
 
 

ダイノルームへ。測定に移ろうにも、困ったことに。
 
エキパイはバンテージが巻かれ、排気上流からナッター加工で取り出すことも出来ず、サイレンサーは後方からのプローブ挿入を許さない、ミッフィーの口がバッテンになっている様なバッフル形状。
 
 

お客様へTELし相談を。バンテージの解放で快諾頂きました。ほっ…良かった。
 
ちなみに一度焼きの入ったバンテージは水分が飛んでカチカチで解くとボロっボロになってしまい再度の使用が効きません。
 
 

バンテージを外しナッター加工で上流からO2センサー取り出しに成功。
 
 

点火はDyna-S イニシャルのタイミングが遅すぎの為、ここも調整。本当はもっと進角させたいのですが構造上、低回転高負荷時にノッキングを誘発してしまい、致し方なくノッキングしない程度に。
 
 

いざ、測定するも、ロールオンテストは断念。シャーシダイナモ上で時速で100キロほどですが、タイアと外装部品との接触が認められました。
 
このタイアは5ミリほど膨張する様に見受けられる。100キロは2速ギアで簡単に超えてしまう速度ともあり、ロールオンテスト(パワーチェック)は断念。O2センサーを用い疑似走行負荷を与え実用域のチェックに重点を置きました。
 
 

こちらのクラシカルなタイアに記された速度記号Pで判るのは最高速度150kmということ。この手のタイアは一般的なタイアと比較し速度が増したことで生じる遠心力で想定以上に膨張するのが経験としてある。周辺のクリアランスも十分にあるか要注意しないと危険。インジェクションの車両ではチューニングが行えないレベルです。
 
 

合わせ、バッテリーケーブルの交換もご依頼頂きました。バッテリーのターミナル部の緩みが頻繁に生じてしまうとの事で、緩みを生じさせない特殊なワッシャーを滑り込ませておきました。これで緩むとしたら、ボルトが張力を失ってブチっと切れるか、バッテリーのターミナルが崩壊してしまう時でしょう。そのくらい確かなものです。
 
 

シャーシダイナモ上で、ブリッピングしていて気づいた事。
 
 

ほぼ、レブリミット付近でプラグコードが二本とも外れ、嫌でもエンジンストールしてしまう。これは新手のレブリミットか、安全装置か??と思ってしまうほど。抜け留めを施しても抜けるのでプラグコードを新調が吉。
 
実際に走るとそんな回転域には遠く及ばないが、一応注意しておいたほうが良いかと….。
 
 

そんなこんな、試乗に。いつものコースで、折り返し地点で写真で記録。
 
 

プラグの焼け色。左がフロント、右がリア。良いですね。
 
 
Posted by M.Yasuura