2009年のソフテイルカスタム / FXSTCをカム乗せ案件です。
走行2万キロ、カムチェーンテンショナー・シューも摩耗僅か。油圧式は優秀です。
フライホイールのRunout値もチェック。10目盛でサービスリミットで、今が5目盛。0.125mmの振れです。最大値を調べる事で振れの中心点を見つけ組み付けに反映さす為に測定をしている。純正マニュアルに明記はありませんよ。
ダイノに載せ。
バリッとチューニング….ですが。どうも、根拠のある値に決まらない。特にフロント側。違和感しかないわけで。
…、、もう心当たりがあるわけで。
プラグを外し、内視鏡で覗き込むと、カーボンの堆積がめちゃくちゃ多く厚いのが目に飛び込む。特には、やはりの、フロントでした。
ちゃんとチューニングする為にも、エンジンクリーニングしないといけないと判断。1%単位の誤差を求める上でエンジンのコンディションが整ってないと。
上の写真程度まで綺麗になってれば、なんのこともない。これで、いい感じに仕上がる。
この様に、チューニングとはきちんと条件を整えないと難しい話も出てきます。定期的なエンジンクリーニングとは、とても有効。 もし、また調子を崩す様なら、エンジンクリーニングしてパリッと綺麗にして、リセット。そこに戻れば調子は元通り。
余談ですが。
ハーレーは標準的にピストン径が大きく燃えきらないものが溜まりがち。85ミリ以上は隅っこまでの完全燃焼は難しいとか、何かの文献にありましたが、ハーレーのエンジンは基本、どれも結構溜まってる。 ハーレー的な、ゆっくりドコドコ系の走り方が影響してるのでしょう。
これは自分のGrom125のシリンダーヘッド &ピストンを分解時の写真、です。
ハーレーに比べると驚くほど、まーびっくりするほど綺麗です。常用的に回して走るし、ピストンも小さいわ、の条件ならこんな感じでしたよ。
カム乗せも、「出力向上」に目が行きがちですが、弊社で行っているものはそれぞれの状況に見合った、全体的なバランス重視なものが多いのです。
こちらのTC96のFXSTCはカム乗せにより、パルス感が備わりました。低速からの走り心地に、スパパパパッと言う歯切れの良い特徴的なパルスフィーリングです。
出力特性においても、低速トルクの落ち込みもなく、高回転まで落ち込みのないダイノグラフ(前後比較)となりました。
奇妙な図形を載せてますがVEマップを立体的に表示したもの。回転数と、スロットル開度で空気の充填効率(VE)を可視化。
赤く表示されているところは空気の充填効率が高いことを示しており、常用域であればどこからでもグイグイついてくる様に仕上がりました。
こうするには「欲張らない事」が良い結果を伴います。パルス感が備わったツインカム。かなり面白いです♪
https://www.45degree.net/order.htm
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Posted by M.Yasuura