Full-Tune CVとDyna-S(96y FLSTC)

キャブと点火のチューニングで1996年のFLSTC(エヴォリューション) ご入庫。
只今繁忙期という事もあり少しの間お預かりさせて頂きチューニングとセッティングを行います。
 


キャブ・点火交換前後での比較がしてみたいとの事でまず先にシャシダイナモで測定。
その測定後、パワーカーブ見ながら、ん・・・?と思ったのですが・・・・。ま、とりあえずサクサクッとキャブを取り外しまして。
 

 
 

Full-Tune CVのTouring仕様。 チョークは右側に移設とのご依頼有り。
アイドリング調整と、チョーク操作を右へ集中させ、操作性向上が狙いです。取り付けのクリアランスは調整してギリギリのラインに上手く収まりました。
 

チョークを右側にすると結構便利です。
 

次は点火システムの交換。


ガバナーを組み付けます。
 
 

キャブ、点火システム交換後、セッティングをする前にプラグチェックですが、このプラグはちょっと・・・。エヴォにお勧めなスタンダードプラグがありますので、そちらに交換し、ギャップ調整もOK。
 
で、シャシダイナモ上で回してみると、当初オーナー様から伺ってた内容とはちょっと違うかもの予感!エンジン関係やカムシャフトはノーマルとの事で伺っていました。一応念のためプッシュロッドカバーの中をチラ見。
 

アジャスタブルのプッシュロッドが出てきた。タイムセイバー式だからカム交換をお手軽に済ませる時によく使われているのでカム交換もしてないのに特に用は無いパーツ。う〜ん!
 
カムを交換しているか否か、正確な所は開けて見てみないと判りません。しかし、ノーマルエンジン用でセットアップしたFull-Tune CVを組み付けて回したのだが、有り得ないほど空燃比が高く出ている結果とシャシダイナモで得られたデーターの両面を冷静に受け止め、改めてセッティングに取り掛かる。
 
 
と、順調に進めたいところですが、2回ほどシャシダイナモ上で回したところで、このまま続ける訳にはいかなくなりました。
 
 

こちらのウインカーはボルトが完全脱落。なんと配線2本でなんとかぶら下がっていた。
工具がとっても入りにくい所で、移動の為にとりあえずテープで巻いて・・・。
 

フォグランプは明後日の方向へ、ヘッドライトは首を傾げております。
 
オーナー様から高速道路でのエンジンからの振動が激しいと伺っており、確かにシャシダイナモ上でも激しかったのですが、まさか2回の計測でここまで緩むとは初めての事で私としても油断していました。セッティングの途中ですが一通り緩んだネジを締め直し、再度セッティングに。
 
ちなみに、フォグランプを締め付けるのには特殊な工具が必要です。これがないと配線を切ってから締める様になるので、この工具を見つけてすぐに自分の道具にしました。
 

 
ま、そんなこんなで、セッティング完了。
前後での比較グラフも載せてみましょう。


最高馬力・トルクはほとんど変わらずの結果。それでは何も変化が無いのかと思われますが、そんな事は全然ないですよ。もちろん数値が上がればおおっ!と嬉しいものですが、それよりも大切なのは走っている時の感触やフィーリング。
 
最高馬力・トルクはほとんど変わらずの結果であっても、以前はかったるい感じでノロノロと加速していましたが、ズダダダッと地を蹴るエヴォフィーリングへと確実に変化!Dyna-S組み付け時に起こりがちな、アクセルを開けてちょっとしてから加速しだす進角装置が不適切な現象も無く、ストレス無くエヴォのポテトサウンドを堪能できる内容に仕上がりました。
 
オーナー様からの感想でも、満足して頂けた様子で良かったです!