1986年 FXR リフレッシュ計画 ”カム回り組み付け”


クランクケースへフライホイールを圧入。その他調整後 クランクケースを合わせてケースボルトで締め付けます。
 
 

 

 
次はカム回りです。純正のLカムシャフトの、カムローブと、ベアリング部分の表面剥離により使い物にならなくなっていました。まだ走行3万キロ満たないほどですが低年式のエヴォにはよく見られました。予算の関係もありますので悩む所ですが一先ずオーナー様へご連絡。純正NカムとLカムのプロファイルの違いを改めておさらいし、どうせならちょっと違うカムにしたいとの事ですが
 
 


マフラーとの組み合わせや方向性などからカムのプロファイルを検討した結果、「マサ君のカム」にしました。
 
マサ君のカムとは?
僕が隠し持っていたカムがありました。そしてエヴォを引っ張ってきて、エヴォエンジンに組み込もうとして取っていたカムシャフトを、丁度その時カムで迷っていたお客様へ譲った事から始まります。マサ君が組もうとしていたカムだから間違いない、「マサ君のカムだ!」と。
 
普段はEV27、EV7、5010、255、585・・・そういう型番で読んでいますが、堅苦しいので丁度良いのです。次はトーマスのカムをイチから作らなきゃね。この手の話が解るコックボー氏 マダオ氏 この議論 酒の席に持ち越しでヨロシク!
 
 

エヴォの特徴でもある、ブリーザーギアを、リードバルブの物へ交換。
元々のブリーザーギアはプラスチックであるが故、ギアの破損などもあり、プラスチックだから不安だと言ってメタルのギアにすると今度はケースを攻撃する事もあり、回転する必要がないリードバルブが今のところ良いです。クランクケース内圧力が高くなると、その圧力に応じて開くのがリードバルブの特徴です。
 
 

カムが変わるとケース側への加工が生じる場合がありますが、今回がまさにそれ。とは言え、今回マサ君のカムにするのでリフト量増加によりカムローブが大きくなり干渉してしまいました。しかし、この場合は純正Lカムが使える物としても、ケース側へ加工したいほどクリアランスが少ない様子です。どちらにしても加工していたでしょう。必要なだけ、クランクケースを削りカムローブへのクリアランスを持たせます。専用のスペシャルツールを用いて行うので、まさかのリューターではありません。心配ありません。
 
 
 

カムローブが傷んでいたので、もしやと思うとタペットのローラも剥離していた。これも交換。
 

 
 
つづきます。
 
 
でハでハ
 
 

マサでした。
 
 
 

その1 1986年 FXR リフレッシュ計画 https://www.45degree.net/blog/?p=8873
その2 1986年 FXR リフレッシュ計画 ”エンジン分解” https://www.45degree.net/blog/?p=8955
その3 1986年 FXR リフレッシュ計画 ”腰下各部のO/H” https://www.45degree.net/blog/?p=9031
その4 1986年 FXR リフレッシュ計画 ”シリンダー&ヘッドの仕上げ”https://www.45degree.net/blog/?p=9048