2007年式・XL883Rのインジェクションチューニングです!マスターチューンを使ってセッティングしていきました。セッティングの方向性はお任せ〜という事でしたが、このお客さんの走りの好みを意識してセッティングしていきました。
シャーシダイナモ上でのセッティングが一通り完成して、日が暮れてブル寒い中走ってきましたが、未だ見たことのない883のトルクモリモリで、Hot&スパイシーな走りに寒さも忘れ心が踊りながら走っていました。
具体的な感触を書くと、非常に軽快な一面ももちつつ、かつ回転上昇と共にホンマに883なん?と疑いたくなるほどの厚みのあるトルク感が背後から前へ押しやり、2000回転から4000回転までの、アクセル操作に対してのトルクモリモリ感が楽しく、素早い操作にもズババッと応答してくれて、でも、883特有の自分の手の内に収まってる感はそのまま。思わずニヤリとしてしまいます。体感的には普通に走っている時のトルク感やパワー感は排気量の大きいXR1200よりも、この883Rの方が幾分強く感じましたね。
あとは、これも要チェック項目でしたが、アクセル操作に対して扱いやすいか否か。フロントはレーステックで、ブレーキパッドは弊社の27R赤パッドで、よく動く足回りとタッチの良い扱いやすいブレーキとの、アクセルのリズム感は大切です。ここも僕が乗った時は違和感は感じなかったけど、オーナー様に乗って貰ってどうか?ですね。手直しが必要であれば直します!
しかし、セッティングした当の本人が楽しかったとか書くと、かなり違和感があります。
いままでちゃんとセッティングしてこなかったんかいーーーーー!と突っ込まれそうです。(笑)
これは、このセッティングの背景にあるもののチョイスが883エンジンのサイズに対して良かったのもあります。取り付けられているマフラーであったり、そういったものでチューニングの範囲が決められてしまいます。
例えば、その排気量には大きすぎるマフラー(いわゆる抜けすぎマフラー)であったり、太すぎるエキパイ径であったり・・・逆に良しと思われがちな北米マフラーを用いての独立菅状態であったり・・・・これはどれほどガソリンをブチこんでも、例えいいセッティングを施したとしても、いい走りには到底なりっこありません。
あとは「セッティングをする人」のテクニックで仕上がりの具合が左右されます。これは毎回全力で取り組んでいますよ!
さて。
そろそろ、最高馬力や、最高トルクがどのように変わったか、気になりますね。載せてみましょう。
ドン!
実は最高値はほとんど誤差の範囲で変わってはいません。セッティング前でも空燃比を見ると明らかに空気が多く(ガソリンの割合が少ない=薄い)ガクーンとパワーダウンしても不思議ではないのに、グラフは綺麗な弧を描いてます。
これはまさに、インジェクションチューニングであり、セッティングは、「単に最高馬力やトルクを求めての事ではなくて、普段走っている使い方であったり、そういったところにも大きく違いが出る」・・・・・ここなんです。それは即ち
「全域で楽しく走れるようにする」という事。
しかしながらそこはグラフ化できなくて、人間の感性フィーリングでしか表現出来ませんが、今回はまさにそれを象徴するかのようなインジェクションチューニングとなりました。
ところで、今回はマスターチューンの「デュアル」を使っています。
デュアルも、通常のタイプ(シングル)も、見た目には変わりありません。
通常、一つ、1台となっていますが、これが、一つで2台のバイクがセッティング出来るようになっています。ご家族・ご夫婦でハーレーを所有していて、それぞれインジェクションのチューンがしたい・・・・とか、 一人で2台所有していて、2台ともインジェクションのチューンがしたい・・・などどいった場合に、このデュアルだと、一つで済みますし本体代が軽くなるので安上がりなんですね〜。2台分のインジェクション・チューンをお考えの人に、是非お勧めです!