社内での話ですが、私にしか出来ない系の整備系のお仕事がドカドカっと増えてしまった直近の話。
そういう話自体、少なくは無いのですがいつもは5速2000回転の低回転で高い速度で安定して走行しているも、今多いのは2速5000回転の高回転・低速度域で高負荷で走る様な案件で。
つまり、順調には終わらない案件というニュアンス。うーむ….。
リジッドフレームのショベルさん。フレームに打ち付けられた純正同様の羅列だがオリジナルの字体では無いVINナンバーから推測するに、元は1980年式のFXWG 80ci。お客様のご紹介での入庫ですが、こちらも色々と。
エンジンかからない、暖まると調子が悪い、オイル漏れる、、、などで、御見積に正味一日かかった車両。色々ありすぎる上、初見なので、調査は慎重すぎるほどかけた。
エンジンを始動させ、様子をみている最中。
空吹かし時に無操作で急にギアがガコーン!
突如と入ってしまうトラブルもあり。
恐ろしい…..。
プライマリーを分解。。。 なぜかパンヘッド時代のプライマリーカバーがついてる。
おっと。クラッチを外すと、なんとクラッチプレートがごっそり、くっついて出て来た。クラッチじゃ無いぞ。
何度か衝撃を加え、やっと分離したクラッチプレート。腐食(さび)が原因。
ベアリング、ゴリゴリ、ガタガタ。死んでました。
カウンターシャフトにも腐食が。長期間止めてあった車両とは聞いてましたが…このままいくとT/Mギアまでダメっぽいぞ。
やはり….. ミッション内部もサビが進行。
…………..
そんなショベルを進めておりましたが、2007年96ciツアラーのお客様からTEL。
「高速道路を巡行速度で走行中、リアがロックしてエンジン停止、クラッチ切って止まるも再始動せず」
これ聞いて、何がどう具体的に起こってるか整理できてなかったですが、エンジンがブローしたなと。クランクが何らかの原因で止まってしまわないとリアタイヤがロックとエンジン停止が同時には起こりえない。
高速道路上のトラブルとなると。私ども「御呼びで無い」ので、ロードサービスのお世話になり運び込まれて来ました。
ブローバイ…というか多量のオイルと、アルミ片が外にまで溢れ出し、異様な雰囲気を辿りエアクリーナーカバーを取る。スロットルを開けるとエンジン内部からやって来た切削跡。
プラグを取ってクランクが回るかチェックするも、全く回らない。というか、プラグを取るのも一苦労(フロント)
そしてスコープを入れてみたのがこちら。
この写真で分かるのは
1:ピストンが原型を留めてない
2:ピストンを突き破りコンロッドが見える
3:ピストン上部で何かが暴れまわった痕跡
ここには、バルブらしきものも見える。
こちらは正常な状態。
この段階で確定なのは
クランク(フライホイール)・ピストン・シリンダー・シリンダーヘッドが全てアウト。
思い当たる原因…. 普通に走行を重ねて来た21万キロ目前のツインカム96。
破壊の順番はピストンからか、ピストンピンか、コンロッドか。
とりあえず御見積を。していきましょう……….。
Posted by M.Yasuura