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97yFLSTCのエンジン分解から見えてきた不具合

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こちらの記事のFLSTCの続編です(https://www.45degree.net/blog/?p=10221
 
異音がするのでエンジン腰上を開けてみると、出てきたのは傷が沢山入ったピストンとシリンダーです。
傷は入っていますが、実は45ディグリーに持ち込み前に、オーナーさん自身で交換して、いれたばかりのNewピストン。純正の2サイズオーバー鋳造ピストンです。100kmか200kmも走っていないのですが、異物でも噛み込んだと思われる無数の傷があります。
 
そして、ピストンを外してコンロッドを持ってみると、ヌルヌルと動くハズが、ところどころ異常に固く渋って動かなくなる所がある事が判りました。僕の経験上、低年式〜中年式位には無く、高年式のエボエンジンにやたらと多くみかける症状だと覚えています。
 
異音以外にも、ひっかかるギモン点もあります。
 
キャブもマフラーも純正で、エンジンも純正。これと言って、そんな事になる要因もなさそうですが、エンジン分解前にダイノルームで測定した際、全開加速時にマフラーから真っ黒な排気ガスが出ていました。サイレンサーやパイプ内に堆積したカーボンかとも思いましたが、測定を重ねても一向に黒煙の量は変わらない事から、堆積とは違うようです。加速時に継続して黒煙が出ている場合はA/Fで11以下。ほぼ10位。これでメインジェットが170ですから、なにか他の要因を考えても不思議ではありません。
 
この事をオーナーさんへご連絡。一応悪い事を想定した上での御見積を提示した上で分解、という流れになりましたが・・・開けてみないと判らない事も多く、何が出てくるやら〜といった所です。
 
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ピストンは3サイズオーバーのピストンに交換で再度やり直し。
シリンダーに入った傷は全て取り除けました。(よかった)
 
ホーニングの仕上げを、適度な面荒さにあえてする事でピストンリングの初期アタリを付けることを意識した仕上げにしました。
 
つづく。
 
 
ではでは
 
 
 
masa
マサでした。

97yFLSTCの分解前確認

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97年式のFLSTC ご入庫。
福山のお客様ですがエンジンの不調が気がかりで、45と福山は100kmそこそこの距離ではありますが、私もその状況を鑑みて陸送での手配をお勧めしました。弊社より手配した陸送業者様にて運ばれたFLSTCが45ディグリーへ到着。
 
これまでご自身でエンジン開けたり、組んだりと、色々と可愛がってこられた経緯があったのですが、今回の状況では・・・と、ご依頼頂きました。普段からブログ等ご覧頂いている様で、誠にありがとうございます。
 
弊社到着後、順番が回ってきまして、エンジン始動〜始動からの診断〜試運転〜シャーシダイナモでの測定までは行い、その診断で見えてきた具体的な状況はつい先ほどお客様へご連絡済みです。
 
ただ一つ、やはり気になるのは1300回転以上から発生する異音です。
 
いつも異音の類では聞きなれたタペットの異音とは明らかに異なる音。
これは・・・確信ではありませんが、「ピストンスラップ音」の可能性もあります。
 
 
これからお客様との打ち合わせ通りエンジン分解です。つづく。
 
 
ではでは
 
 
 
masa
マサでした。

エヴォFXD 納車整備

嫁ぎ先が決まった96yのFXD。
 
早速の

納車整備

 
昨年から取り掛かっておりましたが、
 
車検に構変、記載事項変更・・・ETCやら全オイル交換やらプラグにガバナーにデリケートなガスケット類にバッテリー・・・色々。
 
これを、びしーッと済ませませ
 
 
 
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最終的にダイノルームにてチューニング。
2013年の初チューニングとなりました。
 
 
さぁて。いかほどでしょう???
 
 
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どうですか。
73.5hpに 11キロのトルク。 エヴォ1340ccですよ。 結構良さそうでしょう。


 
CVキャブ の チューニングを済ませましたので、これにて納車の運びで御座います。
 
 
 
ではでは
 
 
masa
マサでした。

96y FLSTS エボリンガーのチューニング(調整・仕上げ)

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調整にかかる前にエンジンオイル見てみると量が少なめ。
エンジン暖めて抜いてみると、見事に真っ黒なオイルが出てきました。
 
オイルフィルターをエボ用のものを取り付け、エンジンオイルを交換。
 
Youtubeへのリンクで
チューニング前の状態です。
 

 
Youtubeへのリンクで
チューニング後です。2つ動画があります。
 

 

 
 
と、音で楽しんで頂いた後は、シャーシダイナモでの測定データーです。
 
 
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こちらがキャブ&イグニッションのチューニング後です
 
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前後を比較するとこの通り。
 
前後で、馬力は3馬力ですが、それよりもトルクが常用域で平均0.8キロほどアップしたのは良い感じですね。
 
その後走ってみますと、以前よりも歯切れが良く、「ハーレーで走ってる感」も全体的に面白い所へアジャストされてはいるものの、手直しを施し完成しました。パワーは以前より増していますが、そのパワー感をどのように繋げていくか、アクセル開け始めから、パワーをグイグイ感じるまでの、「トルク感の起承結」を作ることで気持ちよさが格段に変わってきます。歯切れるサウンドを愉しむ所、ブルブルっと伝わる不等間爆発エンジンから生み出される鼓動を感じる所、後ろから前へグイグイ押しやるトルクを感じる所、それぞれ大切にしつつ、チューニング致しました。
 
オーナーさんに、くっっそ寒い中、試乗をお願いして乗ってきて貰いましたが、帰ってこられた時の笑顔が全てを物語っていましたね。(めっちゃ寒そうでした) その試乗に、後ろから付いて走って行った人も、いつもより加速が違う!と、驚かれていました。乗り味よし、性能もアップで、きっと満足して頂けるかと思います。
 
ハーレーは、やり方次第では「化ける乗り物」です。
 
ラフスロットルで歯切れるサウンドと走行感、そのあとグッと後ろから迫るシャープでキレのあるトルクを、お楽しみ下さい。
 
 
でハでハ!
 
 
 
masa
マサでした。
 

エヴォ オイル下がり修理+リフレッシュ 仕上げ

オイル下がり修理とリフレッシュ後、エンジン内があんな状態から内部をリフレッシュしたらセッティングにも変化がある前提で、そこも含めて仕上げにかかります。
 
いつも通りシャーシダイナモにセット。
 
 
で、測ってみるとこの通り。
 
 

これだけ見ると、どうか判りませんが
実は、エンジン修理の少し前にセッティングをやり直していました。その時のデーターとオーバーラップさせるとこのとおり。
 
 

赤いグラフがエンジン開ける前にセッティングをやり直したデーター。以前の方がトルクも馬力も盛り上がっていました。エンジン開けてリフレッシュした後の方がパワーダウンしているのです。ガソリン量のグラフを見ると、過剰に供給されている様子が見れましたので、ジェットサイズを適当に落としてやるとこのとおり。
 
 

ジェットサイズを落としても、以前と同じ位まで戻りました。エンジン内の様子が変わった事がよく解りますね。Dyna-sのイニシャルタイミングも見直しました。
 
 

土曜日の納車を待つばかりです。
一ヶ月もの間、大変お待たせ致しましたm(_ _)m