「Injection インジェクション」カテゴリーアーカイブ

インジェクション883を 「バラす」

09年式のXL883をボアーアップしていきます。
マズはエンジン分解から・・・。
 

いきなり腰上を開けた写真ですが(^^ゞ
 
ピストンを見てみましょう。
 
 

おっと〜!!結構多い様子が遠目でも分かる。
 

堆積物多めで御座いますが、これにはちゃんとワケ有りにて。マフラーの連結部を見てみると、プラグで塞がれておりましたが、これを取り付けると、前後の排気音がバツバツと別れるという事で音が楽しめるというものでもあり、好きな人には好まれているようですが、これをする場合、インジェクションの設定も変更してあげないとNG。
 
なぜかというと、元々そんな状態で走る事を考慮してのコンピューターの設定はされてはいない、ですね!(ハーレーがそんな所まで考慮してたら、逆に恐い!笑)
 
あと、独立菅にした場合、組み合わせるサイレンサーによっては、排気が著しく上手く行われない事もあり、そんな状態ではエンジンに空気が取り込めなくなります。空気は少ない・・・・そんな状況でも、コンピューターの設定値はそのままの設定であるが為に、例え純正のコンピューター設定であっても、ある部分が燃料多めになってしまいます。
 
そのある部分とは、多用する回転域であったりするのですねー。
 
そうですねー。
 
薄い濃いという言葉を髪型にするのなら、薄いというのが、髪型のボウズ(3mmバリカン仕上げ)なら、ボウズに切って半年位全く手入れしていない、縦にも横にも伸びたぼんぼん頭、くらいの勢いで、燃料多めになってますね。伸ばしっぱなしだから、ぼっさぼさ好き放題生えちゃって全然整ってない。まさにこんな感じですね。
 
(どんな感じだっちゅうの汗(-_-;))

 
まっ、そんな事で、インジェクションは万能ではない事と、この883の1200ccボアーアップが始まるのでありました・・・。

2012年始動。レブまで回しました。


2012年初めの営業日も、賑やかにエンジンの雄叫びを響かせていました(・∀・)
 

2007年TC96のFLHTの、インジェクションチューニング。
チューニングするゼロナナFLHTはギアードライブ化し、それに対するカムシャフトは21Gカム。これがインストールされたTC96エンジンに、S&S製パワーデュアル・ヘッダーパイプと、同じくS&Sエアークリーナー、またまた同じくS&Sのマフラーで、テーパードタイプのクワイエットTypeとなり、ほどよく耳障りな音圧が落とされながらも低音が響く・・・
 

 
 
 

 
そんな仕様を、今回はマスターチューンを用いてチューニングしていきます。 このような仕様のデーターは無いので・・・(というよりは、毎回毎回無いのでこうしているのだけども)ツーリング用のデフォルトデーターを用いチューニングを施して行くことになりますが、カム交換によるものと、S&S製パワーデュアル・ヘッダーパイプによる効果はチューニング時に見える打ち込みデーターにまで差が生じ、ツーリング用のデフォルトが前後シリンダー別に、みるみる内にこのゼロナナFLHT専用マップへ成る。
 
カムを変えてエンジンが元気になること、プラス、純正ヘッダーパイプのあまりの効率の悪さから開放された・・・となれば、楽々な給排気が行える訳で、これはごく自然な事。今回はパワーチェックのデーターを手元に用意し忘れてしまった為、載せる事が出来ませんが馬力は80hp・トルクは11.8kgという結果でした。
 
今回は普通に楽しく乗れるグッドアクセレーションなセッティングを施していきたかったのですが、ちょっと気になる不具合の兆候を見つけた為、バイクの事を思うと積極的なセッティングは行わず控えめに仕上げました。また今度の機会に積極的なセッティング仕様にしていきましょう♪♪

すごいぞ!883!!


2007年式・XL883Rのインジェクションチューニングです!マスターチューンを使ってセッティングしていきました。セッティングの方向性はお任せ〜という事でしたが、このお客さんの走りの好みを意識してセッティングしていきました。
 
シャーシダイナモ上でのセッティングが一通り完成して、日が暮れてブル寒い中走ってきましたが、未だ見たことのない883のトルクモリモリで、Hot&スパイシーな走りに寒さも忘れ心が踊りながら走っていました。
 
具体的な感触を書くと、非常に軽快な一面ももちつつ、かつ回転上昇と共にホンマに883なん?と疑いたくなるほどの厚みのあるトルク感が背後から前へ押しやり、2000回転から4000回転までの、アクセル操作に対してのトルクモリモリ感が楽しく、素早い操作にもズババッと応答してくれて、でも、883特有の自分の手の内に収まってる感はそのまま。思わずニヤリとしてしまいます。体感的には普通に走っている時のトルク感やパワー感は排気量の大きいXR1200よりも、この883Rの方が幾分強く感じましたね。
 

あとは、これも要チェック項目でしたが、アクセル操作に対して扱いやすいか否か。フロントはレーステックで、ブレーキパッドは弊社の27R赤パッドで、よく動く足回りとタッチの良い扱いやすいブレーキとの、アクセルのリズム感は大切です。ここも僕が乗った時は違和感は感じなかったけど、オーナー様に乗って貰ってどうか?ですね。手直しが必要であれば直します!
 
 
しかし、セッティングした当の本人が楽しかったとか書くと、かなり違和感があります。
いままでちゃんとセッティングしてこなかったんかいーーーーー!と突っ込まれそうです。(笑)
 
 
これは、このセッティングの背景にあるもののチョイスが883エンジンのサイズに対して良かったのもあります。取り付けられているマフラーであったり、そういったものでチューニングの範囲が決められてしまいます。
 
例えば、その排気量には大きすぎるマフラー(いわゆる抜けすぎマフラー)であったり、太すぎるエキパイ径であったり・・・逆に良しと思われがちな北米マフラーを用いての独立菅状態であったり・・・・これはどれほどガソリンをブチこんでも、例えいいセッティングを施したとしても、いい走りには到底なりっこありません。
 
あとは「セッティングをする人」のテクニックで仕上がりの具合が左右されます。これは毎回全力で取り組んでいますよ!
 
 
さて。
そろそろ、最高馬力や、最高トルクがどのように変わったか、気になりますね。載せてみましょう。
 
 

ドン!


 
 

実は最高値はほとんど誤差の範囲で変わってはいません。セッティング前でも空燃比を見ると明らかに空気が多く(ガソリンの割合が少ない=薄い)ガクーンとパワーダウンしても不思議ではないのに、グラフは綺麗な弧を描いてます。
 
これはまさに、インジェクションチューニングであり、セッティングは、「単に最高馬力やトルクを求めての事ではなくて、普段走っている使い方であったり、そういったところにも大きく違いが出る」・・・・・ここなんです。それは即ち「全域で楽しく走れるようにする」という事。
 
しかしながらそこはグラフ化できなくて、人間の感性フィーリングでしか表現出来ませんが、今回はまさにそれを象徴するかのようなインジェクションチューニングとなりました。
 
 
ところで、今回はマスターチューンの「デュアル」を使っています。
 
 

デュアルも、通常のタイプ(シングル)も、見た目には変わりありません。
通常、一つ、1台となっていますが、これが、一つで2台のバイクがセッティング出来るようになっています。ご家族・ご夫婦でハーレーを所有していて、それぞれインジェクションのチューンがしたい・・・・とか、 一人で2台所有していて、2台ともインジェクションのチューンがしたい・・・などどいった場合に、このデュアルだと、一つで済みますし本体代が軽くなるので安上がりなんですね〜。2台分のインジェクション・チューンをお考えの人に、是非お勧めです!
 

07y XL883のセッティングぅー!


883をセッティングしていきます。
今回はマスターチューンでセッティング。
 
後にエンジンへの派手なチューンを考えられているそうなのでマスターチューンをお勧めしました。セッティング項目も、より細かく出来る点が好ましいんです。
 

LEDのヘッドライトがついてますね。これ明るい!
 

41.8馬力が47馬力へ
6.05kgが6.59kgのトルクへ
 
6馬力と、0.5kgのトルクと、それぞれ向上しました。
一応レブは7000rpmで行いましたが、パワーカーブを見ても6000rpmで打ち切って十分そうです。

3:08yFLHTCUの走りのカスタム! (完結)


慣らし運転も順調!
 
いよいよ、セッティングが始まります。
 
セッティングの際は、全回転域をまんべんなく回します。終速度は220kmにも及ぶことすらありますので、慣らし運転は念入りに、ヒートサイクルで行う為、エンジン温度も厳密に管理し、オイルも交換して参りました。慣らしはとても大切。
 
 
 

このグラフは、セッティングの前後での比較です。おんなじエンジンであっても、凄っごい開きが、ありますねー!自分でもビックリ。
 
セッティングを適切に施していなければ本来の性能は引き出せませんので、いつも通り、全域に渡り、このエンジン、このS&Sヘッダーパイプ、このサイレンサーの効率を意識しつつ、行いました。走った感触は、グラフから想像されるほどのじゃじゃ馬感はなく、トルクフルな中にも扱いやすさがあり、重量のあるウルトラを軽々と持ち上げる懐深さを持ち合わせています。アクセルのひらき方次第で、パパパパパッが、ドドドドドドッとなり、もっと深くアクセルを開けば、ズババババッと力強く前進させる。狙い通りに仕上がったと思います。
 
ところでこのパワーデーターは、マフラーなど変えている人からすれば、驚くような大人しい仕様で叩き出しています。パワーが容易に得られる条件ではありませんので、まだまだ眠る秘めたるパワーがあるのですが、ソレを開放すると、どんなになるか楽しみですねえ。
 
 

ちなみに、これが、ほぼ同一条件で、エンジン仕様のみ、異なる比較です。今回の08yFLHTCUの走りのカスタム!で行なったエンジン仕様 バーサス、 TC96ギアードライブ仕様、となります。
 
 
 
 

走行も600kmを超えました。
 
 
ところで、排ガス規制値はクリア出来るか?
 
それを測ってみました。
 
 
 
 

問題ナッスィングで御座います。