「エンジンマネージメント」カテゴリーアーカイブ

インジェクションにまつわるキオク

どもっ。
先週から梅雨に入り曇続きでしたが、昨日月曜はお昼から晴れ間が見えて、とても気持ちの良い一日でした。ま、それはともかく。インジェクション関係の、お仕事を沢山オーダー頂いている状況であります。
 
インジェクションのセッティングという言葉で1括りできないような内容ではありますが、毎日がスキルアップであると肝に銘じて、勤めています。
 
お電話でも、インジェクションの件について、複数お問い合わせ頂きますが、相当深刻な内容であったり・・・する訳で。あとは勝手にコンピューターが調整してくれるだろう・・・という希望的考えなのでしょう。そう、一見、コンピューター制御で、万能そうに見えるインジェクションは、実は全然万能な物ではないということです。繰り返します。全然、万能なものではありません。キャブレターのセッティングですらテキトーに済ませてしまうお気楽バイク屋さんがやりこなせるような代物ではないというコトです。
 
広島県に限らず、お困りのお客様は一度ご相談下さい。
 
・・・・そんな感じで毎日エキサイティングしております。
 
 
今日はインジェクションに纏わるワタシメの記憶。
だいぶ以前に乗っていたW107 450SLCの記憶。
 
いわゆる、オールド・ベンツであります。
 

↑写真ナッスィングなのでググッてきましたが、コレです。
 
この、BENZ 450SLCの説明書を見てみると、車が押しがけできるような内容を見つけました。古くからATミッションを採用しているベンツはATの油圧ポンプを出力側にも付けることで、エンジンを押し掛けできるようになっています。実際にしたことはないのですが、面白い構造ですね。
 
話がそれましたが、必要の無いときはアクセルを踏んじゃいけない・・と注意されて乗っていました。特に、エンジン始動していない時など・・。確かに、エンジン始動前にアクセルを踏んで、始動すると苦しそうにエンジンスタートしていました。まるでキャブの加速ポンプでガソリンを送りすぎたときのようです。
 
その頃、自分なりに調べてみると、ベンツは古くからインジェクションを採用し、1960年代には既にインジェクションを採用していたという記録を見たことがあります。インジェクションって、各気筒にインジェクターが付いているものだと思い込んでいたのですが、その頃は1本しか、無かったとか。
 
話を戻して、このW107 450SLCはKジェトロニック。フラップ式のエアフローメータがエアーフィルター直下にあるのが、特徴的でした。現代は電子制御のインジェクションですが、この頃は機械式のインジェクション。LジェトロニックやDジェトロニックよりも、もっと前の、ご先祖様的な存在です。今になってみれば、Kジェトロの構造をもっと見ておけば・・・!とも思う所であります。Kジェトロはヨーロッパ車に多く採用されていましたからね〜。日本車で見ることはまずありません。
 
インジェクションの歴史を調べてみると、制御方法であったり、構造など、とても興味深いものです。そういう背景を知った上で、現代の制御方式で、ECMのセッティングを見つめ直すと、また違った観点から見ることが出来て、とても面白いです。
 
とある人と話していて、Kジェトロという単語が出てきて、以前乗っていた450SLCを思い出したので、記事にしてみたのであります。
 
 

 
運転が下手くそで、ナックルを壊してしまったり・・・とか。マイナートラブルが起こり、自分でできるところは 修繕に務めたものの修理費が百万単位にまで及び、嵩みすぎました。一般的に言われている外車の洗礼を食らったっちゅーコトですな。しかし、この450SLCはいい車でした。いま、もしも乗るならディーゼルのメルセデス@セダンだな。ま、乗る気はありませんが。
 
あの頃を思えば、いまのCorvetteは拍子抜けするほど何もありません。やはり、KING OF 自動車大国の車 なのだ!
 

 
こうして、インジェクションの制御のコトについて、知れば知るほど、ああ、今は補正かけてる・・・だとか、スピードメーターが下がらなければアイドル回転数は下がらない・・・とか、無意識の意識で意識してしまうのであります。
 
コルベットだろうが、フィットだろうが・・・。
LS6エンジン搭載のコルベットはハーレーのデルファイの制御とよく似ているなあと見ています。(大気圧センサーも同型が使ってあったし)
   
とか、無意識の意識で意識しながら、車走らせる俺って。。職業病です。。。(||´Д`)o
 
さっ、週明けからも頑張ります〜(^o^)/
 
 
お知らせ:99年式FXDX USED販売車両が入庫しています。色はミッドナイトブルー!
 

インジェクションチューニング/ Proスーパーチューナー / 2010y FXDF


 
インジェクションチューニングでご依頼頂きました。
 
2010年式FXDFです。今回はスクリーミンイーグル「PRO Super-Tuner(プロ スーパーチューナー)」を使いました。
 
いつもの事ながら、「何もしていないとき」と、「チューニング後」のパワーカーブの比較を載せていますのでご参考までに・・・。ちゃんと、インジェクションのチューニングで「正常進化系」で良い方向に向い、オーナーさまにも「体感できるほど違いがあった」、と感想を頂きました。ご依頼頂き、ありがとうございました!
 
 

 

 
 
□ 診断も行っております
「PRO Super-Tuner」やFP3やパワービジョン / フラッシュチューナーなどを用いてチューニングしていて、「俺のはちゃんとセッティング出ているのだろうか・・?」と思われているお客様へ。弊社シャーシダイナモでは、パワーチェックや、インジェクション・キャブレターセッティングを行う為だけではなく、シャーシダイナモ上にてセッティング診断ができます。具体的にコンピューター内での設定が適切かどうか、正しく動いているか・・・を診断します。設定値とは数値で表示できます。よって、非常に判りやすい形で判断が出来ます。上記にて示している最高出力やトルク値とは違う視点から診断するとお考え下さい。
 
診断希望の人は、VCIをお持ちの上でご来店ください。スーパーチューナーは各個別にロックキー(これが「VCI」と呼ばれています)を渡されているはずです。最近のものはオレンジ色のロックキーになっています。以前は黒色にオレンジ文字でした。
 
 
□ 診断料金
通常のパワーチェックが4,000円(+TAX)に対し 診断料金は8,000円(+TAX)です。
 
詳しいご説明はご来店時にのみお伝えします。

チタンマフラー

D-LIVE様のフルエキゾーストシステム メガホン チタンヒートカラーの取り付け・PC5セッティングです。
なんていっても、チタンマフラーでも、驚きの軽さ!3kg以下ですから、純正サイレンサー一本か、それ以下の重量しかありません!
 
差込精度なども、いままで見てきたチタンマフラー以上の感動がありました。
 

 
セッティング中!
同時にファームウェアのアップデートも施す。
 

 
実走後はこんな焼け色になります
 

 
ECMを置くトレイから、泥水が浸入してきますので、コーキングしました。
純正ECMトレイでも同じようにされれば、シート下の汚れが解消できますよ。
 

味付け

私事ですが、料理の師匠がいます。
 
師匠が作る「味」を覚えてはいましたが、当初「食べる専門」でいたため。 作り方は知らずにいました。
 
ところが一人暮らしを初める運びとなりましたことから。行きつけのラーメン屋通い、遅くなればコンビニ弁当続きの日々でお財布に厳しくなりまして。
 
まあ、よくあるダメな流れです。
 
「自炊するゾ!」って、心にキメたものの。
 
どこから手をつけていいやら・・・サッパリ!
さすがにお米を中性洗剤で洗うとか、そこまでではないですが。
 
米ぬかで顔を洗うと、良いらしいです。
おばあちゃんの知恵袋ですが、まだ試してません。
 
 
 
一番初めにやってみた晩御飯。
生キャベツに、熱を加えて風味を出したごま油をキャベルにふりかけ、JTの食塩を徐にふりかける。
 
個人的にはナイスだと思ったのですがね〜想像してみてください。
 
 
生キャベツに、熱々ごま油をたっぷり。
ごま油は、すぐに冷めてしまいました。
シャキパリのキャベツ感に、べとべとのごま油。
そして、時折感じる塩見が救いの、こんな「おかず」
 
 
・・・・・・トルクフルにパンチがあるマズさであったと、覚えています・・・・・。
 
 
師匠が作る料理で、一番テンションがあがるのが、うどん。
 
出汁からとって作る、うどん。
 
たまごも天麩羅も入らないもっともベーシックな「素うどん」ですが、そこがミソ。
 
 
ちゃんとした作り方は教えてもらわず、大まかザックリな所だけアドバイスをもらい、始めてみたのですが・・・。
 
 
出汁は「昆布と鰹節」を使うのだけど鰹節も色々とある事に気づき。
出汁を作ってみると、舌で覚えている味どころではなくテンヤワンヤになりました。
 
 
師匠に教えていただき、使っている指定の鰹節(業務用の厚切り)を調達。
 
 
「よし、これであの味になるぞ!」
 
 
・・・・なりません。ジェンジェン。なぜ???
鰹節が少ない??みりん??薄口醤油??塩??
 
 
香りはほのかにあるのだが、風味も香りも味わいも薄っぺらくて、そこまで美味しくない。
 
 
カミさんは喜んで食べてくれてましたが、自分では納得がいかないので、すこぶる悩みました。
 
 
 

そしてうどん出汁作りを初めて1年3ヶ月後。今年の1月頃ですか。
師匠の目の前で作り、味見してもらい、アドバイスをもらいながら、ついに、求めていた味に辿り着きました。
 
 
香りと味わいに、ブワッ!っと華が咲いたのです。
 
 

コレダ!!!!!!!!!

 
 
と、同時に気付きました。
同じ食材を使っても、同じ味付けにはならない事に。
 
最高の食材を使ったとしても、料理人が違う事で生じる「さじ加減」の違い。
例え、最低の食材を使っても、ブワッと華咲かせるのが料理人なのだ、と。
 
ワタシメ。いままでテイストだ、味付けだと知った気に、使ってきましたがその時ばかりは深〜く反省しました・・・。
 
ハーレーにも、同じことが言えるでしょう。
 
パーツだけ真似ても、思うような結果が出ない、とか。個々のパーツが良くても、全体でブワッと華咲かなきゃ面白くもなんともない、とか。ショベルの様なエンジンが欲しくて、新しいエンジンでフライホイールを重たくした味付けにしても、「華咲かない・・」なんて事も、なきにしもあらず。ショベルの良さは、そのものですからね!
 
そして、コンピューターチューニングでも、同じ事が言えるでしょう。
 
多種多様にインジェクション用のセッティングアイテムがありますが、どれも違う特徴です。
 
特徴がわかったとしても、さじ加減まで熟知するのは、容易じゃない。
 
ツインカムのエンジンカスタムも、21Gとか26Gとか、言葉が定着してきましたが、ワタシメは固定したやり方はしていない。
 
実に多用なやり方があって、お客さんと直接ディスカッションの後にニーズに合わせてチョイスしている事は、あまり知られてない事実です。
 
21G=トルク。26G=高速寄りとか、一時話題にもなりましたし、弊社でもそのようにご案内していましたが、味付け次第でやりようがある手法を見出していますので、45ではすでに古い考え方になっています。
 
同じものを使っても、仕上がりには差がある。さじ加減は大きな差がある。チューニングとは、それに同列のもの、と思った今日この頃。

と、その前に・・・。

FLHTCU
本来のご依頼内容の前に、弊社にて昨年末に、とあるパーツを取り付けてから以降、異常が起こっているので原因を探っていました。
 
 
 

先の記事でも取り上げました「S&S Power Tune Dual」
 
 
こちらのヘッダーパイプに交換後から車体の異常振動が起こっているとの事。その、「本来のご依頼内容」を済ませた後では、振動の具合が変わってしまうので先に原因を探っておりました。原因はわかり、修正を施しました。異常振動のキッカケは、S&Sのヘッダーパイプを取り付けてからですが、原因はソレではなかったです。ムツカシイですかね ^^; ツーリングモデルはムツカシイのです・・・。
 
 
 

本来のご依頼内容とは、こちらです・・・。
「S&S VFI」 (参照リンク:http://www.45degree.net/Tuning/fuelinjection/VFI.html
 
 
 


 
S&S社から届いたばかりのVFIモジュールには「エンジンを動かすに必要なデーター」が入っていません。
 
こちらのFLHTCU用に作ったデーターを入れる事から始まります。
 
そして、積極的に「セッティング」する事に重点を置いた「VFIモジュール」は、VFIモジュールを動かす専用チューニングソフトウェア「Pro Tune2」が、チューニングの作業効率化に特化したソフトでよく出来ている。以前ワタシメがS&S社を訪問した際、トレーニングを担当して下さったMr,Jon Olson氏に開発秘話にも似た話を教えて頂いたが、「セッティングする側の意見を積極的に取り込んだ様子」が見て取れる。インジェクションのセッティングは途方も無く時間がかかる地味な工程続き。VFIには「ライブチューニングモード」という機能があります。これが「燃料ベースマップ」の調整時にとても役立つ。エンジン内にて圧縮爆発排気された燃焼ガス内に残る残留酸素を計測するO2センサーとモジュールを切り離した状態であるオープンループ時は、自動補正は行われない。このときでなければ、出来ないことでもありますが、ライブチューニングモード機能は「インジェクター噴射時間」を決定する大本である「燃料ベースマップ」を調整する際の作業の効率化に一役買う。効率化できる事は、エンジンへの負荷も少なくてすむ、という事でもある。燃料ベースマップを確実にする事は、家の土台を堅固に作るのと同じ工程かもしれない。
 
もちろん、この手のインジェクションセッティングには2輪車用のシャーシダイナモメーターがあっての事。この設備がなければ、99.999999%不可能であります。VFIモジュールにも、実走行において、O2センサーを用い、補正値をログし、それをベースマップ、もしくは前後のインジェクター噴射%に反映する機能は備わるも、そもそもO2センサーは温度に左右されやすい性質で不安定な物。ベースマップセッティングとはとてもシビアですので、確実なセッティングを施すときには、あまり使いません。本来の用途で「補助的に使う」のが誤作動を防ぎます。ここがサンダーマックスとは違うところでもあります。