バルブシートカット

 バルブシートフェイスを整えよう

エンジンチューニングメニューに組み込まれる「ヘッドのオーバーホール」内でご紹介しておりますが、具体的にはシリンダーヘッド側に圧入される「バルブシート」と、「バルブ」が直接接する部分のことを「バルブシートフェイス」と言い、ここを、『整える作業』です。

整えるとは、バルブの密着性を上げる、シート面幅・位置の調整、などなど。良いバルブシートはより多くの圧縮とエンジン冷却のためには必要不可欠な要素で、バルブシートとバルブフェイスの密着が良いと、圧縮圧力が確保でき、バルブの冷却性が向上します。

バルブの役割は主に「ピストンが圧縮した圧力を漏れないように保つ」ですが、どんなに良いキャブレター・イグニッション・カム・ピストンにしようが、圧縮が漏れては全く性能を発揮できません。

エンジンに興味を持つ人が一度はやってみたい項目に上がる「タコ棒でカンカン」、擦り合わせです。「あれだけじゃダメなの?」的なご質問を頂きますが、バルブもバルブシートも、そんなに柔らかいものではありません。鬼のように硬い・硬い代物です。あと、私が「痛む」と表現した痛み方は、硬いカーボンによってバルブシートフェイスへ無数に打痕が出来た状態を指します。よって擦り合わせ程度では打痕を取り除くことは出来ません。

そこで登場なのが「シートカッター」というTOOLです。

 

弊社では「NEWAY」社のシートカッターツールを使用しております。

31°・46°・60°とそれぞれ異なった角度をもったカッターヘッドを用い専用のカッターにてシート面を整えていきます。バルブと接する46°はバルブ側の45°と差をつけることで密着面積が少なくなり密着圧が高くなります。密着圧を高くすることでバルブの放熱効果が期待できます

これらはとても高価で、カッターは消耗品ですので状況で交換し、作業は手作業なので手間も時間もかかりますが、その時々でカッターの種類を換える事ができ、カッターを取り付ける位置を変えることで微調整も効く事で、独特の「とても綺麗なシート面」が出来ます。

シート面を整える以外に、バルブスプリングを交換した際の指定ハイトに調整する場合やリフト量を確保をする際にも、こちらの作業は必須となります。


こちらはバルブ用のカッターです。主にエグゾースト側バルブに出来た打痕を取り除くことが多いTOOLです。しかし、あまりに打痕が酷い場合はバルブを交換することがあります。

 

シリンダーヘッドが良い状態であると、本来のエンジンの調子が出るばかりでなく、燃費の向上、鼓動感の向上、良いこと尽くしです。05年~06年前期モデルまでのビッグツイン(TC88)と、04年~05年までのXLモデルではステムシール不良によるオイル下がり対策と同時にシートフェイスを整え、またTC96でもシートフェイスを整えると、同じ純正エンジンでも、調子の良いエンジンへ生まれ変わります。エンジンを開けたついでにも、ヘッドの整備・修正を、ご検討下さい。

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45ディグリー広島/リグニス広島
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