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ラスベガスでインジェクションチューニングの講習

ラスベガスで行われるEFIのチューニング研修に行ってきました。


シャーシダイナモで行うインジェクションチューニングで内容がかなり高度になるため対象は、 プロフェッショナルONLYで行われたUSA ラスベガスでの研修。日常的にダイノを用いてインジェクションチューニングを行なってますが、インジェクションチューニングの更なる技術向上を図り、インジェクション車はもとよりキャブ車のお客様へもしっかりフィードバック出来るようにする気持ちで挑みました。

Red Rock Harley-Davidson!

 

 場所はラスベガスにあるRed Rock Harley-Davidson。ディーラーでシャーシダイナモ使って、
インジェクションチューニングやるなんて、日本では驚き??当たり前のように、ここRed Rock Harley-Davidsonでは行われています。

 

  それを行うのは、HIRO小磯氏。この度の講師でもあります。

 

 まずはFLSTNを用いてケーブルスロットルのインジェクションチューニングを行います。

チューニングで用いるのがスクリーミンイーグルのスーパーチューナー。

 ディーラーさんでのチューニングなのでスーパーチューナーのチョイスは、ごく自然とも言えるし、当たり前かも。
そのほかにもTTSマスターチューン・DynoJetパワービジョン、ディレクトリンクなど、
数ある「リフラッシュタイプ」の中ではスーパーチューナーが最も代表的とも言えるでしょう。

 実はこのリフラッシュタイプは、ハーレーのチューニングツールの中では最も難解で専門知識を多分に必要とします。
残念な事に日本では色々な誤解が取り巻いてますが・・・。

 まず、スーパーチューナー内にある、これからチューニングするバイクに最も近いデーターを流し入れ、
その後、HIRO小磯氏がダイノでA/Fなどのデーターをサンプリングし、得られたサンプリングデーターを元にチューニングしていきます。

 ここからの分析がチューナーの経験と勘と腕の見せ所。HIRO小磯氏は正確で的確に素早く修正を加えていました。さすがです。

 得られたサンプリングデーターを元にHIRO小磯氏が手を加えた領域です。ほぼすべての領域に手が加えられている事が解ります。
サンプリングし、それを元に人の手で数字を打ち込んでチューニングを施していますように、
ダイノ(シャーシダイナモ)を用いるだけでは、チューニングは不可能という事です。

私(マサ)が言う例えですが、料理に例えるならば、ダイノはプロが使う「キッチン」で、各種測定器具はフライパンだったり、
火力豊富なコンロだったり、いいフライ返しだったりと、「道具」にすぎない。
インジェクションチューニングを行うバイクは、この料理内に例えると、「食材」、もちろん、食材はキッチンに置いているだけでは調理出来ません。
調理を行うのは、「料理人」 それが、チューナーの仕事です。いわゆるマップ職人です。

この「料理人」の塩加減一つで仕上がりは例え同じ食材を用いても異なるのは皆さんご存知ですね。
出汁でも、塩加減でブワッと華開いたり、します。そして、インジェクションチューニングでも、結局同じこと。
人の手が加えられて完璧なマップが完成します。

 ダイノを用いてもチューニングを行うのは
その人の思考と経験と勘所による「人の手」で、マップに数字を打ち込んでいくのです。

そして、必要な道具を完備し、フル装備されたダイノ(シャーシダイナモ)は、測定対象(バイク)への負荷・負担が少なく、
正確で良質なサンプリングデーターを採取するのに必要不可欠な道具です。


僕の他にもこの度の研修に数名参加されていらっしゃいましたが、各種インジェクションのセッティングを日常的に多数行ない、
日常的ダイノを用いて、どっぷりとインジェクションチューニングに浸かっている方々でしたがさらなる技術向上の気持ちは皆さん同じな様です。
かなり専門的な内容を網羅しますので、ダイノの扱い方は元よりインジェクション全般に関する知識も相当必要とする、
そんなインジェクションチューニングの世界を、更に掘り下げていく研修内容の一日目。

 

 話を戻し、一日目のケーブルスロットル車のチューニング前後比較です。

 こちらが比較。結構変わりました。

 3200rpm以降から乱れていたA/Fもマップ修正で適正値に書き換えられ、整った様子になり、また、パワー・トルクも相当に増した様子が見て取れます。
こちらSE255カムがインストールされ、パワーを出すには条件の良くないロング・フィッシュテールエグゾーストが取り付けられていても、調整次第では、その範囲内でGoodな状態になります。
 
 これは小磯さんからの後日談なお話ですが。

 フィッシュテールのソフテイルデラックスのお客さん(一日目のケーブルスロットル車のチューニングで用いた車両のオーナーさん)が来店されて、
「パワーもかなりあがったみたいだけど、カムを換える前よりもスムーズで、バックファイヤもなくなってすごくいいね。」
とのフィードバックをいただきました。部品の選択がイマイチでもやっつけ仕事にせずきちんと仕上げていればお客さんは満足させられるものだと実感しました。・・・・と。同感です!
 
 
 そして、次に進みまして・・・
 

 翌日 二日目。

 

 2012y 103ciのFLHX  DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)の研修です。

 このエンジンは103ciエンジンを使いつつ、シリンダーヘッド、カムシャフトのモディファイで100馬力仕様のエンジンになっており、
このチョイスはスーパーチューナー内には無いチョイスです。
 
 このDBWに変更されてからは仕様変更で2通りの制御がなされていますが、
2012年モデルの場合はMAP(マニホールド・アブソリュート・プレッシャー)でVEを読んでいます。

 MAPというのはエンジンから発生する吸入負圧ですが、スロットルポジションとは違い、
この値を感覚で正確に読み取るのは熟練したチューナーですら困難な事でしょう。
これを、バイクのコンディションを労わりながらも正確にチューニングするのはダイノ無しでは困難を極めます。

 HIRO小磯氏が、早速サンプリング開始しました。今回は既にこのモディファイされたエンジン向けに作られたマップを流し入れてあり
、エンジンを壊さない仕様になっていました。普通にスーパーチューナー内にあるそのままのデーターでは良くない結果になっていたと思われます。
 

 MAP制御になった事でサンプリングデーターもケーブルスロットル仕様とは全く違います。

このような過程を経て、この度の研修は修了です。今後のチューニングに、役立てて参ります。

おまけ

 この日のランチはこれ。バカでかいピッツア! 小磯氏に後ほど聞いたところ40インチ、あったそうです。
1メーター!でも価格は30ドルほど? らしいです。安いね!驚

 

 おっと、スクリーミン120Rエンジン!

 Red Rock Harley-Davidson内で納車待ちのソフテイルに載って・・・エンジン単体でも展示してあります。これはRed Rock Harley-Davidson内にある展示エンジン。120Rエンジンの裏話も聞けましたし・・誰か載せませんか?JIMS120!