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XLH883H ハガー再生
1997y XLH883H パパサン・ハガー 縁あって45ディグリーへやってきたハガー。
古き良き時代のファクトリーカスタム ローダウン仕様883。
古き良き時代というと違和感を感じてしまうのだが、既に17年経過したスポーツスターでありますので十分に時は流れ、程度の良い車輌も少なくなり、この古き良き時代のスポーツスターを安心して乗るにはショップの助けも必要になってきました。
45仕様のデモ車へ 修繕&カスタム
この883ハガーは45ディグリーのデモ車にする予定です。
古き良き時代のスポーツスターをベースに使い、その良さはそのまま残し、もうちょっと「らしく」させていく。エンジン・シャーシ・ブレーキなどの当たり前の所は全てオーバーホールしていきますが、プラスαも盛り込む。 弊社最大に得意としているチューニングも当然盛り込みます。
そして、ここが最大にして最良の違いになります。
弊社新製品のMAHLEピストンを用いて1000cc化し、国土交通省の公認を取得した公認改造車に致しますので、そのまま車検もOK。という内容。1000ccの素晴らしい走りを公認改造車でお楽しみ頂けます。
販売も可能
ちなみに。まだオーナーさん決まっておりません。このハガーが気に入った!という御客様には販売も可能です。
このハガーは新しいオーナー様が決まりました。販売は終了です。(追記2014-09-13)
もしも、決まってしまった場合、店頭に売りに出ずに納車されます。それでも記事の方は淡々と載せていくことも「全て写真に載せていたアレ」と同様です。価格等気になる御客様は45ディグリーまでお尋ね下さい。作業を行っている者はワタクシ、ヤスウラです。
作業開始といきますか
先ずはリアセクションから分解開始。ブレーキキャリパーの固着 スイングアームの動作不良と塗装の腐食 ブレーキホースの腐食 ドライブベルトの劣化などが認められた。駆け出しから手直し箇所がズラズラっと並んできた。
リアショックは交換要と認められた。外観とそこそこの性能でIkonリアショック12inをチョイス。Ikonとは以前の名門コニーである。
心臓部の分解に取りかかる
エアクリーナー・エレメント交換要す
各種 ゴムホース類劣化認められ。
ガスケット類劣化認められ。(分解するので当然交換ですが。)
こうして見てみると経年変化や塗装の色あせなど見当たります。
燃料タンクの交換
こちらのタンクへ交換を。2.25ガロン時代のビッグタンク。95年頃の1200モデルの純正タンクと同形状。
トランスミッション取り外し
クランクケース取り外しにむけて。
まずはプライマリー内のトランスミッションを取り外し。
当年式は現行型と異なりオイルフィルターの様にスコッと外す。
ディテントプレートはシフトフィール改善目的でも交換対象ですな。
クランクケース取り外し
そしてクランクケースを取り外し。
スポーツスターのオイルポンプ
スポーツスターのオイルポンプはこういう形してます。
ハナシを戻し・・クランクケース
クランクケース分解
クランクケースを割りスポーツスターの心臓 フライホイールを取り出す。この頃のフライホイールは高出力化に向いている。
クランクケースの塗装へ
クランクケースの塗装。
意外と素地と間違われるのですが、
1200S同様でシルバーの塗装が施してある。
こうして、じっくり見ると経年変化が多い事に気付きます。
ケースの塗装前にメディブライトにて洗浄と塗装前の下処理。
油分と汚れと腐食を徹底的に追い出し塗装にかかる。
クランクケースの塗装 チタン色
クランクケースの塗装で用いた色は「チタン色」
耐熱、耐油性、耐ガソリン性など考慮し耐熱&焼き付け塗料を用いた。
スポーツスターのクランクケースうんちく
ビッグツイン系はそれぞれ独立するも、スポーツスターは青と赤。
この境界線を一つ跨ぐと油種も変わる。
青く囲んだところがエンジン
赤く囲ったところがトランスミッションの「部屋」となります。
この飛び出した突起物にもちゃんと役割有り。
「クランクケース内での、余分なエンジンオイルを、かきとり
高回転まで回した時のフライホイール抵抗の低減に繋がる!よく回るようになんだよ!」
と、いいながらレーサー4速スポに取り付けていたな・・。
これを見るたびに、 以前45に在籍していた
J氏が4速スポーツスターに後付けで取り付けていたのを懐かしく思い出す。
こちらは元々標準装備で御座います。
クランクケースのベアリングは現行ハーレーでは強化型と称されるベアリングが標準で使われる。
スポーツスタークランクケース組み立て
フライホイールとクランクケースを合体させ、左右ケースの合体となる。
クランクケース同士の合わせ目には、いわゆるガスケットは存在しない。
液体状のシーラー材をそれぞれの接着面に塗布しボルトで縫えば完成となる。
ハーレー指定のシーラー材(ケミカル)は、僕は使わない。
意味も判るのだけど。ここは経験から導きだした純正指定よりもより適切と判断しているケミカルを用いている。
全ては確実性の向上の為に。クランクケースでのミス(オイル漏れ)は、あってはなりませんので・・・。
クランクケース フレーム搭載
再び、フレームにクランクケースが搭載されました。
オイルプレッシャースイッチ交換
油圧を監視するセンサーです。地味な所ですが大切なセンサー。壊れる前に換える。安心の為に。
メインドライブギア取り付け
当スポーツスター・トランスミッション最大サイズのベアリングも新調。シール(ガスケット)も当然新調。
カムシャフト組み付け
カムシャフトはやや黒みがかっている。特別なコーティングが施されているので、黒くなっています。スポーツスターに多いピッチング対策が狙い。耐久性向上ですね。細かな所への配慮が多々施してあります。
個人的に、スポーツスターのカムドライブはビューティーフォーです。
これにてカム周り組み付け完了です。
オイルホース交換
経年劣化はこんな所にも。柔らかい、むっちりした二層構造以上のホースへ交換。クランプは純正同様のクランプ。
この度の本丸 1000ccピストン
シリンダーは黒くペイント(耐熱焼き付け)。 1000ccピストンにちょうど良いサイズでボアリングされたシリンダー。
ピストンリングのギャップ確認の後、ピストンへリングを慎重にオイルを薄く馴染ませながら組み付け。
続2014.08.22
プライマリー組み付け
徐々にもとの姿に戻りつつあるハガー。ハガーのプライマリーカバーはアルミ地。磨きをいれた。
シリンダーヘッド シートカット
バルブを外してみるとテカテカに光沢がある、接触面積の増えたシート面が出てきた。インテーク・エグゾーストバルブがヘッドに接触している面、シート面をシートカットツールを用いて接触位置を修正し、綺麗なシート面になるよう整える。
ヘッド・マニ・キャブのペイント
エンジン周りの締めの塗装。シリンダーヘッドをチタン色に塗装する。
ついでに、インテークマニホールドとキャブレターも同色に塗装。渋い感じになりました。
ペイント後は組み立て
エンジン組み立て最終行程
プッシュロッドカバー・クランプはメディることで、この通り。材質はアルミ。
サビサビだったクロームめっき・プッシュロッドカバーもこの通り。
ロッカーカームには金属トリートメント処理を施す。
滑らかな動きと メカノイズ低減、恒久性向上が狙い。
プシュロッドカバーが取り付けられると不思議なオーラを纏う。
あるべきプッシュロッドカバーがないと、ずいぶん間抜けに見えてしまうから面白い。
プッシュロッドカバーを取り付けた事で、らしく、なってきた!
これにてエンジン・フィニッシュ
エンジンが、組み上がりました!
クランクケースから、チタン / シリンダー 半艶ブラック / ヘッド チタン ・であります!
ロッカーカバー、カムカバー、プラマリー、ギアカバー など
元々アルミの磨きの部品は、取り外している間に磨いておいた。
アルミの磨きについては、こちらをご参照下さい。(http://www.45degree.net/work)
今時点で比較
向かって左がアフター・右がビフォーです
エンジンの色合いをチェック
クランクケースがチタン。シリンダーが半艶ブラック。ヘッド・マニがチタン。その他はポリッシュ。
目立つ印象は当然ないが、「エンジンが、外装の色を選ばない感触に仕上がった」かな??と確認。
キャブレターはお馴染みのCVで
新色の焼き付けチタンメタリック色を纏ったコンスタント ヴェロシティ キャブレター。
加工内容はTouring&サンダージェット仕様。下から上まで扱い易く、走り易く、気持ちのよい走りが味わえる。
キャブのトップカバーはオリジナルのブラス素材のトップカバーをあしらう。磨けばゴールド 。ブラスは、そのままでも味わいある風合いになる。
タンクからキャブへの燃料ホースは2層構造の耐ガソリンホースを用い、燃料ホースのクランプには、昨年カリフォルニアのマニアックなファスナー屋に行った際見つけたインチサイズのスプリング・クランプを用いた。長期でのガソリンの漏れなど考慮し燃料コックはビッグツイン用の純正コックを用いた。安定性向上が目的。
エアクリーナーは SEハイフローA/C
この当時の純正エアクリーナーカバーをそのまま使う為にチョイスしたエアクリーナーはSEハイフローA/C。手に入りにくいキャブレターモデル用のSEハイフローA/Cを取り付けた。 エレメントはドライタイプ。インジェクションのスポーツスターにも使えるぞ。
次はリアセクション
ホイールはそのままワイヤーホイールを使用するも、汚れが酷いため、弊社設備でメディることに。
ワイヤーホイールともなると、さすがに手間がかかりました。ですが、分解しなければ手が届かない所まで、汚れが落ちました。ついでに、ブレーキと、プーリーのボルトもメディる。
写真には撮っていませんが、ホイールベアリング・スイングアームベアリングなどもメンテナンス済み。
ドライブベルトは新品に交換。ベルトカバー裏面もメディることで綺麗になりました。見えはしないのですが一応。
タイヤは入手困難なUSダンロップ製のK491 MT90B16ホワイトレタータイヤを履かせる。
ベルトのアジャスタープレート。曲がってしまう貧弱な純正品から、交換。シルバーアルマイトで美観もアップ。ちなみにこの商品はいまでは絶版品。45の在庫限り。
リアホイール周りがだんだんとキマってきましたね。
リアセクション・ブレーキO/H
キャリパーは全分解からの洗浄。シールの交換。
キャリパー ピストンは腐食も無く洗浄のみで再使用。
ブリーダーボルトは要交換と認められた。
ブレーキパッドにも必要なメンテを施す。
新製品の27Rブレーキパッドは当形状のパッドも作っている。製品が出来次第こちらに組み付けてみる予定だ。
リアブレーキのマスターシリンダー。やはり、痛んでいた。
カートリッジ式となっているので、ついでであれば、交換はみやすい。
バッテリー周りにもいろいろ問題あり
純正のバッテリーケーブル。ここにも問題が。。。
接点の腐食が認められ、写真ご覧頂いてるとおり、配線が千切れてしまっています。
当社オリジナルのケーブルに交換しましたので、もう心配ありません。
バッテリーはWest Co(ウエスコー)製のAGMバッテリーを搭載。
さあさあ、出来てきましたね
ここで気付くのが、マフラーが取り付けられている事!
2イン1(2into1)の集合管を、チョイスしてみました。
リア側のエグゾーストパイプの取り回しがセクシーで右斜め後方30度、やや上部からの眺めが最高です。
が、ここで。
せっかく1000ccにしたのに、なにか足らない。そう思って見ている人もいるだろうかと。
そこ、抜かりはありませんぞ。
1000ccのエアクリーナートリム
こういう事もあろうかと。秘蔵の一品を。
ハーレーダビッドソン
1000
キュービック・センチメーター
と書いてあります。
キュービックセンチメーターとはよく聞く
「これ何シーシーなん?」のシーシー(CC)です
引き締まった。しかも、これが本物だから泣かせます。
次はフロント周り 2014.08.28
フロント周り。タイヤはリアと同じ銘柄のタイヤに交換するも、ホイールの汚れを落とす事に。
メディブライトの威力をはかるに十分な素材でした。
ブレーキ、等々、細かい所は残っていますが、ここで全体像をお見せします。
続 フロント周り 2014.0916
ライザーのブッシングも新調(純正同等品のラバータイプ)
ウレタンなども良いのだが、いまのプルバックハンドル高を考慮すると妥当なところは純正同等品。快適に走れてナンボだ。
ヘッドライトのレンズ部まで伸びるラバーパーツも新調。この年式にもなると細かなパーツが痛んでいるものだ。
フロントブレーキO/H
リアに比べ、交換部品が多いのはフロントブレーキキャリパー。取り付けられているラバーパーツは軒並み交換だ。ブレーキパッドも交換要する、で、交換。
レギュレーター交換
90年~00年代前半ハーレーの定番故障箇所。
いま、は、壊れていない。けども、明日壊れるカモしれない。それが電気部品。
壊れると走行不能になる発電部品のひとつ、レギュレーターという、交流で発電した電気を直流に変換する、バイクには必要不可欠な電気部品。純正品以上の信頼を得ているメーカーのレギュレーターを装着。いずれ壊れるのはわかるも、アジアンメイドの電気部品は安物買いの大銭失いと全く信用ならん。最安値のモノと比べ、単価で万単位で変わろうともこのメーカーのものを使うようにしたのは10年前の事だ。トラブったときの出費と精神的苦痛に比べれば格段に安い。
< class="sample4"p>コイル&プラグコード交換
これも。いま、は、壊れていない。けども、明日壊れるカモしれない。それが電気部品。
80,000V仕様でイグニッションコイルと、スパークプラグコード 経年劣化を確実に起こす部品をセットで交換することで、NAエンジンお約束のチューンアップも同時に出来るというオススメ商品。(http://fortyfive-degree.ocnk.net/product/1317)
フロントフォークのO/H
スライダーチューブの腐食が目立ち、部品交換。
スライダーチューブは再メッキと部品交換の二通り選べるが、この度は部品交換でいく。
スライダーチューブ交換ついで、フォーク長さの変更も行う事に。
それはハガー全体のフォルムを、より「らしく」される事に他ならない。
どの程度の変化を加えたか、このハガーを購入して頂いた御客様以外には教えるつもりはない。
使うフォークオイルは、門外不出のフォークオイル。
ハガーのキャラクターを最大限に考慮したスペシャルブレンドctsオイル。
シャーシダイナモに載る
ヒートサイクルでのならし運転開始。どんなに良いピストンであろうとも、初めは肝心だ。
改造申請
ボアアップと同時に必要となる改造申請。
国土交通省の公認を取得した公認改造車とし。
そのまま車検もOK!という内容となりました。
1000ccの素晴らしい走りを公認改造車でお楽しみ下さい。
完成の姿
これにて完成で御座います。
Fin.