乗り味重視のインジェクション・チューニング(XL1200L)

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島根県からお越しのお客様です。広島・島根、隣県とは言え、距離にすると100km以上はゆうにあります。遠路はるばるご来店頂きありがとうございます。
 
当初ご来店時はサンダーマックス装着でのチューニング依頼でしたが、このお客様の望まれる所をよくよく伺うと、それはチューニングして、サンダーマックスで良い状態になったとしても、このお客様には満足してもらえないと判断して、丁重にお断りしました。
 
 
望まれるところの乗り味を経験を元に考慮した結果
 
それをするならばの最善をお伝えすると
数日後「その内容で」とお仕事頂きました。
 
 
ありがとうございますm(_ _)m
 
 
この度は、スリップオンで交換して、それぞれのマフラーに合わせたマップをお作りする内容です。通常なら1マップの作成ですが、この度は2マップの作成ですね。カウントなら2台分のカウントとなりますが、この際の料金設定はスリップオンのマフラー脱着費用とチューニング費用込みで31,500円となっております。セット的な割引が効いていますヨ。
 
 
まずは、2つのうち、一つのマフラー。北米のパンチアウト加工とやらを施してあるマフラー。
 
このXL1200、まずはじめに測った状態が北米のパンチアウトという加工がしてあるマフラーで、エンジンの中身はリバースドーム形状のピストンに交換する事でローコンプ化してあるそうです。それは大した問題ではありませんが・・・測ってみると、「わお〜ぉ」な結果。45ブログをよくご覧のお客様には、なんら珍しくもない結果でもあると思います・・・。
 
 
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トルクが・・・空燃比が・・・まあ、それはいいとして、まずは適切に合わせる作業から。
 
 
で、出来上がった北米のパンチアウト加工とやらの比較。
(こちらはお持ち込み頂いた時と、チューニング後とが、比較できる内容です)
 
 
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トルクの落ち込みが大幅に解消されましたね。
 
 
では、次に、もう一本のマフラー クロームワークスの3インチです。
 
 
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こちらがチューニング後。やはり北米と比べると明らかな大幅アップですね。
グラフの色は、あえて、「青」にしてあります。理由は後で判りますので・・。
 
このチューニングが終わった翌日に、オーナーさんが様子を見にご来店される予定でしたので、とりあえず、パワーと乗り味が半々位のチューニング内容で乗っていただくことに。すると、「出過ぎる」とのコメント。 
 
この一言でピンと来て、では!と感触を掴んでもらう為だけに作ったマップを、再度、XL1200Lへデーターを流し入れ、テスト走行をしていただくと、「好みに近づいたかな」という事でありました。
 
 
ふむふむ、なるほど。なるほど。
 
  
この日は、納車をする日ではなかったので、オーナーさんに実際に試乗していただいた時のコメントに大きなヒントを頂いて、再度細かい「詰め」を行いました。
 
で。出来上がったマップでパワーチェックを行なったのですが、当初クロームワークスでチューニングを行なったものと比較すると・・・
 
 
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なんと、パワーは下がっていました。
パワーは下がりましたが、乗り手が好む気持ちの良いポイントに合わせた調律を行った結果がパワーダウンであっても、それはそれでOKなのです。
 
確認していただいた後に、それを元に、さらに綺麗にチューニングを施しましたので、「これでOKだろうな」とは思いつつも、最終的にオーナーさんに厳しいチェックをお願いしましたら、「最高です」とのお言葉を頂きました。
 
 
遅くなりましたが、ちなみに、ポテトサウンド仕様にもなっています。
 
 
これこそが、私が得意とする、45ディグリーで行う「チューニング」です。パワーを出すことが、チューニングではありません。何かをもっての調律です。パワーを出すことの調律なのか、乗り味の調律なのか、これは同じ調律であっても、似て非なるもの。僕は、「チューナーの独りよがりであってはならない」と考えています。お客様が望む所へ、アジャスト致します。
 
 
でも、まだ「出過ぎる」という事であれば、遠慮なく仰って下さいね〜。
 
  
ではでは
 
 
masa
マサでした。