興味があってGetしたJC61のグロム 125を、ボアアップした記事。
前記事
https://www.45degree.net/blog/?p=24289
純正状態でチューニングしたり、500キロほど走行したら
「そろそろやろうかな…」悪い虫が騒ぎ出す♪
車体は小さく、エンジンは元気に….ってのがこの手の車両の面白い感じかと♪ エンジンを元気にしよう〜。
部品を入手し、取り掛かる。(自分のお散歩バイクなので閉店後です)
エンジンを下ろす….。ボアアップだけならエンジン下さなくても可能ですが、この度は交換点数の関係で、エンジンをマルッと下ろした。
この度のボアアップに伴うエンジンの交換部品。
「グロムの純正エンジンの特性」を観察し、この内容に致しました。
カムを変えつつ、シリンダーヘッドのフロー増加と、クランクの強化。
ピストン・比較。純正52.4mmに対し、63mmと10mm以上のボアアップ。
シリンダーヘッド・比較。ヘッドはそのままだと、頭打ち感は解消できないと判断。(グロム では)
これで、7000回転付近で頭打ちしていたエンジンにトドメをさす。
クランク(ハーレーではフライホイールと表現される部品)の強化。
グロム の標準クランクでは、増大した出力に対して耐え切れないそうでエンジンブローする可能性も。ダイエットされたクランクに組み込まれたHコンロッドや、強化されたスモールエンドなど、俊敏な高出力化、益々期待できます。
スロットルボディ。ハーレーではキャブレターで超有名な存在
KEIHIN(ケーヒン / 京浜)製のスロットルボディ。
チューニングは、引き続きDynojet社のPower Vision3(パワービジョン3)を使います。
国産バイクなど筆頭に、エンジンカスタムが盛んなミニバイク市場においても、純正ECMに対して、後付けでコンピューターを追加する「サブコン形式」が主流。
こちらは、純正ECMの書き換えで、これまでのサブコンとは一線を画すチューニング・デバイス。
その分専門的な知識やノウハウ・十分な経験を伴うチューナーによるチューニングによって、パワービジョン3の旨味を引き出せるか、かかってますが….。ここは非常に得意分野。
ダイノジェット・パワービジョン3でグロム 用のデータに当該180ccにむけて用意された既存データは存在しておりません。
となると、全くゼロから構築したマッピングとなり。
排気量増大・スロットルボディ大径化・インジェクター容量増大、という内容で大体燃料噴射量m/sがどんな傾向になるかは想像できました。
ここでピンとこないと、パワービジョン3には、その懐があるも、チューナーの腕前次第では、前途多難な予感しかしない冒険の章の始まり。でございます。
結局、エンジンの組み替えはすでに出来上がった物なので、手慣れた人であれば組み替えは容易くて当然。要はチューニングであり、従来はここがネックで、Yoshimuraさんのキットでキャブ化したり、インジェクション仕様ではなくなる状態も存在している。
オイルクーラーも増設。
マフラーはワールドウォーク様のマフラーを。サイレンサー容量がとても大きいのが特徴。JMCAプレート付きだ。
商品コンセプトが静音性重視である点を踏まえ、排気量増大であっても静音状態のまま高出力化が見込めるところが、採用理由。
目指すのは、排気量増大版の、メーカー標準仕様の高出力版と思わせる音質と走行感であり、静かだけど、エラく速いグロム。ここです。
普通っぽくやってきて、鮮やかパワフルに走り去る。やってる感を排気音で主張しないように、狙いたかった。
弊社ダイノルームに入れて、チューニング。
全くゼロから構築したマッピングは、例えばハーレーで表現したらエンジンを載せ替えたような、JIMS120 / JIMS135のような手探りな工程を歩むことになります。グロム チューニングも、実質二回目ですが、二回目にして、結構パンチのあるチューニングになりました。
車格も、排気量もハーレーに比べたら小さいですが、それに比例し、とても細かい調整が求められる。ハーレーでも追求すると細かいですが、それに輪をかけて。ナメてかかると、どエラい目に合います。
こちらが、ボアアップ前後のパワー比較・ダイノグラフ。
純正が8馬力に対して、180ccで18馬力。60ccのアップで実に10馬力と、倍以上の出力を得た。
180ccで18馬力、リッターあたり100馬力のポテンシャルを、静音重視のマフラーでも達成。
そして、純正状態では頭打ち感を迎えていた7000回転手前で最高出力値が出ていたものは、9200回転へ…。9000回転超えで最大馬力を発揮するエンジンに。
もう、こうなってくると、全くの別物で 従来感じていた不満は、遥か彼方へ。
カーーーーーん!!!…と前輪の設置感が危うい感触を伴いながらエンジンが回る爽快感。
淀みなく、9000回転まで吹け回る感覚は、気持ち良いったら。小粒がピリリと辛い…。
以前、キャブ化されたグロムで、同様の180ccエンジンで乗った事がありますが、こんな感じじゃなかった。
小排気量だからこその、インジェクションが優位とする、緻密に設定された燃料供給、空燃比のコントロールと、点火テーブル、その他マッピングをコントロールされたものとの差だと認識している。
いや、しかし。こんな感じのエンジンって、やっぱ作らないと、ないよな。
250cc以下で面白そうなバイクありますが、バイクそのもののコンセプトは面白そうでも….
面白味のあるエンジンは、作らないとないかな…というのが個人的な主観。
エンジンを弄れるアフターマーケットの環境があり、純正コンピューター書き換えが可能なチューニング・デバイスまで存在するようになった、グロムならではの楽しみ方。
最後の締めに。
計二輪への登録変更を。ピンクナンバーから、白ナンバー@検査対象外車両。
これでバイパス&高速道路にも乗れることに。
□ 総括
普段から最低でも883cc以上…..
低速でも扱いやすく、それでいて厚みもあり、高回転まで淀みなくカチ回る1000ccエンジンは普段からキャブもインジェクションも、双方代車にあり…
旧車ではあるけど、走ったら楽しい〜なショベルヘッドや….
最近はミルウォーキー8が多いので107ciや114ci / 117ciなど、標準エンジンで、1700cc〜1800cc〜1900ccクラスが多く….
現行車両を使って2,000cc以上のエンジンを作ったり…. (公認済み)
まるっとエンジンを「憧れのレースエンジン」に載せ替えたJIMSエンジンや….. (公認済み)
鼓動感 “MAX” な S&S V111など…。(公認済み)
そして、それらをバリッとチューニング。
チューニングする、ということは、そんな車両の具合を確かめるために、想像以上に積極的に確認する訳で。
お客様に渡ってから不具合が出てはいけないので、止む無しの選択。
そんな、ハーレーダビッドソンなV-twinばかり、平素から駆ったりしている….
吊るしのグロムは、実質3000回転以上でないと使えない。チューニングしても、6800回転付近から元気がなくなるエンジン特性は、諸元表に「最高出力7000回転」と公表されているのは確かな情報なようで….チューニングでは、どーにもならないのを再確認。こういう出力特性。
つまり、3000回転から、頑張って6800回転の実用回転域を4速トランスミッションを操り駆って走る。結果として、ギアチェンジが、まあ忙しい。レブリミットは9000回転付近にあるのに、全く使えない2000回転強というのが、吊るしのグロム エンジン。
普通なら「こんなもんかな」と大人しく走れるのでしょうが、もっと引き出しがあるのなら、開けてみたく、なるじゃないですか。引き出しを開けてみたら、これはこれで。面白い。
ハーレーはハーレーの良さがあり。
ハーレーの良さは、車重が為せる絶対的な安定感。
そして、豊富なトルクによる余裕なエンジン特性。
グロム に乗って分かるハーレーの良さであり。
グロム はグロム で、こうなると、良いね!って感じ。
オモチャには、結構お勧めです♪
https://www.45degree.net/order.htm
お問い合わせはこちらから。
posted by M.Yasuura
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