今年の5月、ご成約頂いた車両の、再チューニングです。
純正マフラーにてチューニングし、この度は北米にて再びチューニング。
北米は ……..「わざわざ、チューニングなんて…??」
実際のところ、どーなん?って
現場から、じゃないと解らないですね。
今回は、そんなネタです。
再チューニングなので
以前この車両に対して作成したデータを 用い
再び数値を入れ直すのが始まりです。
「始まり」..と表現しているのは、それだけじゃないのよ、という含みです(微笑)
こちら、出してきましたのは、前後シリンダーの体積効率マップ / VEマップです。
VEマップとは…平たく表現すると純正コンピューターにて、骨格となる燃料マップ。
改めて、上のVEマップをご覧ください。クリックすると、拡大してご覧頂けますが、モザイクを施し、数値は判らないよう処理させて頂きました。
確認して頂きたいのは、色が変わっているエリアです。
色が変わっているエリアは、なんらか数値を変えたエリア。
色がグリーンに変わるほど、大きなプラス数値を入れた結果。
日本仕様から、北米に変えただけで、ほぼ全ての項目について、数値を変える結果になりました…..。
このVEマップとは、車両の仕様に、とても左右される内容で。
狙って数値を増減させると、演算が上手くいかず
空燃比マップで意図した動きにならないので
測定した結果が、こうなりましたよ、の状態なんですね。
グリーンに変わっているところが、プラスの数値になっていると書きました。
プラスの数値とは、充填効率がプラスになった、シリンダーへ、エンジンへ、より多くの空気が入っていますよ、と指示を出した領域。
より多くの空気が入ると言うことは….より大きな燃焼が得られ、結果として、ピストンを押し下げる力が増す。
つまり、そこはパワーが上がっているのですね。
より、詳細にご確認頂けると、前後シリンダーで差はありますが。 主にグリーンに変わっているエリアは….
スロットル開度15%〜20%以上で、1,750回転〜2,000回転〜4,000回転と、かなりの広域です。
実際のところ、スロットル開度20%以上で、2,000回転と言うのは、MAPでは100付近は当たり前に使っている領域。純正仕様でもO2センサーでは補正していない領域。
(MAP領域は、それぞれのエンジン仕様やスポーツスター・ツインカム・ミルウォーキー8、各排気量、カム仕様….相当異なってきます)
では、こちらをご覧ください…..。
赤いグラフをご覧ください。
充填効率が上がったスロットル開度15%〜20%以上で、1,750回転〜2,000回転〜4,000回転と、グラフで盛り上がった領域が同調しています。今回、北米に変えて、再チューニングした事で、スロットル開度15%〜20%以上で、1,750回転〜2,000回転〜4,000回転では、結構パワー感が盛り上がっている事になります。
ということは、緑に変わっている領域は、チューニングした事で「ヒャッホーイ!」という変化が出ている、という事ですね(^^)
この車両では、再チューニングした際に、少しだけ味付けを変え、速度で50km〜70kmまで、パタパタパタ… トコトコトコ….と、スポーツスター883エンジンで走る感触を、より高める内容にしました(^^)
(総括)
再チューニングを改めて…
マフラーを変えるという事。
再チューニングの必要性について、問うてみました。
マフラーを変えると、思っているより、変化があり、その期待される変化、違いは、このVEマップへどれほどの変化を生じさせるかが、かかっています。
なので、マフラー変えてもチューニング不要を謳っている商品は、このVEマップに変化を生じさせないという認識。
僕の経験則から言うと、実際のところそんなマフラーは存在しないと考えます。
それが、2in1など、構造を大きく変えるものであれば、なおさら。
そういうマフラーに限って、商品解説でパワーが上がっているグラフを添えているのだから…
知っている人が見たら、なんじゃそりゃ、となります。
パワーが変わるということは、このVEマップへ変化が生じているという事。
この基本中のキホンを、まず叩き込んでくださいね….。
スポーツスター883のチューニングと、チューニングとはなんぞや??のさわりを、長々書き連ねました。
説教くさいブログで、さーせん!
伝えたいことが、沢山あるんです。
ではでは….
Posted by M.Yasuura