北陸地方からピストンとシリンダーを送っていただきました。

10月初め、お電話頂いて「シリンダー送ります」って。初めましてのお客様だったのですが、どういった経緯で弊社が選ばれたかは分かってません。

届いた荷姿に驚き。ずいぶん厳重な木箱。

どえらいかじった状態を残したシリンダーとピストンが木箱に入っていました。ピストンはS&S。S&Sならありうるなぁ…とみていましたがお客さんが言うには「飛ばしすぎたから」と。そうなのかなぁと思いながら聞いていた。
 
電話でのディスカッションで「あまり高いピストンは要らないんです」とのことで承知しました、と終話。

 
 
 

その後は弊社の公式LINEアカウントでのやり取りに移行しお見積りの提示などを行うことに。V-Twinで入手可能な鋳造レプリカピストンでご案内しようとしてましたがすぐに在庫があって私がお勧めなのはマーレピストンなので、「マーレのピストンに変更されるようでしたら在庫はあります」とお伝えし、お見積りを提示するとマーレピストンで話は纏まりました。
 

10月5日に受注。マーレピストンが入るよう、シリンダーのボーリングとホーニングに取り掛かり、完成し納品可能となったのは10月21日。Ready to useな状態でお届けいたしました。
 
 
 

まず、マーレピストンを選んで頂きありがとうございます。
 
 
 

このリプレイスピストンとして販売してるマーレピストンは普通スペックで出力アップに繋がるようなことは一切なしの普通さのまま、現代の性能になるよう構成した商品です。普通なんだけど普通じゃない。それがこの商品。
 
久々に私の気持ちを書き残しておこうと思います。
 
ショベルに使えるマーレピストンはあの当時なかった為、弊社が単独で創った商品なのです。弊社のような企業がピストンを製作依頼し在庫する、と言うのは結構タフな話。しかも依頼するのはナンバー1ピストンサプライヤーのMAHLE社。
 
普通の神経の持ち主ならそんなオオゴトな話にはしたくないから小手先で解決できる方法を模索するでしょう。ピストンにWPC打ったり、モリショットしたり。そんなことで解決できたら良かったのですがね、根本的に解決できない問題がショベルのピストンにはあった。
 
 
よく店頭で言われることがある。
「マサに任しておけば大丈夫」
「45に依頼しとけば大丈夫」

 
 
それはここに依頼しとけば任せて大丈夫、という「人と、事業者」に対しての姿勢の事なのですが、それと製品の問題は別問題です。どんなに腕のいいメカニックがやってもオールドスクールな製品を組んだらそこだけはオールドスクール。それが許せなかった。
 
 
弊社は創業当時、ショベルやアイアンスポーツの車両を多く取り扱っていたのですがある時期を境にピタッとやめていた時期があります。私の若かりし頃、高校生でしたね。年上の大人がかっこいいショベルやアイアンスポーツを乗っていてとても羨ましかった。だがしかし、ビンテージものを許容できないお客さんがあれこれクレームを入れる姿を見ていたのが記憶に残りすぎ。「解決できる術がないなら取り扱いをやめる」という判断をしていたのです。
 
その後、前代表が2008年10月に脳卒中で倒れ私が25歳で事業継承し、インジェクションのチューニングやら、ツインカムやエヴォを中心に取り扱ってる中、2013年のクリスマスの頃だったかな、一人のお客さんがショベルが欲しい、と現れたのです。
 
その人は以前弊社でショベルを購入いただいたお客さんで、諸事情で手放し、再びショベルに乗りたい、という気持ちでご来店されました。またショベルに乗りたい、と。
 
どうリアクションしたかというと、即答で断りました。ショベルは触りたくない、と。すると、「お前がやらんと言うならワシはショベル乗らん」と。そこまで言われちゃうとね、やってやろうじゃないの、という気持ちになり。やりました。
 

2014年の5月に三瓶山へツーリング。
 
こんな経緯がありショベル取り扱い再開に至り。
 
販売車両としてもっとショベルを売っていく方針になったのが2017年だったかな。ショベルの中でどうしても許せなかったのがピストンだった。マサに任せとけば大丈夫、45に任せとけば、と言うのはどこの誰に依頼するかの問題であると言うのは先に触れた通りで、製品の問題は解決できてない。
 
そこで、現代の水準に引き上げるべくピストンの製作に動き出しました。売れるピストンが作りたかったのではない。自身で使いたいものを作ったらマーレだった。
 
発売当初は高嶺の花的な存在でしたが、今となってはそこまで高いわけでもないのに、あのマーレのピストンが入手可能という状況ですね。

ピストンにWPC打ったり、モリショットしたりすると安価なピストンでもこの価格帯に届いてしまいますし、時間もかかる。それでいて強度不足でやたら重たいピストンはそのまま、リング幅が変わるわけでもないし、現代の水準にはならない。そういう視点から見てもマーレピストンの一式は価格の割にめちゃいい製品、という認識です。
 

リングギャップの確認は必須としてますが、ここも調整不要なほどになってるのは理由あり。ピストンもマーレ、リングもマーレ、ピストンとシリンダーのクリアランスがどの程度か伝えた上で調整不要なように仕上げて出荷されています。クオリティコントロール万歳。ここも自身で使いたい理由。改めてすごいメーカーだと思うよ。もちろん唯一無二のウルトラフラットリングであることも大切な要素。
 
ここ最近1200ビッグツイン用のピストンがよく出荷されていますし、依頼も多くなってきています。皆さんに「選べる」と言う状況を作ったので、選択肢の一つに入れてくださいね。
 
 

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Posted by M.Yasuura