ほんと、長くかかりましたが、修理完了!
こちらのBuell S1さんは、5月のGW中にトラブルにあい、45に入院していました・・・。
元々は電気系のトラブルで、近くの小谷SAからご連絡を頂いたのがきっかけ。こちらの電気系トラブル、当初レギュレーターか、ステーターコイルのトラブルかと思っていましたが実は全然ちがう所が原因で、とても判りにくい症状で念入りに探りやっとの思いで見つけ出した!しかし・・・・、その探っている間にMAXテンションの1ミリも遊びがなく動かないベルトを見つけ、テンションを解こうにも動かず、そして・・・・ミッションオイルがダダ漏れになっているのを見つけ、同時にメインドライブギア上の奥に収められているニードルベアリングが顔を出しているのが見え、こりゃ只事ではない・・・と判断し、このまま自走して帰るのを断念してもらいました。そして、そのまま修理と相成りました。
分解していきます・・。
こちらがメインドライブギア上の奥に収められているニードルベアリング。本来、こんな位置にはありません。
なぜ、こうなったのかを分析。どうも、GW前、広島に来られる前に、どこかのお店さんにて、リアブレーキを交換されたのだそうです。MAXテンションの1ミリも遊びがなく動かないベルトと関連があります。リアホイールを分解してみると、簡単に原因が判明。
リアブレーキのサポートと、スイングアームが繋がっている部分の位置が全然違っていました。本来は写真の位置になければいけませんが、黄色い矢印の丸い穴に取り付けられていた。丸い穴に取り付けられてしまうと、ベルトの張り調整をするための機構が正常に働きません。そのため、ベルトの張りが有り得ないほどの異常MAXテンションになっていた。
そのベルトの張りが原因で、フロントプーリーにも異常なテンションがかかってしまい、そのままメインドライブギアにテンションが伝わり、結果として、「力の逃げ」を求めてベアリングが外に出てきていました。オイルが漏れていたのは、本来付いているハズのオイルシールが飛んで、なくなっていた為です。
・・・・なんというお粗末・・・(;´Д`)
ハーレーのドライブベルトがとても強いものだと、改めて感じたと同時に、ベルトの張りすぎとは、ここまでの事を引き起こすのだと改めて思い直しました。
ベアリングを新しくし・・・・
メインドライブギア上の奥に収められているニードルベアリングは本来ここにあります。
見比べたら一目瞭然です。
そしてフロントプーリーのスプラインにも異常が見られました。スプラインが痩せています。
フロントプーリーも新しい物に交換。
組み付けていきます。
ここだけかとおもいきや、更にもう一点。
これはビューエルに起きやすい症状かも???
こちらはプライマリー内にあるチェーンテンショナーのシューです。
元々ついていたシューは、トンでもないほど削れています。
加速を楽しむビューエルなら、ここの摩耗が速いのも頷けます。
これで終わりかとおもいきや、更にもう一点。
ビューエルの場合、構造上、MAXテンションの1ミリも遊びがなく動かないベルトだと、それが原因でリアショックはほとんど動きません。その時には判らなかったのかもしれませんが、スイングアームが動くようになると、顕著に出てくる症状でした。写真を見てのとおり、すでにベルトが何かと干渉し、擦れた跡が残っています。
ベルトのライン上に、あまりあって欲しくない部品が・・・・ブレーキのバンジョーです・・・(-_-;)
すごい所に、ブレーキラインを、通していますね。
今回交換されたリアブレーキ関連で、大変お気の毒な状態です・・・・
そんなモロモロを直して、ようやくオーナーの元へ旅立つ日が来ました。
到着は10日後ほどです。それまでの間、暫しお待ち下さい。m(_ _)m