燃料ポンプの故障 / FLHTCU ウルトラ

インジェクション車は壊れませんっ!
って昔誰かが言ってたなあ・・・と、フト思い出す。

インジェクション車には、インジェクション車らしい故障が有りますわ…。


2008y FLHTCUウルトラクラシック エンジン始動不可にて、トランポでご自宅訪問し、ショップまで持って帰りました。セルはギャンギャン回るも、全くかからないし、燃料も漏れている。

現地にて、燃料ポンプの作動音がしなく、加えてガソリンから異臭がしていた為、ほぼほぼ、間違いないな、という判断です。

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早速開けたのは、ガソリンタンク。出てきました。燃料ポンプ。

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こちらが新品。

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使用済みのポンプASSYのほうは少し茶色っぽくなっています。

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劣化し、異臭がしているガソリンが左側。抜いて出てきた量は、タンク容量22リッターに対し、5リッター程度。・・・新鮮なガソリンが右側。色でも違いがありますね。

業界人は、あの臭いを嗅ぐと「これ、ガソリン腐っとるわ」となりますが、厳密には酸化による劣化。特有のやる気のない異臭がし、衣類に付くとなかなか取れない臭い。拾ってきたスクーターのガソリンタンク内が、この手の臭いに仕上がってます。「うわ〜くっせ〜 とりあえず洗うか、灯油もってこい、灯油、」って。

新鮮なガソリンは、フレッシュで異臭らしい臭さは全くなく、香りも爽やか。

ガソリンが劣化していると、セットになっているのが、ガソリンタンク内のサビ。今回は、ガソリンタンク内にサビなどの腐食はなく、燃料ポンプのみ、動かなくなっていました。

新品の燃料ポンプに交換。
 
 
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ガソリンが漏れていたのは、経年変化によりこのOリングの弾性が失われた事によるもので、Oリング交換で漏れは止まりました。こんな小さなゴムの部品一つで、ガソリンが漏れてくるかもしれません。最新のハーレーは定期的な点検をすることで防ぐことができます。
 



お客様に「取り外した燃料ポンプは・・・?」確認後、「不要」との事で。壊すぞ。

開けてみる事に。開けるという事は、元には戻せません。

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ホース類は遠慮なく切断。

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これがポンプ本体。

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古いEPカー使いには見慣れたブラシモーターが出てきました。ブラシレスしか知らない新米には難解だろう。はっはっは。
 
(いまや、時代はブラシレスですねえ・・・いい時代だなあ!羨)
 
テスターを用いるとコミュテータの導通が怪しく。分解して表面をサラッと研磨すると、導通が安定した。ちなみにこれで5万キロほどの走行だ。

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ブラシは問題なし。原因は酸化により劣化したガソリンによる、コミュテータ部の酸化が原因と判断しています。(この部品も正常に使って、もって20万キロって所かな・・・)

燃料が酸化した事で劣化し、酸化したガソリンの影響で燃料ポンプの電気接点がやられてしまったのが、今回の故障の原因とみている。この燃料ポンプは、モーターですが、ガソリンに常に浸っており、同時にガソリンの通り道でもある。
 
どうやったら防げるか? 劣化しにくいように、燃料タンク内にガソリンを満たしておく・・・空気が少なければ酸化が遅らせる・・?? 等々、色々考えたのですが。
 
 

一番の予防策は

 

しっかり乗る事です!

 
これに尽きますね。
 
そして、新鮮なガソリンを入れておくように。

修理代は、超・高額ですよ〜

 
 
 
以上っ。