慣らし温度を考察 / 08y XL883L / 1000cc

クラブハーレー200号に掲載!見てね。


 
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Title
慣らし温度を考察 / 08y XL883L / 1000cc
 
 

話が前後しちゃいますが!
1000ccボアアップと、車検、その他いろいろ! ご依頼頂きました。
 
2008年モデルの、XL883L / インジェクション です。
 
 
そのボアアップを済ませまして!現在はボアアップの改造申請の段取り。運輸支局から申請書類を待っておりまして。公道は走れません。
 
 
1000ccボアアップに伴い、チューニングもあることから!慣らし運転は進めなきゃ、って事で、ダイノルームで行っており。車両を常時、パソコンに接続し、管理下に置いて、慣らしを行う事ができます。
 
 
ついでなんで、ちょっとした、実験を!
 
 
純正状態のまま、
慣らし運転を行うことに対して。
 
不安に感じている
お客様がいらっしゃる事から、
この実験をする運びとなりました。
 
 


 
 
目的:
 異なる空燃比(A/F)を設定し、
 それぞれのエンジンの温度を測定する
 
ルールと条件 
・外気温は極力揃える(10℃)
・使用域のVE値を適正値に合わせ
・シャーシダイナモ上(擬似走行装置)にて、走らせ測定。
・速度は56km〜58kmの間に収める
・ギアは5速ホールド
・擬似走行負荷は与えない
・エンジン冷却ファンの出力は一定
・冷却ファンの位置は変えない
・エンジンを始動する前に冷却開始
・始動後直ちに走行開始、56km~58kmにする
・スロットルロックを用い速度に対して固定・調整
・この状態でメーター読み15キロ走行する
・エンジンが外気温と同等になるまで十分に冷却し
・次に取り掛かる
 
 


 
 

設定A/F 14.2:1 / クローズドループ

 
 

エンジン組み立てから55km、ここから測定を開始する。
 
 

AFテーブルの大部分を14.6に設定。 ざっぱにどかっと14.6。
 
14.6という数値を置くことクローズドループがスイッチされ、スイッチされた事でクローズドループバイアステープルを読み込む。800mvに設定したのでおおよそA/Fは14.2:1になるよう指示を出している。
 
 

設定した通りになっているのを確認し、続行。
 
 

15km走行したので、どうなったでしょう。
 
 

エンジン温度は摂氏138度

 
 


 
 

設定A/F 13.8:1

 

はい、では次〜
 
 

A/Fテーブルをほぼ一律13.8に設定。ざっぱにどかっと13.8。この状態はクローズドループはスイッチされておらずO2センサーでの補正は行われない。つまりVEの値が、正確でなければ、設定された空燃比から大きく外れる。こういう状態である。
 
 

エンジン温度は外気温と同等になったのを確認し、スタート。
 
 

設定した通り13.8:1付近でドライヴしている。
 
 

A/Fが13.8:1ではこのような結果。
 

エンジン温度は摂氏136度

 
お?ちょっと下がった??
 
 


 
 
ここで、途中、実験をやめ、120kmまでならッシング。
その後、エンジンを十分に冷やし(一晩明け)
 
 

設定A/F 13.0:1 / 加速空燃比

 
 

A/Fテーブルは一律13.0:1とする。この状態はO2センサーでの補正は行われない。つまりVEの値が、正確でなければ、設定された空燃比から大きく外れる。こういう状態である
 
 

設定した通り13.0:1付近でドライヴしている。一度設定したVE値で実空燃比もちゃんと追従してきてくれる。大暴れする車両もあるんだよ。この子は、いい子だ、本当にいい子だ(w)
 
しかし、キャタライザーの存在を考慮するとパーシャルで13のままドライヴするのもな…
 
 

120kmでスタートし
 

135kmで13.0:1の計測終了
 
 

エンジン温度は摂氏139度

 
 
およ、ちょっと上がったんじゃ…..??
 
 


  
 

設定A/F 14.6:1 / クローズドループ / 理論空燃比 / Stoich

 

最後に、理論空燃比での測定。AFテーブルの大部分を14.6に設定。
 
 

クローズドループがスイッチさせ、スイッチされた事で次はクローズドループバイアステープルを読むが600mv付近に設定したのでおおよそA/Fは14.5~6に補正されるよう指示を出している。
 
 
大部分のA/Fは14.6:1にスイッチされ、理論空燃比での燃焼が行われるようになっているのが、純正状態での出荷状態となっている。
 
 
さて、どうだ〜?
 
 

150km! 15km走りました!
 
 

エンジン温度は摂氏145度

 
 
 
以上! 実験終了! 


 

結果!

A/F 14.2:1 = 138°C

A/F 13.8:1 = 136°C

A/F 13.0:1 = 139°C

A/F 14.6:1 = 145°C

 
さすがに、理論空燃比ではちょっと温度が上がっちゃいましが、最も下がると見られそうな13.0:1はさほど下がらなかった。変わっても、20°Cも30°Cも変わる訳ではないのも判りました。
 
 
このままA/Fは14.6、バイアス値アジャストにて慣らッシング行います。
 
Posted by M.Yasuura