事の発端はブレーキパッド交換後に試運転したときに聞いた異音。加減速時に発生し、走り出して温まった頃が特に酷い。音は、キュイキュイキュイ・ギーギー・・・・といった、黒板を引っかいたような、不快な音。
異音の発生場所は、04年以降のスポーツスターに採用された「日本仕様純正プーリー」の中央部に取り付けられたベアリング。
プーリー本体を手で動かしてみる。通常プーリーをベルトの進行方向に対して動かすとダンパーとの隙間があるので僅かに動きますが、横方向、スラスト方向に動かして動いてしまいました。こちらは動いては×。壊れてますな・・・。
これは、リアサスペンションを変更した際、車高アップorダウンとなる場合はベルトドライブの張り調整が必要ですが、この調整が適切でなかったため、ベアリングが破損してしまい、ベアリングが悲鳴を上げている音だった。
・・・・弊社に持ち込まれる以前はDで点検されてたようですが・・どこを見てるんだか。
さて。
修理しましょう、とかかるもエラー多発。
まずパーツカタログを見るも当ベアリング単体での設定無し。
(23は時々割れてる薄いスペーサー→http://www.45degree.net/Knowledge_016.htm)
ダンパー部を除いたプーリーをASSY交換するようになっています。
価格は5万・・・
↑アメリカ仕様の5スポーク純正プーリーASSYと大して変わらないですねぇ。
次にベアリング本体をよーく見ると品番有り。
「HD 40468-04」
おおお!!希望の光が・・・・・と思い、いつもお世話になるディーラーさんに尋ねるも、設定無しでした(がーん)
NSKなどのベアリングにも、当サイズは無し。
なら!
このベアリング製造メーカーのドイツのINA社に問い合わせ。
丁寧にお返事頂きましたが
「残念ながらそのベアリングはメーカー廃盤となっております」
という事は・・・だ。
将来このベアリングが壊れるか交換になったら、 “たかだか数千円で済むはずのベアリング交換” の為に日本仕様の5万もするプーリーを買うか、形は良いけど5万円のアメリカ仕様のリジッドプーリーにするか、どーんとチェーン(した後に改造申請まで出してチェーン)化するか・・・しかないのか。くぁああぁーー(呆)
なので。
『車高変更されてる人でベルト調整をしてない人』は、手遅れになる前にベルトの張りが適切か、確かめる事をオススメします。
車高ダウンでも関係がありますが、車高アップされてる場合はスイングアームの角度で張りが変わる点を特に考慮して調整してください。
※補足
05年スポーツスターからはスイングアームの変更に伴いリアのアクスルシャフトが変更され、ベアリングも変更されています。
そんなこんな、オーナー氏に相談し、将来的にオフ車なカスタムを目指しておられるとの事で、ちゃんとオフに行けるよう、少々石が噛んでも大丈夫なチェーンにする運びとなりました。
04年〜のチェーン化は初で、テンプレート的な物がなくスプロケットのアダプタをフライスで作り、チェーンスライダーやチェーンテンショナーも作り・・・と試行錯誤、二人乗りできるチェーン化ができました。
見えない所ですが、フロントスプロケット部に入るスペーサーは、スプライン入りでスペーサーを作る。スプロケットナットの緩み防止の意味ですが、スペーサーとしても「スプライン入り」は、より確実です。
「ダンパー付き」のチェーン化もできます。
「ダンパー付き」にトラウマがなければ、の話です。(苦笑)
それでは。
○mikanさん
大変遅くなりました…申し訳ございません。
03以前も張りを見たほうがいいと思います。04年以降みたいに、プーリーのベアリングが逝く事はないですが、メンドラ側のベアリングにあまり良くないカモですね。
あとは、ベルトが突っ張りすぎて、折角のリアサスの性能を生かせてない事もありますよ。