カム交換のススメ / 2009y FLHR 96ci

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関東圏よりご依頼頂きました。2009年式のロードキング。
この度は、カムシャフト交換の、インジェクションチューニングです。

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カムシャフトというのは、これです。

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一応フライホイールのRunout値も確認。厳し目でみても”今の所OK”ですよ。

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カムシャフト周りの各部品

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油圧式のテンショナーシューもこの通りです。これで4万キロほど。

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カムシャフト交換がおわり、ダイノマシン(シャーシダイナモ)にのせて、チューニングとなる。

もっとも当たり前の疑問として、よくあるのが「なんでカム変えるの?」である。カムシャフトを変える、そもそもの目的です。これは一言で表すと「エンジンの出力特性を変えたいから」

カムシャフトを変えるという事が特別なものか?というと、馴染みのない人には特別な事かもしれませんが、我々からすると、そうでもない。当社も加盟するチューナーズネイション内でも、カムを交換するというのは然程珍しいことではなく、むしろ日常的というか。

過去にJIMS135のチューニング経験があり、当社でもJIMS120のエンジンを所有しているとおり、高度なチューニング技術を必要とするエンジン載せ替えも可能なのですが、エンジン関係は内容によっては日本の車検制度に抵触する事もありまして。

車検制度に抵触しない範囲のエンジンチューニングでは「改造申請不要のエンジンチューニングのさわりであり、エンジンチューニングの醍醐味を味わう入り口」  です (^^)

そのカムシャフトの選択肢も多く、まこと、悩ましいものです。お客様は、いかに自分の要望を叶えて貰えるか、とても大切なとき。エンジン出力特性の鍵を握るカムシャフトの選定が関わってくるのだから。

今回、このロードキングに組み付けたカムシャフトは、街乗りもあり、郊外もあり、峠もあれば高速走行もあり、低回転から、高回転まで繋がりの良い出力特性のカムシャフト。

ダイノグラフはこちら。
純正TC96エンジンと、カム交換後のTC96エンジンでのロールオンテスト結果です。

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馬力のピーク付近 下の数値がその回転数。

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トルクのピーク付近 下の数値がその回転数。

それぞれのダイノグラフ、いつも通りズルはしていないので、当車両の、エンジン出力グラフとして比較して頂いて結構です。

今回、このロードキングに組み付けたカムシャフトは、街乗りもあり、郊外もあり、峠もあれば高速走行もあり、そういうシュチュエーションにおいても、低回転から、高回転まで繋がりの良い出力特性のカムシャフトを組み込んである。

パワーカーブを見ての通り、低速のトルクも純正以上で、純正カムでは特に物足りない高速走行での十分な加速感が得られています。トルクのピークが4000回転付近にあると、高速走行で、おもわず「ニヤリっ」としてしまいますよ。日常的な走りやすさも十分配慮されたチューニング内容で、カムシャフトを交換している事を意識させない自然なフィーリングに仕上がっています。


ポテト仕様でのローアイドル。
さて、このローキン、追加オーダー頂きましたので。あと少し時間がかかります。