とある日。ぽろっと言った一言。
「車検なんてなあ、言ってみりゃ 体のいい修理だ。」
車検でお預かりの2004年式FXDL。
とかく、オイル漏れがわかる。クラッチケーブルからのオイル漏れはお客様からも指摘。
むむ…と、LEDライト片手にグイッと覗き込むとシフターシャフトシールからの漏れもある。
それにしてもプライマリー下部がオイリー&ウエット。
シフターシャフトからの漏れが拡大したのか???
早速開けてみると・・・思っていたよりひどい。
プライマリーを外し、クラッチ周りを外しインナープライマリー裏側を見た図。
おいおい、こりゃあ….。
目視確認で、シフターシャフトシールでもあるが
このオイル飛散はインナープライマリーシールの不良では、ないぞ。
「あ・・っちゃぁ〜・・・」
インナープライマリーのベアリング・レースが奥へINでいるでは、ないか。
奥にINでしまったベアリング・レース付近から盛大に漏れていた。
ベアリング・レースは、取り外し時の事を考慮しながら、隙間を残して慎重に圧入するスタイル。
所定の位置で、ストッパー的なものは、ない。
つまり、抵抗が高まった所で圧入を終わらせれば良いって訳ではない。
だから、何らか要因で、奥に入ってしまう事もあるんだ。
こうなると、通常使用する特殊工具が全く入らない。
経験者ならわかる、罰ゲーム的な、ザマーミーの案件。
Lチャンをインナープライマリーレースに熔接。
そこから、グイーッとプーラーを用い取り出す。
妙な緊張感が伴う。
もちろん、取り出しても再使用なんてしない
インナープライマリーレースを取り外すことで、ようやくトランスミッションが外れ。
交換したかったメインドライブギアのシール交換が出来ます。
交換できるミッション周り、プライマリー周りのシール・ガスケット類は、この際、皆、新品にしました。
ね、車検も、ちゃんと診れば。
「体のいい修理。」
Posted by M.Yasuura