ストリートグライドのチューニング / 2007y FLHX

前回の投稿から随分日が空いてしまいました。
 
45メカブログ読者様のみなさま、大変申し訳御座いません。
 
11月末から、2月1日まで、ちょっと、ありまして。
 
寝る時間削って取り組んでたのでブログ更新が滞ってただけ…。です。
 
纏まったご報告は3月初旬に出来るかも??
 
たちまち。コレは忘れて仕事に没頭の日々で御座います。
 
さて、久々ブログの時間。
 
 
 

チューニングご依頼頂いた2007年式FLHX / 全車インジェクション化された初年度モデル(176)です。
 
 
 
 
 

元々付いていた「サンダーマックス」というECM(フルコン)を取り外して、
 

やっぱりこれ、の純正ECM。ECMは同じソフトウエアレベル176に用いられていたUsed品を用いた。
 
こちらは内部に残されたVINナンバーを確認すると元々は2009年式のFXCWCで、となるとのソフトウェアレベルは当然ながら176だった。
 
一度登録されたECMを今回のように中古品で他車に用いる際はソフトウェアレベルが同一又は類似するものである事が重要。外観からわかるパーツナンバーでは判断がつかないから、この辺りはほんと、ややこしい。
 
さて本題。純正ECMを用いるメリット。普段使い、安定性、不具合、車検、排気ガス規制、車両売却時の査定、そしてチューニングの自由度。今となっては純正ECMをチューニングする「遣い」にとって。社外ECMは余程の理由がない限り、選択肢に御座いません。
 
 

チューニングする為、ヒートガードを..と見ると、おいおいオイな接触痕。このエキパイはS&S製の「Power Tune Dual」ですが、この商品は割と有りがちな事で、気をつけてる箇所。あるあるです。
 
お客様に確認をとり、ガードを接触しないように致しました。
 
 

ナローバンドO2センサーは新調。
 

スパークプラグもこの通り。いい感じ。実はこのプラグ、不適切な調整と磨耗が確認された為に、交換しました。
 

こちらが元々付いていたプラグ。チャンピオン製のRA8HC
 

指定の隙間(ギャップ)に調整しようと、一部の隙間が合うだけで、あまり推奨されない調整を施されたプラグで、チャンピオン製のRA8HCのプラグを使用において多く見かける。
 

今回用いたプラグ。
 

左側が解放部に向け、上昇方向に開き続けているのに対し、右側は一定の隙間を有すよう設定。細かい話ではありますが、プラグのギャップとは、とてもデリケートなところで、大切。この違いは、エンジンの調子、排気音、出力、プラグの寿命に大きく影響すると判断しています。
 
 
 
さて、チューニングにとりかかる前に、もういっちょ…。プラグ外してエンジンの中を診ると、ああ、やっぱりね……と。
 
サンダーマックスでは、使用されるワイドバンドO2センサーの状態次第ですが、Too Richな状態で走ってる事が散見される。
 
純正ECMであっても、FP3というチューニングデバイスの機能でメーカーが積極的に利用を促す「オートチューン」を利用されると、かなりの確率でToo Richな状態で走ってる事が起こっています。
 
….で、何が起こるかというと、エンジンの中に煤が大量にある状態が発生してしまう。こいつが非常に厄介。
 
何が厄介かって。堆積した煤がガソリンを吸ってしまうイメージで、煤が多ければ多いほど測定の度に毎回違う数値が出てしまい、回せば回すほど減っていくので、どんどん数値が変化し、正確な測定が困難に。
 
それは即ち正確なVE値の打ち込みに影響する。センサーを馬鹿正直に信じちゃダメと言うのはこういう事。
 
だいたい、それに伴い。悲劇があるのです。
 
測定に用いるワイドバンドO2センサーから拾う数値が、明らか、そんな事が起こるはずが無いタイミングでマックス・アウト…燃料カット時は正常ですがね。これ、測定用のワイドバンドO2センサーが逝った症状です。
 
 
で、こういうことになるので、我らの宝刀、エンジンクリーニングの登場です。
 
 


 
 

 

これでバッチリ。ハーレーで、普通にRECSしてもここまで落ちはしません。ここも剥がして落とす「技術」。確実にクリー二ングしたいお客様は、弊社にご依頼ください。
 
 

チューニング後、このようになりました。
 
乗った印象は、まるで「キャブ車のようなフィーリング」に仕上げました。
 
キャブといっても、S&SやCVではなく、HSR、FCRを彷彿さすもの。
 
HSR FCRのキャブの特徴は。
 
アクセル操作に伴い、音もそうですし、加速さす印象がガラッと変わるもの。
 
ちょっと開けると、ドドドドドゥ! 
 
そこからもう一捻りで、ドダダダダ!!
 
さらに、もう、いっちょ、で ドカーん! といった感じ。
 
アクセル操作で排気音も豹変する、それが。
 
この度のインジェクションチューニングで乗り移ってます。
 
要するにインジェクション車らしくない自然な体感という。
 
それを一般的にはキャブ的と表現されてます。
 
「なにか、無理をして、得ている」のではなく 
 
純正ECMだから出来る
 
奥行きのある調整幅を生かした事で、成し得た。
 
標準装備のノックセンサーも生かしてますので、無茶な事はしておりません。
 
この度の車両はケーブルスロットルとあり。
 
より、それを感じさす仕上がりに出来ました。
 
(全部が全部、そう出来るのではないので、ご要望に添えない事もあります。)
 
本日(2/6)全作業完了、週末納車可能です。お待ちしております。
 
Posted by M.Yasuura