2008年FLHTCUのパワービジョン化を行い、インジェクションのセッティングを開始するところです!
しかし、ここに来るまで、少し長い道のりでした。
エンジンを始動させる際に、異音がしていたのです。
エンジンを始動する際、普通は、
「キュッキュッキュッキュッ ぶぉぉぉおおぉぉおおん 1,300回転アイドリング」 となるのは当然ですが
こちらの2008年FLHTCUの場合は、
「キュッ がキュッ ガきゅッ ガッ ぶ っ ドォこおおぉぉおおん 1,300回転アイドリング」になっていました。
タイミングが悪ければ、「エンジンが逆回転」しているような音すらしていました。
オーナー様としては気になる音なので直したいとの事でしたが・・・・まあ・・・細かくは書きませんが、「よくあることですよ」と返されたそうで。そういう事情で45で調査することになりました。なにぶん初めて見る症例で全く分解せず診断するのは、消去法を活用しつつ、状況判断をして、頭の中で色々な想像をしながらの診断。どんどん分解して、やたら滅多目視で確認していくのは、工賃は嵩み、ガスケットは必要で、お客様には相当なご負担ですからね・・・。
で、恐らくここだ!
と判断し、「ここを開けさせてください」、と開けてみましたら、こうなっていました。
セルでエンジンを始動させる際の異音の原因はコレだ!クラッチハブのスプラインが欠けています・・・・恐
このクラッチ回りの構造を知っている人なら納得の結果でしょう。要するに、セルでエンジンをまわそうにも、軸がグラついているものだから、ねじれてしまい、しかし、ねじれては動けない作りになっている集合体であります。コンペンセーター回りなどがそうですね。結果、異音の原因になっていました。
こちらが正常な姿。
しかしこの部品をまじまじと見るとエンジンのシリンダーと似たような造りになっとるんじゃね。スプラインの鉄パーツを、アルミで鋳込んでる造りですかね。時々、スリーブを打ち変えて・・・と聞くことがありますが、ハーレーのシリンダーはアルミのフィンに対して、スリーブを後で圧入している物ではないのですよ。
これで、ようやくパワービジョン化を行い、インジェクションのセッティングを開始できます。
あの高速回転物のスプラインがグラグラのままでセッティングせずに済むと思うと、ホッとします。
ファームウェアーのアップデート中。
新しいファームウェアーが出ていましたのでインストールしています。
今回は、標準のセッティングに付け加えて、追加で1マップ作成することになりました。
一つはパワー重視セッティングで、吹け上がりの良いモードとし、一つは長距離用のダルなセッティングで、ピックアップなど角を取ったモードとし、それぞれのキャラクターを明確に分けました。パワービジョンは、タッチパネル上にてマップの入れ替え作業が出来ますので、こういう機能が遠慮なく楽しめます。
先日、日産のジュークに乗る機会があったのですが、こちらにもモードの切り替えが出来るインターフェイスがついていました。こういうところが、楽しい機能ですね。
「異音の原因はこれだ!」への7件のフィードバック
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>1333さん
レースだけが原因ではないような気がします(^^ゞ
HDJにこのような故障を詳しく調べる機関があるのかも不透明です・・・。
正にこの症状です。
ディーラーの情報によると、2006年式のFXDLでは、3万キロ走行で同じ症状が発生している例があるそうです。
レース部分の部品が、所定のスペックを満たしていないので、このようなことになるのでしょうが、HDJは部品不良を認めてくれませんでした。
1333さん
コメントありがとうございます。
その件は、もしかしてこの記事と同じですかね???カテゴリー「プライマリー」にしてある記事をリンクします。下に動かして記事を見てみて下さい。
https://www.45degree.net/blog/?cat=104
このレース剥離が起こったFXDLは2006年モデルでした。2006年モデルは他にもプライマリー内に持病を抱えていますので要注意です・・・。
これからも、正確な情報配信に努めます。