エヴォ オイル下がり修理+リフレッシュ(長編・写真多)

久しぶりの長編ブログ記事です。
作りかけてはくたばっているので、やたらと記事が溜まっているのが頭痛の種ですわ〜
 
 
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エンジン始動時に白煙がボフッという症状で入庫のエボです。
 
症状を伺ってみると、マフラーから白煙が出るようになったとの事。白煙が出るとは、エンジン内で一定以上のオイルが燃焼している症状ですが、エンジン始動時のみだと、どうもオイル下がりっぽい。
 
エンジン止めておいて、その間にバルブ上にオイルがたまり、始動時に溜まったエンジンオイルが燃焼室へ流入、燃焼、白煙ボフ こんな流れです。
 
納期を長めに頂いていたので、その間急ぎの仕事を済ませて取り掛かる。
 
 

 
エンジンを開けてみました。
 
(長編の為、続きは↓をクリックしてください PC閲覧のみ)

 

リア側 結構なカーボンの量ですが、堆積したカーボンが「湿った様子」はありません。
 
 

シリンダーヘッドのスプリングをさっくさく外して見ると。
 

 

 
早速見つかりました。今回の犯人!バルブステムシールが外れています。
これ、だいぶ前にエンジンのガスケット交換とシートカットを行なった際に交換したものですが、バルブガイド側へ挿入される部分のシールがだいぶ緩くなっていました。それが原因で抜けてしまったのでしょう。
 
 
 

 

ピストンリングも、張力が緩くなってしまいリング溝やエキスパンダーにもカーボンが溜まりかけ、動きが渋く状態としては宜しくありません。
 
 

肝心なピストンとシリンダーが使えるものか、検品。
使えないものなら、洗浄してもあまり意味がありませんからね。シリンダーも擬似的に組み付け状態にしてボアゲージにて計測。ピストンtoシリンダーのクリアランスも修正して使っても差し支えない範囲にあり、このままリフレッシュして使う方向になりました。
 
 

となれば、次はピストンの丸洗いです。
 

 

洗浄前
 

 

Medi-Bright後
 

 

この度ピストンに対して施したMedi-Bright処理は、いつもとは違う処理を施してあります。Medi-Brightと一言で済ませても、対象物に対して使う材料を変え処理しています。この度はピストン表面にある角や小さなバリを慣らし、更に潤滑油が保持させ摺動性が向上する事が目的でとした物で、指でオイルを塗布しても良い感じでオイルを保持してくれるようになったのが判ります。
 
 

シリンダーヘッド内もMedi-Bright処理を施し、シートカットに備えます。
一度シートカットしたのに、また必要なの??という人の為にもアップ写真を。
 

シート面はカーボンに叩かれてぼこぼこです。
このようになっては、タコ棒でカンカンでは歯が立つ訳もないですねえ。
まっ、そんな事をすると接触面が増えて面圧が下がり圧縮漏れしてしまいますのでやらない方がまだマシでしょう。
 
 

バルブも綺麗にしていきます。
 

 

ざっとこんなもんです。Medi-Brightと併用で一本辺り5分でこのようになります。


洗浄すると判りやすいですね。
いつもは100%ボコボコになっているエグゾースト側のバルブ。シートカットしていた御陰で全くなっていません。ヨシヨシ。
 

シートカットしている図は撮り忘れましたので省略、シートカット完了後、ヘッド組立出来ました。
 

シリンダーを組立。
 

ヘッド締め付け、ロッカーカバーをシリンダーヘッドへ締め付ける。ここのガスケットはまだご紹介していませんが、45ディグリー発の「Made in Japan」品質のガスケットです。また改めて。
 
 

インテークマニホールドもMedi-Bright処理
 

見た目を綺麗にするのが目的ではないんです。
 

インテークマニホールドのシールとの密着性を増し、漏れを最大限防ぐのが目的、そのついでだから、見た目も綺麗に!
 
 

組み付けていきます。
 
 
 
・・・(省略)・・・
 
 
 

エンジン始動後、まずは新しいピストンリングとホーニングしたシリンダーの当たりから付けていきます。
エンジン内があんな状態から内部をリフレッシュしたらセッティングにも変化がある前提で、そこも含めて仕上げにかかります。
 
つづく。