トリプルワンの魅力 / V111

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S&S製の111キュービックインチのエンジンを搭載しようと言い出したのが2016年に入ってからのこと。エンジンのスペックを見たらおおよそ見当ついていた。

様々なエンジンを積んだ車両にも乗ってきた。元々はショベル全盛期のあの頃に乗り出したショベラー世代でもある。パン・ショベル74/80・エボ・ツインカム88・96・103・110。。。その様々なエンジンで色々してきた。限界も見てきた。

883の「その先」だけは自分で作らないと・・・で1000ccのピストン創り出した
 
エンジン載せ替えが自社で合法的に出来るようになってからは・・・。
 
 
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エボのヘリテイジにパンヘッドのエンジンを搭載した「エボパン」。スマートなカスタムを提案。(販売済)
https://www.45degree.net/blog/?p=10359
 
 
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JIMS120を搭載したローライダー120も登場。実にパワフル。獣のような走りだ。こちらも公認。45のレンタルバイクとして活躍中。
 
 
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そして最も最近完成したのはこちら。
トリプルワンを搭載したエボ・ファットボーイ。こちらも当然公認。
 
トリプルワンは111キュービック・排気量1820ccのエンジン。
 
このエンジン。
「1820ccもあるんだから、さぞ凄いんだろう!」って思うでしょう。 
 
現行のCVO110よりも大きいエンジンですからね。

ところが、その期待を見事に裏切ります。

クラッチミートから気難しくなく頼もしく滑らかにスタート。

走り出して、すぐに気づく事が。「ん??こりゃ想像していたよりも乗りやすいぞ」と。スナップ操作で動く範囲では、急な加速感もないから、じゃじゃ馬感も感じない。ジェントルだ。 「なーんだ、想像していたよりも大したことないな」 と錯覚しながら、そう思いながら、大きい道に出る。
 
 
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大きい道に出て、そして車速に乗せ、前の車と巡航する。速度は50キロほど。心を落ち着けて色々な感触を確かめる時間が出来た頃に、気づくことがある。驚くほどに振動が少ない事だ。
 
確かに、振動はあるんです。それは、しっとりとした、プルプルとした揺らぎの心地良さ。お豆腐が壊れない程度に指で突くくらいの、柔らかいタッチの振動だ。
 
これはエボリューションなので、現行ツインカムソフテイルのような振動を軽減するバランサーは装備されていない。振動はダイレクトに伝わる車両であるにもかかわらず、トリプルワンになってからは、実に、ほどよい心地よい振動なのだ。
 
標準エボでは硬質な振動が回転上昇に比例して増すエンジンだが、このトリプルワンは実にしっとりとした、プルプルと揺らぎの心地よさで保たれる。
 
振動の多さをバランサーで打ち消しているソレとは異なり、旨味も消してしまわないので良い振動のみ味わうことができると同時に元々振動の少ないトリプルワンは、己の股座に「良質なエンジンを収めている」と自覚させてくれる。

振動の少なさで快適なクルージングが出来る。それでいて、1820ccもの大排気量にも関わらず、非常に扱いやすい感触のトリプルワンはエンジンに急かされる感触は皆無と来た。クルージングで、巡航で使うスロットル開度ではひたすら扱いやすい。
 
 
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そんな扱いやすい感触もあり、振動の少なさも相まり、かったるい速度域での巡航が心地よいのだ。
 
ずーっと50キロで走っていてもいい。

60キロでもいい。
いや50キロでもいい。
何キロでもいい。
どうでもいい。
遅くても気にもならない。

ギアは5速だ。5速ホールド。腐るほどあるトルクに任せれば煩雑にしなくてもいい。
 
 
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道路ばかり見なくてもいい。
景色を見る。遠くを見る。遠い景色を。

ああ、気持ちいいなあ。

今日は、天気いいなあ。

ほんと、天気いいなあ。

このまま、どこ行こうかなあ。
ああ、今日、昼飯、何食おうかなあ。

・・・。
じゃあ、扱いやすいばかりかといえば、そうでもなく。
よし、ここから、というアクセル開度まで開ければ、CVOを軽く凌ぐ。メーカー製エンジンとは全然違います。
 
そこで感じるのが、振動は少ないまま、鼓動感がや〜ったらあることだろう。鼓動感よりもさらに心地よいパルシブな感触
 
ちょうど2000回転だか2500回転だか、そう高くはない回転数で気持ち良く加速さすと、プルプルプルっと心地良い揺れとリアタイアの前進力に、エンジンからの鼓動感を伴いながらステレオサウンドで後方で木霊する排気音が心地よさを倍増さす。その他のハーレーでは体感のしたことのないMAX鼓動感の状態だ。これが気持ち良いものだから、スピード狂にならずに済む。
 
 
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走った感触は、言うならば、高級車そのもの。フワッとしていて、スーっと走って、滑らかに車速に乗る。開ければ速い。。
 
扱いやすさと、振動が少ないおかげで、距離を走っても、全然疲れません。が、不思議なことに、「走った感」もあるんです。

走った感があると、ショベルとかみたいに、ずんずん疲れちゃうんですけどね。100キロ200キロ程度では全然疲れていない。なんだが、妙な感じでもあるし、新鮮というか、これまでに体感したことのない「疲れを知らない走った感」

この、振動の少なさと、マックス鼓動感の感触の堪能こそ、トリプルワンエンジンへ載せ替えての醍醐味でしょう。
 
今となっては111キュービックが大排気量とも思わない。これよりも大きいエンジンはゴロゴロある中、トリプルワンは、デカイは偉いというモノサシでは計れない。スポーツ・ツーリングエンジン・トリプルワン / V111はこれから先、S&Sが誇る名機になるであろう。
 
 
それの第一号車がついに出来上がり、納車に。
明日納車っ。6月26日に、納車式 朝からするよ!
 
 
 
弊社にて行う車両販売では、エンジンの載せ替えがオプションで選べます。
関連リンク http://45degree.net/IMO.blog/?p=1928