オイルポンプ交換に警笛を鳴らす

2007年式FXSTCのエンジン分解しています。
 
元記事はこちらです。
「診断から見える箱物販売の中身とは??」https://www.45degree.net/blog/?p=5721
 
 
26HGカムシャフトがインストールされているにも関わらず、パワー感も薄く、簡単に言えば全然面白みの無いハーレーに仕上がっていました。某フルコンを付けていた影響で目に染みる排気ガスを吐いていましたので、試運転をしても感じられる違和感から、オーナー様にはエンジンの調子を整えた方が良いと感じている事はお伝えしておりました。
 
 

早速分解していきますが、純正のマニホールドフランジから変更され、インテークマニホールドシールを挟んではみ出したシールが「こんにちは」しています。
 

 
 
 

2次エアは吸っていない事を確認後分解しましたが、これは組み立て時のメカニックの不注意なのか、はたまたこの交換されているマニホールドフランジで用いられているガスケットの、構造上の無理なのか。色々と考えさせられます。とりあえず現状は、明らかに「BAD」です。
 
 
 
さくさくーっと、エンジンを分解していきます。
 
 
 
ちなみに、こちらのエンジンには、26HGカムシャフトをインストールすると同時に、大容量タイプのオイルポンプに交換されていると聞いていました。フューエリングの製品ですね。
 
 
では、こちらをご覧下さい。
 
 
 

分解してすぐに気づいた事があるのですが、大切なものが交換されずにいます。その大切な物とは「カムサポートプレート」です。大容量タイプのオイルポンプとは、オイルを多く吐出する為にギアーの直径が大きく設計されているのが一般的ですが、それを受け止める側も大きくするのは当たり前の話。つまり、大きくなったギアーの直径に合わせて設計されたカムサポートプレートが必要という事。
 
刀が大きくなったのなら、鞘も大きくしなければ刀は収まりませんね。それと同じです。
 
では具体的にどれほど大きさが違うものなのか数字で見ていきましょう。
 
 
 

こちらは純正のカムサポートプレートです。
 
 

こちらがフューエリング製の大容量オイルポンプ用カムサポートプレートです。
それぞれ定規をおいていますので、どのくらい大きくなるのかがお解り頂けるかと思います。一生懸命送るオイルポンプに対し、受け止める側は小さい為、本来の状態ではなかったのですね。あってはならない、人為的な間違いです。大容量のオイルポンプへ交換するのならカムサポートプレートも交換する必要がある当たり前さをお伝えしました。
 
 

これから組み付けていきます。
 
 

どうせならカムサポートプレートに用いるボルトにもこだわった物を使っていきたいところ。
頼りない純正のボルトよりも数段確りとしたARP製ボルトは、プレミアムグレードのクロームモリブデンスチール材を採用し締め付ける際の張力と手応えも全く違います。
 
 

カム回りの組み付けは終えました。
お次はシリンダーとシリンダーヘッドです。
 
つづく。

「オイルポンプ交換に警笛を鳴らす」への2件のフィードバック

  1. 1333さん
     
    お返事が遅くなりました。
    そういう話もあるのですね。良くしたいが為に交換して調子が悪くなるとは、とても残念な話です。

  2. このフルコン扱っている東京の正規代理店、一部信者のような人たちがいますが、一般にはあんまり評判よくないですね。
    フルコン付けたら、調子が悪くなったという話をあちこちで聞きます。

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