ベルトがブチ切れてしまったことで、ご入庫。いきなりサクッと修理後の写真ですよ っと。一次側のベルト(オープンプライマリーと呼ばれるカスタム)は、危ないかも??の兆候を早期に把握しないと、レッカーで運ばないと行けないトラブルには容易に進行します。トライクだと、自走不可の状況が高速道路で起こるとか、怖いですよね。
ついでに、昨今話題のカムを。
TC88の場合は、対策を施すのが当たり前のご案内で。
TC96移行採用される「ローラーチェーンドライブ」への、「フル・カムコンバージョン」をご案内致しました。
スクリーミンイーグルで販売されるものよりも完全な、ローラーチェーンドライブ仕様への「カムコンバージョン仕様」となります。
唯一、欠点としたら、TC88の純正カムが使えないこと。
フル・カムコンバージョンとは、何も初の試みではなく、実は隠れて実績があるもの。2012年くらいから行ってる手法で、不安要素はございませんが、昨今の部品供給難のため、こちらの手法を用いることに。
結構シブい手法なので、メインでご案内している内容でもなかった手前 当ブログでは初のご紹介となります…. ご紹介すると、こちらがメインになるかも、ですが。…あくまで、御来店でしか対応できない内容。
昨今、ギアードライブへの換装は実は少ない事例となっております。それは車両個体ごとに使用上生じる変化によって「ギアードライブへの条件」が許された値をオーバーしてしまう事で、不可の判定を行っているから。全ての車両でそれがある訳ではないが、NG判定の車両も少なくはない。
こちらの車両は、ギアードライブ化ですらOKの良判定♪
よく話題に出るカムチェーンテンショナーの摩耗具合
まあまあ、ボチボチといった具合。走行3万キロ未満です。
カム周りをがぼーっと外した図。
タペットローラーの状態は、霜降りにもなっておらず 良判定♪
ところが、ここに「異常」を見つけました。カムサポートプレートを真正面からみた状態。
ここです。(カムサポートプレートを真上から見た図)
フロント側のカムシャフトが、逝ってました。
結構ダメージありますが、異音とかせず (聞こえず、の方が正しいかも…汗)
ベアリングにはそのダメージ痕はなく、しかし、もっといいベアリングに交換します。
この度のカムコンバージョンで大きく違う点 その1
カムシャフトの「ここ」がダイナでは2006年以降、その他ビッグツインでは2007年以降TC96/103/110と同仕様✨
同仕様となると、必然的に、ここに従来設けられていた深みぞ玉軸受 “など” の「形のあるベアリング形状」は…省かれ、供給されるエンジンオイルでフローティングされます♪
この形式にすると、ガタがほとんどなく、しっかりしてます。
それに伴い、オイルポンプも大容量化。
この度「必然に交換」のカムサポートプレートですが、オイルポンプの大容量化には、受け側のカムサポートプレートの「ここ」も大きくなります。
純正値。ね、随分大きくなるでしょう。オイルポンプを変える=カムサポートプレートも変える これらは同一に行う工程となり、 ちょっと高額になります。
大きく違う点 その2。インナーカム側も、ローラーチェーンドライブ化。
スクリーミンイーグルでのカムコンバージョンでは、あくまでTC88時代に用いたカムが使えるようになっています。
このような状態です。TC88時代に用いていたサイレントチェーンをそのまま用いましたが
この度は、インナーカム側もローラーチェーン仕様。
では改めまして。
従来のスプリング式
これからの油圧式
従来のスプリング式
これからの油圧式
完全に、2006年以降、その他ビッグツインでは2007年以降TC96/103/110と同仕様✨になりました。
ファスナー(ねじ)はARPボルトを用い。
これにて、バチっと油圧ローラーチェーン仕様へ「フル・カムコンバージョン」化を行いました。
伴い、HSRキャブレターの再チューニングも行いました♪
偶々に、ベルト周りの修理で カムも同時にご依頼頂いた事で、良からぬトラブルも防げる形となりました〜。
posted by M.Yasuura
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