弊社でマーレピストンを組んだオーバーホール済みのエヴォ販売車両は「改造申請」が標準 その解説


弊社でオーバーホール済みと販売しているエヴォリューションエンジン搭載の車両に多く組み込んでいるマーレピストン
 
こちらのピストンを販売開始以降にオーバーホールを行なった販売車両にこのピストンを組み込む中で
 
これらは改造申請を済ませてのご納車としております
 
ピストンの交換で改造申請って必要なの?という問いに対しては
 
「場合によっては必要とされている」と回答します

(タイトルにある通り、真面目な話なので堅苦しい件はご容赦くださいませ)
 

 

 
 

改造自動車審査要領に「自動車製作者が当該自動車の補修の為に製作した部品を用いた補修交換については、 「改造を行ったもの」に該当しないものとする」と記述がある
 
該当しない
 
除く
 
といった書き方は審査事務規定にはよくあるやり口です
 
 
お、じゃ、何が該当するんだよ? というのは私がアンサーしましょう
 
ざっくり言えば「社外品」ですね それはスクリーミンイーグルも含めてのこと 
 
販売元がハーレーでもパーツカタログに記載がある部品でなければ補修部品とはみなされません

改造審査要領に記載の通り求められていることを行なっているまでのことなのですが
 
組んでしまえばわかりゃしないものを、何を馬鹿正直に、と笑う人も

 
ところがどっこい
 
 
当たり前の申請をしても、マーレのピストンを用いた場合はちょっと一味違う
 
逆の言い方をすれば、マーレのピストンにしないとできないことを行っているのです
 
ここからが本題
 
 

まず結論 
「このピストンを組めば性能が上がります」
 
長文になってしまうので解説はこちらをご覧くださいませ
 

この性能の上がるピストンを組むと、最高出力値が出る回転数も上がり….
 
改造後の車両において、実測値は最高出力時の回転数5,080rpmとなっています
 
 
では
エヴォのストックはどうなのでしょう? 諸元表を見てみます
 
  

モザイクだらけですまない これは一般には公表されてないものなので伏せた
 
最大出力のところだけを見て頂きたい 型式はGDL(ローライダー)のものです
 
最大出力 〇〇馬力 / 5000rpm とあります 
 
エヴォ・ビッグツインの標準的な諸元表では最高出力時の回転数は5,000回転となっています
(この時代の車両で「ビッグツイン」またはB/Tとするときはスポーツスターを除く、という表現です)
 
 
では次にこちらをご覧ください 
審査事務規定の別添9 近接排気騒音の測定方法(絶対値規制適用時)です
 

最も注目すべきはこちら
原動機を最高出力時の回転数の 75%(二輪自動車及び側車付二輪自動車のうち原動機の最高出力時の回転数 が毎分 5000 回転を超えるものにあっては、50%)
 
 
 
 
さて、もう一度こちらをご覧ください
 
 
 

エヴォの諸元は5,000回転ちょうど
 
超えるというのは、5,000を超えるので5,001であることを意味します 

5,000回転を超えてないものは最高出力時の回転数の75%とあるのでエヴォ・ビッグツインの標準的な諸元表では最高出力時の回転数は5,000回転となっていますことから3,750rpmで測定することになります。よりによって最も不利な測定方法で挑まなければなりません。
 
 
 
…エヴォの時代は規制が緩いからなんでもOKと思われがちだし、ネット上でもそのような情報がかなり確認されているが、実際のところは違う
 
確かに平成11年排気ガス規制にも該当しないので騒音値だけ収めていれば根拠のある書類は必要とされないので、この点では緩い 
 
マフラー交換に書類は必要としないのでマフラーは変えたい放題とも受け取れる
 
しかし、メーカーが提出した諸元にある最高出力時の回転数は5,000回転を超えておらず、最も厳しい測定をしなければなりません 
 
よって、3,750回転での測定をした場合は、後のツインカム時代の排気音とさほど変わらない排気音でなければPassしないもの
 
 
 
…….
 
 

ピストン交換をした場合は総排気量の変更を行うよう、定めがあることは前述の通り
 
改造申請をする際は、根拠のある書類を元に、最高出力時の回転数を定める
 
エヴォの標準の諸元が5,000回転だったものが、改造の際は変えることが可能となる
 
 
 
 

5,000回転を超えるので、最高出力時の回転数の50%で測定するようになる
 

改造後の車両において、実測値は最高出力時の回転数5,080rpmとなり
 
5,080回転の/2で2,540回転となる
 
同じサイレンサーであっても回転数が下がれば騒音も小さくなりますよね
 
従来の測定方法から1200回転も下がれば合法的に取り付けできるマフラーの選択肢も多くなってきます
 
 
実際の例を載せます
写真のみでわかりにくいですが文面で補足します

 
 
 

弊社にてご購入頂いたFLSTS 納車整備の際にオーバーホールしマーレピストンを組み込む
併せ、国内新規登録の際に改造申請を行いました
 
 

従来通りの測定の場合は前述の通り3,750回転での測定となりますが、ここでの実測値はいかに
 

105.1dBと出ました この当時は99dBを超えてはNG(超えるは99.9dBより向こう側ですね)
 
では、改造の申請後ではどうでしょう
 

改造後の車両において、実測値は最高出力時の回転数5,080rpmとなり、/2で2,540回転
 

99dBは超えない結果となりました 排気騒音値は基準値内となり、車検適合の車両となる 
 
この状態は一般的なユーザーが求める排気音量と一致しており、とても満足していただいている
 
 
このように、マーレピストンを組むことで性能が引き上げられ
当たり前の改造申請を行うことでユーザーにとってメリットのある結果を提供できます
 
ただ、お客様にオーバーホール済みの安全、安心をお届けしているだけでなく、トータルでご満足いただけるよう配慮した弊社のエヴォハーレーをぜひご検討ください
 
 

また、弊社マーレピストンをお買い上げのユーザー様はオプションで改造申請を行うための通知書渡しも行っております
(こちらが実際の通知書です)

関連記事 https://www.45degree.net/blog/?p=24122
 
こちらは一般ユーザー様、業者様どちらでもお買い求め頂けるようにしておりますので是非ご検討頂ければ幸いでございます