配線のトラブルから、試運転 / 1984y FLHX

パンパンいうトラブルで再入庫。
 
恐らく電気系で、割と簡単に直せるものだろう…直感。
 
スパークプラグを念のためウエットブラストでサッと洗浄し装着。
 
 
 
試乗して、症状を確認。
 
「ああ…..点火が断続的に入り切りされてる症状だ」
 
試乗に出てすぐ戻りサクッとFix完了。
 
30Aブレーカーから取り出しメインスイッチへ向かう12Vの配線が被覆の内部でポキっと。折れてました。
 
 
 
私は簡単に直せたけど、トラブル系に不慣れなユーザーさんはちょっと難しいかもな….
 
手で触っていくと故障箇所は割と簡単に特定出来た。
 
精密なセンサーなど備わってない、単純なもの。だから、複雑な故障はまずしない。
 
現代の車両のように診断機など接続出来るようにはなってないので、故障探究には感覚と経験が頼り。
 
手で触っていくとか、ほとんどの事はそういったもので十分事足りる。
 
 
 
 
 
新しい車両では、複合的な要素が加わって「不具合」に繋がってるとか、ある話。
 
その不具合を、一般的には故障と表現されることが多い。
 
 
 
一つのケースを出せば、「不要にノックコントロールが最大値に働いてた」
 
ノックコントロールが最大値に働いていると、走りがめちゃ悪くなる。
 
不可解な動作をしている事で不調を起こしているものもある。
 
そういうのって、診断機では表示されない。
 
自己診断やDTCで「ノックコントロールが最大値」とか出てきませんからね。
 
最新の車両でも診断機では表示されない箇所の故障になると
 
古い車両同様に故障探究には感覚と経験が頼りで、更に知識が必要。
 
なぜ、ノックコントロールが最大値で働いてしまうような誤作動を起こすのか、原理と仕組みを知れば、修理箇所断定への道筋になる。
 
そもそも、ノックコントロールが最大値に働いてることに気付けないと、そりゃ途方もない…です。
 
 
 
私は、最新車両のチューニングも平素から行ってる関係で、そういったことを考えさせるシーンが本当に多くあります。
 
それはピコーん!異常です!みたいな表現ではなく、
 
数値を見て異常と判断するか、もしくは違和感として察するかしなきゃいかん。
 
温度帯の補正値なのか、裏で働いてる何かなのか。 そして、裏付けと証拠。 いつでも「引っ掛け問題がくるかもナ」と構えている。
 
一台一台、何が起こるかわからないという緊張感の元、安心しきって穏やかチューニングなんて、しちゃいない。いつもビクビクしてます。苦笑
 
 
 
最近の車両は、ボディコントロールモジュール(BCM)化されてまして。
 
シンプルに見えて色々複雑でして。モジュール管理されてるので、どこか短絡しようものなら不可解なブラックアウトとかも起こす BCM車両でトラブルとなると、そりゃ難しい。
 
その多くは、ユーザーさんが知らずに おりゃっ と弄った事で生じる事が多いのが実情です。
 
 
 
古いからダメでもないし、新しいから安心でもない。と思いますヨ。
 
 
難しい事考えず、性に合うか合わないかで選んだら良い、それが正解やと思う。
 
 
そして、頼りになるメカニックを備えておく。これで全て丸く収まる。
 
 
 

そんなこんな思いながらFixし、表に走り出せば、まー走りがいいじゃないの。気持ちいいぞー!✨ 
 
これ、この前より随分良くなってるよね!
(https://www.45degree.net/blog/?p=25194)
 
なんだろう、加速感が、確実に一回り大きくなってる。
 
 

オーバーホールして1000kmちょっとか。1500kmくらいかな。
 
この前と、いい方向で違うな。まるで生き物みたいに、成長するかのごとく「変わる」のが、この辺りの年代。
 
調子良くしたら、もっと調子よくなってる。嬉しいね。
 
 
 
下からモリモリっとトルクがあって、
 
滑らか。そして、途中パワーバンドを体感しつつ、気持ちよく高回転まで吹け回っていく。
 
 
 
 ん….

  
 
普通にショベル乗ってると、聞き慣れない発言をしましたね。
 
「滑らか。そして、途中パワーバンドを体感しつつ、気持ちよく高回転まで吹け回っていく」って聞き慣れない発言かもしれない。
 
 
 

これもね、たった一つ、ピストンを変える事でなし得た大きな成果。
 
1340のショベル、こんなに気持ちよく回っていかないもんな。化けるという言葉を使ってもいいレベル。
 
 
昨今ショベルのエンジンを弄るという話も少なく、せいぜいカム交換程度の現状維持系で、主には調子良くしたいの内容が多い。
 
それは何もショベルに限らず、他の車の世界でも、ビンテージになると、現状維持系で、調子良くしたいの内容が多いと聞く。
 
優しい感じのオーバーホールを求めてると集約できるのかな。 
 
私も普通にオーバーホールする中で、普通に良いものを求めて、マーレ社にピストンを製作依頼した。

わざわざ作ったくらいだから、他にアテがなかったのだろうというのはご想像の通り。 どーせ作るんなら、ナンバー1のマーレに頼もう、そういう気持ち。
 
普通に使って、普通にいいものとして、ショベル用のピストン。そこに一石を投じたかったんよね。スペックでは語れない体感が、備わっている。
 
 
 
先日も、ショベル用のマーレピストンでお問い合わせ頂きました。
 
遠方のお客様からお問合せで。
 
近隣で、組んでくれるお店ありますか?のご質問でした。
 
依頼するならショベルに関してバッチリなお店を選びたいもの。
 
どこに依頼するべき?? それって、なかなか難しい。
 
ショベルに関して、取り扱いや、オーバーホールを行っているショップ様は想像されている以上に多数存在しているもの。
 
その内情というのは伺い知ることが難しいもので、中には「過去」に粗悪な製品(ここでは名前は伏せておきます)を使ってしまったことで、ひどい目に遭い「鍛造ピストン」に対してネガティブなイメージが付き纏い、MAHLEピストンでのOHそのものを変えられてしまうこともあり得ると予想します。
 
ショベル を直そうという案件そのものは、保守的に仕上げられることも多く、こちらの記事(https://customfront.jp/feature/45degree-mahle/)も、ショベルのチョッパーをバリバリ作っても、ビンテージモーターのポテンシャルも追求してきたシウンクラフトワークスの松村さんだから、このマーレピストン使ってみて頂けませんか?と持っていけた案件でした。
 
 
 
振り返ると。
 
 
 
1990年代にあった「ショベルブーム」の頃って、今みたいに恵まれてはいなかった。

レギュレーターも、よくパンクしてたし、時として過充電状態になってバッテリー沸騰して希硫酸が暴発したりもした。
 
故障やらトラブルによってズルズルになりながらも、それでもショベルに乗り続けていた。
 
 

現代のような、こんな車両、出来ていれば少しは違っただろうなあ。振り返る。
 
私が初めて乗ったショベルは1340ccのFLHで。あの車両はミントコンディションでUS仕入れした車両だったけども。
 
親父が特別に乗せてくれました。土師ダムの外周コース。初の「ハーレー」に更に憧れのショベルヘッド FLH80。
 
その時の印象は「回らないエンジンにどデカい耕運機のようなフィーリングがショベル」と思い込んでた。
 
それとこれ、同じショベルだけれども、今じゃ全然違う。あの頃こんなのあったら、どう思っただろうな。普通に気持ちいいもんな….。
 
 
 

走りながら、この感覚に近いものってなんだろう、考えたら、空冷のポルシェだな。そう思った。
 
 
 
ハーレーもポルシェも、よく似てる。
 
今の立ち位置、過去の存在。
 
憧れの最新。いつかは空冷。
 
よく似てる。
 
空冷は初めから踏み込めない。
 
ハーレーも、いきなりショベルには踏み込めない。
 
双方、踏み込んだら踏み込める。
 
入り口のハーレーって、入り口のポルシェって、その選択って、後に大きく影響する。
 
 
ハーレーとポルシェって、本当よく似てるわ…..
 
 
しかし、バイクで、ハーレーっていうものを趣味に持つって、良いもんですね。
 
 
それを、改めて感じた試乗でした。
 
 
長文失礼しました。
 
 
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posted by M.Yasuura
 
 
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