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パワーチェックと診断


CB1300のパワーチェックです。
 
いつもお世話になっているお客様の息子さんのご友人の愛車・・・という繋がり。国産車でも大丈夫ですか〜とお尋ねがあった後のパワーチェックでした。以前当BlogでもRGVガンマのパワーチェックを行っている風景をUPしましたが、シャーシダイナモを用いての診断やパワーチェックは2輪車であればよほどの事が無い限りお断りする事はありませんヨ。
 
 
よほどの事・・・今思い当たる事を、書き出してみよう。
 
1 タイヤが太すぎる(320以上とか)
2 ホイールベースが長すぎる
3 タイヤとフェンダーのクリアランスが少なく タイヤ膨張が大きく、膨張しフェンダーと干渉する場合
4 僕が理解できないハイテクバイク(!)
 
 
とか、ですかね・・。
3番とか、「かっこいいクリアランスを意識しすぎて失敗した」 ありえへんパターンですね。
 
ハーレーの方が計測できないパターンが多い気がします。
 
 
さて。今回はCB1300にパワーコマンダー3USB 装着後、 どういう風になったか・・・のパワーチェックと診断であります。
 
そういうことであれば装着の前後での比較がしたいでしょうから、マズ初めにパワーコマンダー3USBを取り外し、その後取り付けてパワーチェックを行いました。細かい条件もほぼ同じに合わせて極力誤差の少ないデーターを取り出しました。
 
パワーコマンダー3は、とあるショップ様の製品で、現在のCB1300のマフラーや仕様にあわせたマッピングデーターをインストールしてもらった状態で購入し、そのまま取り付けられたとか。
 
インジェクションセッティングは、なんらかの形でセッティングをした、その痕跡を見つける事が出来ます。しかし、理に適った形で、それを見つける事ができませんでした。
 
なんでもかんでも、合ってないと言って、その後インジェクションのセッティングに持ち込んでセッティング費用を頂こうなどと考えてはいません。
 
適切な時はそのようにお伝えしますし、逆の場合もその通りお伝えします。診断とは、そういうものです。

走りやすく致しました


10年式の中に103ciエンジンになったウルトラがありますが、そのリミテッドのチューニングでご入庫。
 
96ciが純正ストローカーなら103ciは純正ストローカーのボアアップとなります。
ちょっと期待しますね。かなり期待です。
 
 
まずは試乗チェック。
あれれ???バイクが重たい・・・! 
 
 
そしてショップに戻り「パワーチェック」
 
 

 
ああ・・・やっぱり・・・。体は正直に反応していました。
 
 

サンダーマックスECMを用いてセッティング中。実走行に近い状態で負荷をかけて動作チェックをしているところです。走ることに集中しなくても良い環境であればサンダーマックスから送られてくるモニターに集中できます。こうすると意外な事が判るのですよ。
 
 


赤いグラフが「走りやすく致しました」の図です。マフラーは引き続き「純正」を使っています。
純正状態で最も良いデーターだけ残し(緑色のグラフ)、それとオーバーラップして比較。結果は「馬力は20ps」、「トルクは約4kg-m」それぞれアップしました。
 
ものすごくアップしているように見えますが初めからこのくらいはあっても良いハズです。ワタシメの知っている103キュービックのエンジンなら、77馬力&トルク13.11kg-mのデーターはむしろ少ないくらいですが、純正マフラーの割によく出てるほうですから、ムズかしいところですね。(^^;)
 
数値とデーターばかり並べていますが、実際に走ってみて楽しいかどうかはまた違った話でありますので、あらかじめ。
 

 
以上、大人なチューニングでした。
 

TC96を楽しもう


TC96エンジンに変更されたのが2007年。
2010年10月の今。2011年モデルの登場。2007年モデルからTC96エンジンも5年。純正ストローカーだ!とか大げさに言っていたのも5年前。はやいものですね。

そんなTC96な愛馬を新車で買い、しかし想像と違うビッグツインのデフォルト状態に驚いて(色んな意味で) 改造をされた人も多いハズです。その改造もときには「改悪」になってしまう事もあります。
 
 

上のグラフはTC96エンジンのツーリングモデルです。大変参考になるデーターなので使わせて頂きました。グラフが波打っていますので「約」、としますが、馬力は約53hp ・ トルクは9.7kgの出力。バイクの変更点は、変更点はマフラーはエンドキャップが黒い装飾が施されたマフラーで音が大きすぎる為に音圧を殺すための詰め物を施され、O2センサーには空燃比の読み取り値を変える為のものが取り付けられていました。狙いはなんとかエンリッチナーというものに近いです。そのバイクのパワーチェックを行ってみたときのデーターが上の緑色のグラフとなります。
 
どノーマルTC96とのデーターでも「58馬力以上・トルク10kg以上」は出ています。ノーマル状態と比較すると、ちょい改造TC96は少なく見積もってもも5馬力&0.3kgのマイナスとなっていました。TC96のデーターは持っていますし載せることもできますが自粛します。だからと言って純正で乗ってください、と伝えるつもりは全くございません。「1+1=2」にはならないという事を伝えたいだけです。
 
 

こちらのグラフは、先と同一のバイクのマフラーのみ、元々静音重視に仕立てたマフラーに交換して、再度パワーチェックを行った比較データーです。音が大きいマフラーでバッフルを詰めて静かにしたものよりも、初めから静音設計のマフラーをチョイスしたほうが優れている、という事が判ります。
 
 
せっかく1500cc以上もあるエンジンを生かせてない・・・それは、もちろん、ハーレーらしさ、という点で、あえてのデチューンで、テイストを求めての事は私も止めません。しかし、改良(パワーアップ)を目的として施された事なら、思うようにはなっていない、ということですね。それは、色んな意味でもったいない、ですね。
 
 

 
 
 
 

で。こちらはTC96エンジンのまま、弊社にてファインチューニングを行ったものとの比較です。双方同一の車両にての計測です。緑は改良前、赤は改良後です。改良後は馬力は70hp・トルクは11.2kgとなりました。一般的に、これが同じ排気量の、同一エンジンから得られたデーターか!???とも思われますが嘘偽り無いデーターで御座います。実際に走ってみると、溢れんばかりのパワー感というよりは、とてもスムースで、どこからでも扱い易いトルクが得られるパワー感・・・という感触であると思われます。エンジンの、カムシャフトをギアードライブ化する・・・・のもロングライフ化や高性能化には大切ですが、そもそもの「基本」を押さえたファインチューニングもオススメですよ。
 
それでは。

45第3ファクトリーより ”こだわりのBore UP” アッセン3


エンジン組み立て後、新油を入れて回し、ヒートサイクルの慣らし後、すぐにオイル交換。見ての通りギラギラしているのが、「出来立てエンジン」の証拠です。汚いオイルを綺麗に撮ってしまい申し訳ありません。新しいオイルを入れて、エンジンを冷やし、再びヒートサイクルの慣らしを繰り返す。
 
 

プラグコードは、ACCELのレースワイヤー。長さを決めて作りました。
 

順調に走行を重ね、250km以上走りました。
 
 
 

エンジンランニング中〜ッ
これから最終調整。狙い通り流速が上がっている。
 
キャブレターのセッティングを決めていく作業中。とんとん拍子で決める。「ボアアップしたから、どのくらいジェットが大きくなっているか?」って?んな事はないですよ(笑) ま、それはさておき。このエンジンは、XL883純正エンジンでキャブレターのセッティングをきちっと決めた状態と比べ、馬力が60%アップ・トルクは70%アップしている883→1200ccボアアップ。アクセルのツキにも元気があり、前進力は「ぶ厚く」なりました。
 
IST(イグニッション)はブレイク・イン・レブリミットを設定しました。これにより、慣らしをオペレーションします。
 
○ いちおう解説
ブレイク イン レブリミット設定とは、慣らしを手助けするモード。ある時間以上走行しなければ****回転数以上は使用できなくなります。エンジンが稼動している時間、イグニッションキーを入れている時間ではなく、エンジンランタイムアワーのみ記録されます。時間の経過で、使用できる最高回転数を自動で変えていき、一定時間以上走行すれば、このモードは自動で解除されます。解除されれば、あらかじめ決めたレブリミット設定になる。
 
(詳しくはコチラをどうぞ:http://www.45degree.net/Tuning/ignition/ist_custom.html
 
 
それでは、ご納車ですね。

完成チェック


 
またまたダイナモ上でのチェック風景。でてばかりの新車TC96をエンジンチューニング。車体回りは動画を見てもらえば判ると思います。ここで目標のドライバビリティを設定しているところ。ECMはVFI。 「ギアチェンジで何速?」を追っていってもらうと、少しオモロイかもしれません。ちなみに車速220km以上出しています。S&Sスロットルボディのバタフライから発せられる「ひゅごわ音」が聞こえますヨ。