2020年営業初日 / ショベルFLH再生〜着地! / 1984y FLHX AEK3 スペシャルエディション


2020年営業初日のブログはショベルのFLHX / スペシャルエディションの進捗から。
 
 
昨年にご成約頂いた車両ですが、この度はか〜〜〜なりボリュームがある内容を頂きました。
 
 

まずはサイドカーを切り離すストーリーから….ボルトで締結されているので、外すのは可能です。その外観の迫力からは外せそうに無い様相ですが…。
 
並行して、サイドカー戻しの確認をしなきゃと。車検の絡みですね。
 
「側車付きオートバイ」の登録から、「オートバイ」への変更が伴う為、中国検査部へ確認も済ませました。結果は、オーライ。
 
従来の感覚では、「自動二輪だったものを改造してサイドカー登録していたものを、元に戻すだけなので構造変更検査だけでOK」だった。
 
….のですが、昨今サイドカーの決まりも微妙に変わってしまい、主には軸重の測定方法に変化があったり(測定が結構めんどくさい)、ちょっと臭うな….と思い検査部へ相談で出向いた次第。 結果は、そうして良かったという。
 
当該車両、もともとサイドカーだった車両ではなく、日本に来てサイドカーへ改造されていますが、その登録が昭和の時代というのもあり、運輸支局に残る写真判定では平成初期までしか遡ることが出来ず。元々はオートバイだった証明を書類添付し、事前に検査部に提出し改造の扱いにならず解決。
 
もともとサイドカーで製作された車両だと、改造の扱いになるカモ?です。
 
10年前は、それでも改造にならず、書類も添付せず簡単に通せたのですが。
 
審査事務規定も10年も経てばゴロッと変わってしまう箇所も多数。サイドカーから、バイクの登録へ変える際は留意ください。
 
前の車検じゃぁ〜何々….の下りは、思わず喋ってしまいますが、車検時に口にするのは要注意。
 
 
 
 
 

サイドカーを切り離し、検車台にセット。
 
さあ〜、、 ここからが本番っ。
 
 

ご覧の通り、バラっばら。
 
 

おおおおお!! 
 
 

おおおおお!! おおおおお!!(感激)
 
 

期待通りを見つけました♪ 純正マーレピストン✨✨✨
 
走行距離が少なかったので、無闇に交換されてないだろう!!???? と思ってましたが、やったね!マーレ出てきた。
 
ショベルの高年式だけに採用されていたマーレピストン、今となっては希少。と言っても今は更に上回る商品を作ったので「交換」に。
 
 

ピストン交換前に、測定。純正値です。
 
 

シリンダーの内部が、す〜こぶる具合がよい。さすが、マーレ。
 
ついでに、ピストンとシリンダーのクリアランスを測定。高年式の車両にしか入っていない純正マーレピストンにおいて、メーカー標準仕様で「低走行の実測値」は かなり貴重。気になる人はめちゃ知りたい数値でしょうね。(測定値は社外秘です)
 
 

走行距離はこの通りの、実測。
 
 
サービスマニュアルでは得られない数値を得た結果としては、認識は改まらず。鍛造マーレピストンで設定したクリアランス値に変わりなしの結果。と言う具合。
 
 

フレームまで完全に分解して行う理由とは….??もう一個しか無いですね。
 
 

塗装をやり直し。すべて、粉体塗装(パウダーコート )で仕上げました。


フレーム・スイングアーム・オイルタンクを艶ありHDブラック。
 

エンジンはクランクケース・シリンダー・シリンダーヘッド・タペットブロックを、リンクルプラックに塗った。
 

粉体塗装で行うと、シワの具合も均一。有機溶剤のリンクル塗料だと、かなり難しい。
 
 

これはネックベアリングのカップですが、フレームはここからスタート。
 

こうやって溶接するとベアリングレースが縮み、スルッと抜けます。
 
 

トランスミッションも、パリッと。徹底的に洗浄するため、超音波洗浄機を導入し、用いている。
 
 

中身はもちろん、外観もバリッと。
 
 


クランクケースの内側。1984年のショベルだと、貴重な写真。
 
 

クランクケースの合わせ目のシールは、もちろん必要最小限の塗布が鉄則ですが、その上、確実さを優先しなければなりません。某有名メーカー純正採用の嫌気性のシール材を採用している。これは失敗もしないし、はみ出ても残らない。塗布に神経質にならなくてもいい、凄いもの。その代わり、すーっごい高い….確実性を優先した安心さには敵いません。
 
 

カム・タペットも新調。
 
 

ピストンは先に純正マーレピストンが入っていたことに触れましたが、新たに入れるのは、鍛造マーレピストン
 
 

今回も、調整不要でございました。
 
ピストンの製作段階からの着手だと、可能な芸当の一つ。最終的なピストンクリアランス値を設定しメーカーに伝えると最適なピストンリングのギャップ値までメーカーで整えて出荷してくれるのが、マーレならでは。プロフェッショナルなお仕事です。
 
同じマーレピストンであっても、ここのプロセスが省かれず調整が必須なものがあるが、弊社で販売しているオリジナルのマーレピストンにおいては基本調整不要の、その仕様となっています。が、一応確認は行う慎重さ。
 
なぜ?? 都度、リングギャップを調整する手間を省きたかったから。自分が使いたいものとして作ったのが根本にあり、自らが使い勝手の良い商品にしたいのは当然。調整不要に出来る、もしくは、必要であっても最小にしたい。
 
 

ヴィンテージモーターであっても、中に入れるのは最新設計のピストン。
 
世界中どこをみても、ショベルにおいては、ここまでの品物は無いと断言しても良いかもしれません。
 
スペックこそ普通だけど、決して普通では無い。使った人なら絶対に体感可能な領域にある。
 
 

この状態で中心部から組み立てて行き。
 

重心を中央に整え、バランスを考慮しながら重量のある最外部を組み立て。
 
 

ここから先は着地させ、検車台に載せて続けます。
 
 

エンジン周りも、塗装、磨きを施し。
 
 

プライマリーケース側も同様。クローズドプライマリー加工も施し、ベント加工も施した事でミルウォーキー8まで続くプライマリー湿式潤滑仕様へとなる。
 

ステーターローターの、磁石(マグネット)が剥がれていたので、これも新調でございます。
 
 

ヴィンテージモーターであっても、調子良く乗りたいを叶える重要なファクターの一つ。 
 
ショベル乗りの夢を叶える。
 
当社ではエボやツインカム など、新しい車両からの乗り換えが多いのもあり、始動性、走行性、安定性など、数々の不安材料を払拭するものとしても、採用している。ダイヤル調整とは別にパソコンを用いたマッピングが可能。その車両に合わせたオリジナル仕様を、パソコンを用いて都度インストール。VOESを用いた2次点火マップを0°〜40°まで自在に操る仕様となるので、ガバナーを用いた機械進角を用いるポイント点火やダイナSなどとは一線を画すもの。
 
 

新調したオイルライン。パリッと弾力のある2層構造のホースが滑らかな曲線を描いていると、生まれ変わったな、と再確認させます。
 
 
現在、外装の塗装、クロームめっきの再めっきなど、進めております。
 
 
 
https://www.45degree.net/order.htm
お問い合わせはこちらから。
 
 
posted by M.Yasuura
 
 
にほんブログ村 バイクブログ ハーレーダビッドソンへ
1 click お願いします。